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リコーイメージング株式会社は、PENTAXブランドにおいて、新たにフィルムカメラの開発検討を行う「フィルムカメラプロジェクト」を開始する。昨今、若年層を中心に人気が再燃しつつあるフィルムカメラを、リコーイメージング/PENTAXが長年培ってきた技術を継承した新たな製品として提供することで、国内外のフィルムカメラファンにカメラや写真を楽しむ新たな選択肢を広げることを目指すという。

昔からフィルムを楽しんできた人、そしてこれから新たにフィルムを手にしてみたいという新世代の方々に向けて、新製品開発に伴い、アフターサービスをはじめとした「安心」も届けたいとしている。

フィルムカメラプロジェクトの具体的な取り組み

フィルムカメラの新機種の開発検討

PENTAXブランドにおいて、フィルムカメラ開発の検討を開始する。リコーイメージング/PENTAXが培ってきたフィルムカメラ開発のノウハウを生かし、ベテランの技術者と若い世代の技術者が一丸となって技術を承継すると同時に、新たな視点を加えることができないかを検討する。

カメラファンの皆さんとの共創の工夫

デジタルカメラが主流となった現在、フィルムカメラの開発に必要な部材の調達も簡単ではなく、メーカー一社の想いだけでは進まないという。オンライン・オフラインでの各種イベント、SNSを通じたコミュニケーションを活用し、フィルムカメラファンや写真家・クリエイターの声を製品作りに反映できるよう工夫したいとしている。

一方で、同社の進捗状況をワールドワイドで伝えられるような、ファンと共に創り上げるための工夫も検討する。

プロジェクト開始の背景~なぜ、今、フィルムカメラなのか?~

新世代ユーザーでのフィルムカメラ人気の高まり

若年層を中心にフィルム人気が高まりつつあり、フィルムを現像し、プリントではなく直接データで受け取りSNSにアップする、といった楽しみ方をしている若者もいる。

同社で独自にWebアンケート調査(国内約3,000名)をおこなったところ、カメラ所有者の中で約20%はフィルムカメラを所持しているという回答も得られた(レンズ付きフィルム・インスタントカメラ除く)。

一方で、新品のフィルムカメラを製造・販売しているメーカーは少なく、中古市場で流通している製品は、アフターサービスが心配されている。リコーイメージングがフィルムカメラの製造・販売からアフターサービスまでを担うことで、ファンが安心してフィルムカメラの世界を楽しめる手伝いをするとしている。

"あえて手間がかかる"楽しみを求めて

昨今のデバイスの進化は目覚ましく、写真文化においてもスマートフォンの台頭により、手軽にどこでも綺麗な写真を撮影することが可能になっている。同社は、その便利な世界の中にこそ、あえて手間をかける楽しみがあると考えているという。手間とは、人の手による個性と創造性、人の趣向が表れる部分だとして、手間にこそ、人にしかできないものの追求につながるという発想のもと、"カメラにおける手間の楽しみ"を、PENTAXが提供できればとしている。

同社の代表取締役社長、赤羽昇氏は次のようにコメントしている。

赤羽氏:リコーイメージングは、2022年1月に"生まれ変わります"と宣言しました。国内では新たな取り組みとして、デジタル・オンラインでのコミュニケーション強化やクラウドファンディングへの出品、PENTAXクラブハウスの開設など、ファンの皆さんの声を、よりストレートに聴かせていただき、その気持ちに寄り添った製品を作り販売していくといった、今までの常識に捕らわれない"挑戦"を続けてまいりました。

また、全世界で数量限定の特別モデルを展開するなど、"工房的"ものづくりで実現したプロダクトのご提供を開始しています。

この度、新たな "挑戦"として、デジタルとは違った楽しみを提供するため、PENTAXブランドにて新たにフィルムカメラ開発へのチャレンジを宣言させて頂きます。この宣言は、弊社がフィルムカメラの新製品発売をお約束するものではありませんが、人が自然の空気と光に忠実である限り、フィルムカメラファンの方は必ずいらっしゃると信じているゆえの宣言です。一度終了したフィルムカメラを開発することが、どれだけ困難なことかは認識しています。我々は検討のスタートラインに立ったに過ぎません。

各種イベントやデジタルなコミュニケーション(SNS等)を通じてファンの皆さまの声を聴かせて頂きこちらからも可能な限り開発状況のアップデートを行っていきたいと思います。皆さまの応援・賛同、時にご批判も頂きながら、共創の精神で、新たなフィルムカメラプロジェクトにチャレンジできるなら、それ以上に嬉しいことはありません。