Blackmagic Design導入事例:キャンペーンCM「Country Is Calling」の場合

Blackmagic Designによると、シドニーの制作会社であるStudio Gooseが、オーストラリアのノーザンテリトリー政府観光局のキャンペーンCM「Country Is Calling」のグレーディング、編集、VFX、オーディオポストプロダクションに、DaVinci Resolve StudioとBlackmagic Cloudを使用したという。制作およびポストプロダクションのスタッフがオーストラリア中の様々な場所から参加していたため、同社はBlackmagic CloudとDaVinciプロキシワークフローを用いて共同作業を行った。

Studio Gooseは、ニューサウスウェールズ州ブルー・マウンテンズにある制作会社で、CEOのキートン・スチュアート氏により2005年に立ち上げられた。これまで、多数のプロダクションにおいて創造面と技術面の両方で斬新な手法を用いた制作を行ってきた。

2022年、同社はノーザンテリトリーの制作会社であるGlobal Headquartersと脚本家/監督であるジャスティン・シュナイダー氏と共に、ノーザンテリトリーの有名な美しい自然、太古からのアボリジニー文化、圧巻されるような野生動物たちの姿にハイライトを当てた10本のデジタルパッケージを作成した。「Country Is Calling」は、制作・放送をNITVが手がけた画期的な子供番組「Barrumbi Kids」と共に行われたキャンペーンで、同番組の主人公であるトマイアスとダリアを中心にノーザンテリトリーの美しい自然を紹介するものだ。

同CMが撮影されたノーザンテリトリーの町キャサリンと、小さなコミュニティであるベズウィックおよびバランガは都市から遠く離れた場所にあり、目を見張るような景色に満ちている。同CMの制作およびポストプロダクションのスタッフがオーストラリア中の様々な場所から参加していたため、同社はあらゆる場所からすぐに使用できるリモートワークフローが必要だった。ポストプロダクションのためにDaVinci Resolve Studioを使用することで、データ管理者、アシスタントエディター、エディター、カラリスト、サウンドデザイナー、ミキシング担当者、オンラインエディターがBlackmagic CloudとDaVinciプロキシワークフローを用いて、共同で作業を行うことができた。

Blackmagic Design導入事例:キャンペーンCM「Country Is Calling」の場合

DaVinciプロキシワークフローにより、ラッシュのインジェスト後、数分で各担当者はデータにアクセスすることができた。この統合されたプロキシワークフローなくしては、ラッシュを郵便で送ったり、都市から遠く離れたノーザンテリトリーの町ではインターネットが遅いので大容量のファイルをアップロードするのに時間がかかるなど、作業に何日も掛かっていたことが予想される。

スチュアート氏は、次のようにコメントしている。

スチュアート氏:Blackmagic Cloudを使用する最大の利点は、クリエイティビティにおける共同作業の枠が広がることです。誰もが異なる場所から作業を行いました。データ管理はノーザンテリトリーからGlobal Headquartersが担当し、アシスタントエディティングはニューサウスウェールズ州ブルー・マウンテンズで、編集はシドニーのダニエル・オーツ、グレーディングはシドニーのシェイン・ダン、サウンドデザインとミキシングはクイーンズランド州のWalmsley Audioが行い、最終的なオンライン用の書き出しおよびマスタリングはシドニーのStudio Gooseで行われました。Blackmagic Cloudを使用することで、異なる部門が作業を行う必要があるプロジェクトを短納期で高品質に仕上げることができます。

同キャンペーンのクリエイター兼プロデューサーのモニカ・オブライエン氏は、次のようにコメントしている。

モニカ氏:キートンも私も常に直感的なシステムに関する情報を集め、いち早く取り入れるタイプです。Resolveのワークフローは非常に円滑ですね。他のプラットフォームを使用して番組を制作することはないでしょう。

2つのコンテンツパッケージは、ダーウィン国際映画祭での上映に間に合わせるために数日で完成させる必要があった。DaVinci Resolve StudioとBlackmagic Cloudを使用することで、プロキシを作成し、Dropboxで各担当者に必要なファイルを送った。これにより、ダウンロードしなければならないデータ量を抑え、作業を簡単に始めることができた。

スチュアート氏:Resolve内でインジェスト、編集、グレーディング、サウンドデザイン、ミキシング、フィニッシングを行いました。

本当に傑出している点は、編集、音響、VFX、合成、グレーディングを含むポストプロダクションにおける創造面の重要な要素が単一のプログラムに搭載されており、リアルタイムで同じ一つのプロジェクトでスムーズに共同作業ができることです。あらゆる人にこれは知ってもらいたいですね。これが標準的な作業方法になるべきです。

Blackmagic Design導入事例:キャンペーンCM「Country Is Calling」の場合

DaVinci Resolve StudioのFairlightページで作業でき、Blackmagic Cloudを介して、ビデオ担当者とオーディオ担当者が連絡しながら作業ができたことは非常に大きな利点であったという。

スチュアート氏:ピクチャーロックを待つのに比べ、サウンドデザイナーがラフカットで作業を開始できるのはとても助かります。どのような作品でも音響は最終的な感情面において不可欠な要素だからです。どのフレームが動いたかを確認したり、同期やエフェクトとフッテージのズレを修正するために時間を費やす必要なく、エディターとサウンドデザイナーが作業を交互に行えるのは素晴らしいですね。

Studio Gooseは、このワークフローをジョン・アンウィン氏が編集を手がけた「I Am Me」、ジョン・アンウィン氏、ダニエル・オーツ氏、ブレンダン・ケイン氏が編集した「For Real」、キートン・スチュアート氏、ダニエル・オーツ氏、ブレンダン・ケイン氏による編集の「The Gamers 2037」、ダニエル・オーツ氏、ジョン・アンウィン氏、ピップ・ハート氏が編集を行った「Barrumbi Kids」、オーストラリア映画編集者協会(ASE)およびオーストラリア映画テレビ芸術アカデミー賞の編集部門にノミネートされたジョン・アンウィン氏、ACSのフィオナ・ストレイン氏、ACSのオーリー・ダノン氏、ブレンダン・ケイン氏が編集を手がけた「Muster Dogs」にも使用した。

「The Gamers 2037」は、9Go!で放映されたVFXを多用したハイ・コンセプトのトゥイーン・ドラマシリーズで、その制作にはBlackmagic Pocket Cinema Camera 6KデジタルフィルムカメラとDaVinci Resolve Studioが使用された。

スチュアート氏は、同番組の制作においてBlackmagic Designのワークフローが役に立った理由について、次のようにコメントしている。

スチュアート氏:「The Gamers 2037」やVFXを多用した番組の制作では、タイムラインから個別のクリップを書き出せるResolveの機能に大いに助けられています。これにより、VFXの作業用にクリップを準備する時間を大きく節約できます。「The Gamers 2037」はリフレーミングを意図して撮影されたショットも多いので、Resolveのツールを使って簡単に作業でき、編集の流れを止めることなく臨機応変に対応できます。

Blackmagicのカメラは使いやすく、Resolveと簡単に接続できるので非常に助けられました。クロマキーを使用したシーンの撮影では、Pocket Cinema Camera 6Kの解像度も重要でした。Pocket Cinema Camera 6Kでクロマキーを使用して、VFX用のショットをすべて撮影したので、クリーンなキーが得られ、リフレームに必要な解像度が得られました。

Blackmagic Design導入事例:キャンペーンCM「Country Is Calling」の場合