パナソニック コネクト株式会社は、現場の映像データの管理と活用を同一プラットフォーム上で実現するクラウドサービス「Cameleo(カメレオ)」を2023年3月29日から提供開始する。セキュリティカメラをはじめ多様なデバイスで記録された映像・画像データの蓄積・管理と、様々なアプリケーションとのAPI連携を可能にすることで、現場映像を活用した業務の効率化を実現するという。

近年、5Gの普及に伴い大容量のデータ通信が可能になることで、映像データの活用によるDXが加速している。例えばサプライチェーンや社会インフラなどの現場では、セキュリティカメラの監視・防犯目的での利用に加え、人やモノの動きの可視化・分析による提供サービスの高度化や業務効率化の需要が高まっていて、セキュリティカメラを使用したリモートモニタリング関連サービスの市場規模は、2019年の17億円から2030年には720億円(42.4倍)へと大幅な拡大が予測されている。

一方で、映像データの活用が進みづらい現場も数多く存在している。例えば日本全国に店舗や営業所を構える企業では、拠点ごとに異なるカメラを使いローカルでデータ管理を行っていることも多く、全拠点のデータを同一システム上で管理、活用をするためには多くの手間やコストが必要となる。また、河川や高速道路など監視対象が屋外かつ広範囲に点在する現場では、録画機器の設置が難しくデータの蓄積や活用が困難だという。

このような現場でも映像データを手軽に活用できるサービスとして「カメラデータプラットフォーム」を開発し、映像データを活用したソリューションを開発する企業に向けて、一部の機能を試せるβ版を2022年11月より提供していた。今回、すべての機能を利用できる正式版としてのリリースとなる。

「Cameleo」概要

Cameleoは、カメラ映像の活用による業務の効率化を実現するためのB2B向けクラウドサービス。PCやスマートフォンから操作が可能なポータル画面や、大規模拠点の運用にも柔軟に対応できるユーザーや登録機器の階層管理機能など、ユーザーに寄り添った様々な便利機能を標準搭載する。

加えて、幅広い画質への対応や豊富なAPI群を提供することで、画像解析やアプリケーション開発等の多様なニーズに対応するとしている。また、用途に合わせて選択できるプランを用意し、コストの最適化にも貢献するという。

1. ポータル画面と様々な便利機能

ポータル画面では、人や物の侵入時など、事前にカメラに設定された様々なセンサーイベント発生時の映像を再生・ダウンロードすることができる。また、API連携によりユーザーが任意にイベントを設定することも可能。イベント検索機能により膨大なデータの中から見たい映像を探し出す手間も削減する。

操作画面イメージ

また、ユーザーや登録機器の多階層管理機能により、多くのユーザーや登録機器を取り扱う現場でも適切なグルーピングによる効率的な管理が可能になるとしている。権限設定も簡単に変更できるため、管理者の変更やカメラの新設時の設定変更作業の負荷を低減する。

PTZカメラの遠隔操作も可能

2. 画像解析を高度化させるフルHD対応

静止画、動画共に、VGA(640×480)からフルHD(1920×1080)まで幅広い解像度に対応。高精細なデータが使えることで、より高度な画像解析が可能になる。

3. 40種類超の豊富なAPI群

様々なAPIの提供により、映像・画像データおよびポータルの機能を外部システムから利用することが可能。柔軟なアプリケーション開発やシステム連携が可能になるほか、開発コスト・時間の削減につながる。

4. ニーズに合わせて選べる4つの提供プラン

用途と活用するデータに合わせて計4通りの組み合わせから選べる。

用途に合わせて選択

  • ベーシック
    手軽にカメラデータの活用に取り組みたいお客様向けに、クラウドカメラ機能とモニタリングアプリを標準機能として提供
  • プロ
    自社でのアプリケーション開発や既存システムと連携させたいユーザー向けに、「ベーシック」の機能に加え、外部連携用APIを提供

活用するデータに合わせて選択

  • スナップショット
    静止画の録画、再生、ダウンロード機能を提供
  • ムービー
    動画の録画、再生、ダウンロード機能を提供