Blackmagic Design導入事例:映画「Rotting in the Sun」の場合

Blackmagic Designによると、2023年サンダンス映画祭でプレミア上映される劇場映画「Rotting in the Sun」のポストプロダクションにおいて、リアルタイムでのコラボレーションにBlackmagic Cloudが使用されたという。またCaffeine Postのリードカラリストであるアーニー・シェーファー氏と同社のスタッフは、同作のグレーディング、オンライン編集、マスタリングにDaVinci Resolve Studioも使用したという。

ブラック・コメディーである同作について、自身として出演も果たしている監督のセバスティアン・シルヴァ氏は次のようにコメントしている。

シルヴァ氏:この作品は、映画製作のビジネスだけでなく、現代の唯我論的な文化も批判する作品だ。

ソーシャルメディア・インフルエンサーのジョーダン・ファーストマン氏を溺死から救った後、シルヴァ氏とファーストマン氏は、シリーズでコラボレーションすることを決意する。ファーストマン氏がシルヴァ氏のメキシコシティのスタジオに到着したとき、彼はどこにもおらず、ファーストマン氏は家政婦が事情を知っているのではないかと疑う。メキシコシティを拠点に活動するシルヴァ氏は、「The Maid」で2009年サンダンス映画祭ワールドシネマ部門審査員大賞を受賞し、「Crystal Fairy and the Magical Cactus」で2013年サンダンス映画祭ワールドシネマ・ドラマ部門監督賞を受賞している。

同じくメキシコシティにあるCaffeine Postのシェーファー氏が、シルヴァ氏とチリに拠点を置く撮影監督のガブリエル・ディアス氏と共に同作の特殊なルックを作り上げた。

シェーファー氏は次のようにコメントしている。

シェーファー氏:35mmポジにサンプルをプリントして、どのような点が好ましいかを確認し、16mmのように柔らかい35mmポジプリントの感覚で、デジタルである本作のルックを探りました

経験上、芸術映画は最終的なグレードに達するまで時間がかかります。カラリスト、監督、撮影監督がすべて、最終的なグレーディングに求められているものが何かを正確に把握するために、段階を踏んだプロセスが必要です。幸いにも、Blackmagic CloudとDaVinci Resolveの遠隔コラボレーション機能により、喉から手が出るほど必要な、時間の余裕と柔軟性をワークフローで得ることができました。

Caffeine Postでは、カラーチームをサウンドチームのようにデザインしました。イメージスーパーバイザー、リードカラリスト、アンビエントカラリストが視覚的な深みを作り、ダイアログカラリストが顔と人物をコントロールし、FXカラリストが特殊なイメージマスク、特定のカラーコントロールと照明の調整を描いて加え、カラープリミキサがマッチして連続性を維持するのです。そしてマスタリングは、劇場公開版とストリーミング版の最終バランスとプッシュを行います。私たちのプロセスは、より多くの時間を適応させることができ、音響と同様に、映像の表現の自由のために創造的に道を見つけることができます。

各スタッフが最大限にクリエイティビティを発揮する上で、各部門が常につながっていることは欠かせなかった。

シェーファー氏:ガブリエルはチリのスタジオで仕事をしていたので、Resolveのコラボレーション機能を使用して、ルックのテストと作成を行いました。次にBlackmagic Cloudを使用して、Caffeine Postのスタッフがメモや変更事項などを確認して、共同でグレーディングを進めました。また、DaVinciのリモートグレーディングとBlackmagic Cloudを使用したハイブリッドの手法を用いることもありました。これには非常に助けられました。ガブリエルと私が先のシーンで作業する間、私たちがすでに調整したシーンのカラー調整をカラリストたちが行うことができました。

同氏によると、しっかりとしたコミュニケーションと、ポストプロダクションのパイプラインを一致させることが重要だという。

シェーファー氏:Blackmagic Cloudによって、映画のメディアの作業フォルダを確立し、それを異なるスタジオロケーションにあるサーバーにミラーリングすることができます。ピクチャーロック、VFXバージョニング、字幕、クレジット、差し替えショットなど、映画が進むにつれて、メディアとアグリゲーションの状態を維持できるため、チームは問題なく再リンクして作業を継続できます。

Blackmagic Design導入事例:映画「Rotting in the Sun」の場合