ソニーは、4K対応の旋回型カメラ「SRG-A40」と「SRG-A12」の2機種を2023年6月15日に発売する。価格はオープンで、市場想定価格は以下の通り。

  • PTZオートフレーミングカメラ SRG-A40:税込464,000円前後
  • PTZオートフレーミングカメラ SRG-A12:税込391,000円前後

両機は、リモートコントロールによるパン・チルト・ズームのカメラワークが可能なことに加え、新たに「PTZオートフレーミング機能」を本体内に搭載。これにより、カメラを操作するオペレーターが不在であったり、カメラ操作に慣れていないオペレーターでも、カメラ自体が被写体を捉え続けながら自然な構図で映像を撮影できる。

また、テレコンバートモードに対応し、「SRG-A40」は80倍、「SRG-A12」は24倍まで対応(フルHD撮影時のみ)。これにより、広いホールや講義室でも、全体の俯瞰映像から被写体のクローズアップまで1台で撮影することができる。

AIを活用したPTZオートフレーミング機能

本体に内蔵されたPTZオートフレーミング機能により、被写体(人物)の動きに合わせてカメラが自動で追尾するだけでなく、自然な画角を自動で調整し撮影を行うことができるという。軽いお辞儀などの微細な動きでも、自然なカメラワークを実現する。

さらに、被写体のクローズアップや上半身、全身の3つのアングルから画角を選択したうえで、構図を微調整することも可能。自動起動設定をオンにすることで、カメラの電源を入れると同時にPTZオートフレーミングを自動的に開始することができる。

また、骨格検出、頭部位置検出、特徴マッチングなど複数の認識技術を組み合わせることで、マスクをしている被写体の追尾をはじめ、精度の高い自動追尾を実現する。タリーランプの点灯によって、被写体はPTZオートフレーミングが実行中であることを確認できる。

優れた画質性能

暗所でも高感度・低ノイズでの撮影が可能な4K対応裏面照射型CMOSイメージセンサー Exmor R(エクスモアアール) を搭載し、人物の表情や講義での板書文字などを4Kならではの高精細映像でとらえることができる。また、フルHD撮影時も、4Kからのオーバーサンプリングにより高品位な映像の撮影が可能だとしている。

SRG-A40は、超解像ズーム使用時に、フルHD解像度で40倍、4K解像度で30倍の高倍率ズームが可能で、ホールの後方からでも演者の表情をしっかりととらえることができる。

高い接続性と優れた設置性

3G-SDIおよびHDMI接続のほか、NDI|HXにも対応しており、スイッチャーやメディアサーバーなどネットワーク上のNDI対応機器と接続することができる。VISCA/VISCA over IP、CGIにも対応し、外部コマンドによるカメラのリモート制御も可能。さらに、PoE++(Power over Ethernet Plus Plus)規格対応のネットワーク機器に接続することで、LANケーブルでの給電にも対応する。

また、Virtual Webcam Driverのソフトウェアを介することで本機を最大5台まで同時にネットワーク接続し、リモート会議などにおいて、高品質な画質で配信することができる。

設置に関しても柔軟性が高く、ワイド端では水平画角約70°の広角撮影が可能なため、小会議室における卓上設置や天井設置など幅広い環境に対応する。小会議室から大講義室やホールまで、さまざまなシーンで自由度の高い設置ができるという。

そのほか、カメラの向きやズーム、フォーカスなどの情報を最大256個登録可能で、プリセットした情報の呼び出し時は、最大300°/秒(パン)、最大126°/秒(チルト)の速さで、カメラを向けたい場所に瞬時に照準を合わせることができる。