disguiseは、マーカーレス・モーション・キャプチャー技術を提供するMove.aiと「バーチャルプロダクションやメタバース体験を民主化する」というビジョンのパートナーシップで提携した。
リアルタイム・マーカーレス・モーション・キャプチャ・ソフトウェア「Invisible」(インビジブル)をベースとしたカスタムソリューションを開発。世界中の映画やエピソードTV、放送、拡張現実スタジオ向けに、高度なマーカーレス・モーション・キャプチャーと優れたグラフィックス処理を融合し、提供するとしている。
リアルタイム・マーカーレス・モーション・キャプチャ・ソフトウェア「Invisible」と disguiseプラットフォームの統合により、制限が多くコストのかかるモーション・キャプチャ・スーツやマーカーが不要になった。高度なAI、コンピュータビジョン、バイオメカニクス、物理学を用いてビデオカメラの映像から人間の自然な動きを抽出する技術によって、人間の動きをバーチャル・キャラクターやグラフィックスによるエフェクトにリアルタイムで反映できるという。
disguise最高製品・技術責任者のRaed Al Tikriti氏は次のようにコメントしている。
Tikriti氏:バーチャル・キャラクターやリアルタイム・エフェクトを動かすには、人の動きをデータに変換する必要があります。モーション・キャプチャーとグラフィックス生成は、そのパズルの重要なピースです。私たちは、これらの技術を可能な限りアクセスしやすく、スケーラブルにすることで、共有体験、エンターテインメント、ストーリーテリングのクリエイティブに寄与したいと考えています。
Invisible は、disguiseの拡張可能な処理能力を持つハードウェアと融合し、モーション・キャプチャーのデータがdisguise Designerソフトウェアのクリエイティブ・ワークフローに直接統合される。一方、disguiseの通信プロトコル「RenderStream」は、Unreal Engineレンダリング・クラスターとのスケルトンデータ転送を保証。コンテンツとトラッキングデータを高い精度で同期し、物理世界と仮想世界のシームレスな融合を可能にするという。
この提携により、より多くのクリエイティブチームやテクニカルチームが、レイテンシー、センサードリフト、干渉、大規模なデータのクリーンアップといったモーション・キャプチャやグラフィック・レンダリングの一般的な課題を経験することなく、高忠実度のリアルタイム・モーション・キャプチャ技術の恩恵を受けられるようになるとしている。
同ソリューションは、主な用途は以下の通り。
- バーチャルステージ上の出演者にリアルタイムで影など「存在感」を加える
- ジェスチャーをトリガーとした3Dグラフィックスやシーンチェンジ
- 煙や炎など、動きをトリガーにしたパーティクル・エフェクト
- バーチャル作品でのデジタルキャラクターや放送でのARプレイヤーなど
- メタバース体験におけるアバター
disguise CEOのFernando Kufer氏は次のようにコメントしている。
Kufer氏:この1年間、この分野で大きな話題となった Move.ai とのコラボレーションは本当にエキサイティングです。彼らの製品のように革新的でありながらフレンドリーなMove.ai チームとのパートナーシップに障壁はありません。エンターテインメントの未来の地平線が見えてきています。私たちは一緒に、その実現に大きな役割を果たすことができるでしょう。
また、Move.ai パートナーシップ&デリバリー責任者のNiall Hendry氏は、次のようにコメントしている。
Hendry氏:クリエイティブのチームは、disguise の技術によって、壮大なバーチャル空間を活用したコンテンツを生み出しています。この戦略的なコラボレーションにより、Invisibleのノイズレス、リアルタイム、マーカーレスのモーション・キャプチャー技術がdisguiseの強力なツールとして加わることになります。私たちは、ユーザーがこれらのツールを使ってどのような作品を創るのか、待ちきれない思いです。
disguiseが提供する拡張現実ステージの世界的ネットワークと、disguiseの24時間体制のグローバルサポートおよび高度なトレーニングサービスは、2023年5月に一般公開される予定の「Invisible ソリューション」においても利用できる。
disguiseは、2023年4月16日~19日にラスベガスで開催されるNABショーに出展する(ブース:C6118)。新しいInvisibleソリューションを展示。デモセッションは毎日複数回開催し、動作を実際に体験し、両チームのエキスパートとコミュニケーションできるという。