Blackmagic Designによると、ボリビア映画の復元、調査、保護を目的とする機関であるFundación Cinemateca Boliviana(FCB)が、Cintel Scannerを使用して、ボリビア映画のアーカイブをリアルタイムでスキャンしているという。このFCBのプロジェクトは、7,500本以上の作品を復元・デジタル化するというもので、これらの作品には1920年代の映画や、1950~70年代のドキュメンタリー、膨大な数のネガフィルムなどが含まれている。
1976年に創設されたFCBは、ボリビアの映像遺産の復元、保護、保存に加え、オーディオビジュアルの普及、文化的な公共教育と訓練における文化的貢献と努力により、ボリビアの重要な機関として認識されている。
FCBのエディター、テクニカル・ポストプロデューサーであるルイス・アルベルト・タピア氏は、次のようにコメントしている。
タピア氏:FCBにCintelを導入したことで、それまで不可能と思われた映像コンテンツの復元を実現する機会を得られました。ここボリビアでは、35mmや16mmのセルロイドフィルムを、ポジでもネガでもデジタルに変換できるラボはありませんでした。そのため、すべての処理は海外で行われていましたが、実際の修復から輸送、通関、保険、そして歴史的資料の輸送に伴う総合的なリスクまで含めて、非常に高額なコストがかかっていました。
FCBで初期にデジタル化されたプロジェクトには、1925年に35mmで撮影された「La Toma de Posesión Presidencial de Hernando Siles(エルナンド・シレスの大統領就任式)」、1966年に好評を博した映画「Ukamau」のネガフィルムのデジタル化、1969年の映画「コンドルの血」、そして1953年から1970年の間に制作されたニュース映画やドキュメンタリーなどが含まれる。
タピア氏:フィルムの映像をデジタルファイルで保存するだけでなく、プロ仕様のフォーマットでスキャンしてビデオ化できるのは嬉しいですね。また、16mmや35mmの素材をHDRでスキャンすることで、フィルムのダイナミックレンジを完全に残せることも魅力です。
編集、グレーディング、VFX、オーディオポストプロダクション・ソフトウェアであるDaVinci Resolve Studioを使用すれば、プラットフォーム間を移動せずに作業できることも利点である。
タピア氏:編集からカラーコレクションまでを単一のソフトウェアで処理できることは、大きなポイントですね。他のツールの心配をしなくてすむので、結果的にコストを抑え、プロジェクトを円滑に進めることができます。
FCBは将来を見据えているが、Cintel ScannerとDaVinci Resolve Studioがあれば、目標を達成できると確信している。FCBの専務取締役であるメラ・マルケス・セイレグ氏は次のようにコメントしている。
セイレグ氏:FCBは、国内および海外の映像を保存することで、それらを通じて人々が学んだり、楽しんだりすることを目的としています。たちは、このプロジェクトを実行に移し、文化や芸術へのアクセスとその教育を保護するための遺産を継承できることを嬉しく思っています。