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ソニーマーケティング株式会社は、朝日放送テレビ株式会社からIP回線システムを受注したと発表した。段階的にIP化更新を実施されている中で、大規模基幹システムである回線システムの「SMPTE ST 2110」によるIP化は、国内初だという。同システムは2025年1月から稼働の予定。

今回受注した回線システムは、「SMPTE ST 2110」を採用。朝日放送テレビでは、既にBスタジオサブおよびNスタジオサブにてNetworked Live(ネットワークド ライブ)によるIPシステムを採用しており、今回受注したシステムは上記サブを含めた局内設備間を接続する回線システムだ。

ソニーマーケティングは、今回の採用においては、IPシステムの拡張性とシステムの全体最適化を評価されたという。朝日放送テレビでは、2020年に制作サブ(Bサブ)を、2023年にニュースサブ(Nサブ)をIP化し、今回、回線システムをIP化する。IPシステムの大きなメリットである「拡張性」により、段階を追ってより柔軟に、将来の設備投資計画や運用計画に沿ったシステム更新・追加が可能となった。

また、回線システムをIP化することによりリソースシェアの実現に向けての取り組みが予定されている。Bサブ・Nサブに加え、今後、他サブやマスターなどの設備をIP化した際にも、局内全体でリソースを有効活用することによって、システムの全体最適化を目指している。

なお、今回のシステム設計においては、従来の回線システムのオペレーションを踏襲した上でIP化を推進している点も、採用において評価されたポイントだという。

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朝日放送テレビ株式会社 技術局制作技術部の寺田果生氏は、次のようにコメントしている。

寺田氏:IPシステム同士を接続する回線システムの更新は、実例が無く多くの課題があります。ソニーには先駆者としてIP化を推進されてきた知見をもとに、弊社特有の悩みにも真摯に向き合って頂いております。IP化はあくまで目的ではなく手段であり、局全体のシステムの在り方を共に模索していけるパートナーだと感じています。

ソニーマーケティングでは、放送・映像制作業界におけるより効率的なライブプロダクションを実現する取り組みとして、クラウドとオンプレミス環境をハイブリッドに活用する「Networked Live」を推進している。

放送・映像制作業界におけるIP・クラウド化が加速する中、回線システムのIP化は、IPやクラウドの持つ「拡張性」や「柔軟性」を活用し、「Networked Live」を実現するための重要な取り組みのひとつと考えているという。ソニーマーケティングでは今後も、長年業界で培った知見を生かしたシステム提案を通じて、放送・映像制作業界におけるデジタルトランスフォーメーション化(DX)をサポートしていく方針。