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Blackmagic Designによると、中国映画「Dream Forest(英題)」が、Blackmagic URSA Mini Pro 4.6K G2、Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K、Blackmagic URSA Mini 4.6Kデジタルフィルムカメラで撮影され、編集、グレーディング、VFX、オーディオポストプロダクション・ソフトウェアであるDaVinci Resolve StudioおよびDaVinci Resolve Mini Panelを使ってカラーグレーディングされたという。

ファン・チャオ氏が監督、ニウ・ベン、ドゥ・ユェン、シークー、マー・スーらが出演する「Dream Forest」は、自閉症の子供とその家族が、社会の様々な人々の助けを借りながら、夢を追い求める姿を描いている。同作は2023年4月1日より、中国全土で公開予定。

「Dream Forest」の撮影監督であるアン・チュンチォン氏は、全編の撮影にBlackmagic Designカメラを使用した。メインカメラとして2台のBlackmagic URSA Mini Pro 4.6K G2を使用。さらに小型のカメラで特殊なアングルから撮影するために、Blackmagic Pocket Cinema Camera 4Kをスライダーや車にマウントしてBカメラとして使用した。また、移動ショット用にBlackmagic URSA Mini 4.6Kをステディカムシステムにマウントして使用した。アン氏は次のようにコメントしている。

アン氏:「Dream Forest」の多くの部分は、感情的に暗く憂鬱な雰囲気なので、2016年のアカデミー賞ノミネート作品、「キャロル」のように、画面にフィルムグレインを散らすことでこれを表現しようと思いました。「キャロル」では、16mmフィルムの独特なグレインや質感を活かして繊細な感情が表現されています。つまり、このフィルムルックをシミュレートできるカメラが必要でした。

私は2016年からBlackmagic URSA Mini 4.6Kを使用しているので、このカメラの画質と特徴は知り尽くしています。Blackmagic URSA Mini Pro 4.6K G2は、フィルムルックと15ストップのダイナミックレンジをオリジナルモデルから踏襲しているだけでなく、高フレームレート収録や内蔵NDフィルターなどの新機能も搭載しているので、今回の作品に対応できると確信していました。

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アン氏は、Blackmagic URSA Mini Pro 4.6K G2、Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K、Blackmagic URSA Mini 4.6Kにビンテージのレンズを取り付けていくつかのテスト映像を撮影した。監督がこれらの映像に満足であったので、これらのカメラを使用することを決定した。

アン氏によると、Blackmagic URSA Mini Pro 4.6K G2のいくつかの機能により、撮影の効率が良くなったという。

アン氏:モニタリング出力にLUTを適用できるのは素晴らしいですね。DaVinci Resolve Studioで異なる雰囲気用の6つのLUTを作成し、色を統一できるよう各Blackmagic Designカメラにロードしました。これにより、監督が、フッテージが意図通りであるかを確認できたので、撮影のプロセスが楽になりましたね。

これらのLUTを使用したことで、カラリストは、私たちが望んでいるルックを直感的に理解することができ、さらにカラーグレーディングの開始点とすることができました。

また、Blackmagic URSA Mini Pro 4.6K G2の内蔵NDフィルターも撮影時に非常に役立ったという。

アン氏:撮影は夏に行われました。焼けるような太陽の下で野外のシーンを撮影した時でも、カメラ本体に付いている物理的なボタンを押して、NDフィルターを使用することで、簡単に露出を下げることができました。NDフィルターを選択するホイールの位置と形は非常にユーザーフレンドリーなので、カメラマンは指先で感覚を覚えてすばやくカメラを操作できます。

ハイライトのディテールをより多く残す必要がある場合は、ISO2000に設定し、さらにNDフィルターを使用して露出を下げます。これにより、撮影効率が大幅にアップしました。

また、露出を正確にコントロールできるBlackmagic Designカメラのフォルスカラー機能も役立った。Blackmagic URSA Mini Pro 4.6K G2に付いている2つの機能ボタンは、デフォルトでフォルスカラーとLUTのショートカットになっており、メニューをナビゲートしなくても、露出のチェックや、LUTを適用したモニタリング出力の確認を効率よく実行できる。

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アン氏によると、Blackmagic Designカメラのメニュー設計もカメラマンたちから好評だったという。

アン氏:これらのメニューは明確で分かりやすいですね。スマートフォンを操作するようにページをスワイプできるので、目的の設定をすぐに見つけられます。

また、Bカメラとして使用したBlackmagic Pocket Cinema Camera 4Kは、可搬性に優れ、シネマライクなイメージが得られるので、カメラマンたちにフル活用されたとアン氏は述べている。

監督が街の短いシーンをいくつか希望していたので、Blackmagic Pocket Cinema Camera 4Kを使って1日半かけてエスタブリッシング・ショットを撮影した。コンパクトサイズなので、特殊なアングルでもすばやく簡単にセットアップでき、さらにMFTマウントなのでレンズの交換も容易であった。同日の夜にDITルームに戻り、LUTを適用して直ぐにキーショットを確認したが、カメラマンたちは、これほど小型のカメラで高品質の収録ができることに驚き、その後は、より自信を持ってBlackmagic Pocket Cinema Camera 4Kを使用するようになったという。

撮影は真夏に26日間に渡って行われ、厳しい撮影も多く含まれていたが、4台のカメラはすべて高温・高負荷の使用に耐え、機材に問題が生じることはなかった。

アン氏:屋内のシーンの多くは、スモークや環境音を残すために窓や扉を閉めて撮影したので、気温が非常に高くなりました。さらに30時間以上続いた撮影もありました。

同作の最終的なカラーグレーディングは、リュ・ホンタオ氏がDaVinci Resolve StudioおよびDaVinci Resolve Mini Panelを使用して行った。

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