ZEISSは、カメラトラッキングシステムのNcam Technologiesを買収した。
カメラトラッキングシステムによって得られたデータは、バーチャルプロダクションやライブコンポジットに必要不可欠であり、ポストプロダクションにおいてもデータの有無は作業工程に大いに影響を及ぼすものと言える。Ncamのトラッキングシステムは屋内、屋外を問わず、撮影環境に応じた最適なトラッキング方法でデータの取得を可能としている。
Supreme Prime、Cinema ZoomをはじめとするZEISSのシネレンズシリーズ、そして2022年にデータ提供を開始したCinCraftにNcamシステムが加わることで、ZEISSシネレンズ製品は今後さらに需要の拡大が予測されるカメラトラッキングやVFX技術の精度の向上を図り、ワークフローの効率化に貢献するという。
今回の発表に際し、ZEISSシネレンズ部門責任者であるクリストフ・カセナベ氏は次のようにコメントしている。
映像制作業界で長年の経験を持つZEISSのシネレンズ、レンズデータ技術に加えて、他に比類のないNcamのカメラトラッキングシステムをお客様に提供できることとなり、大変喜ばしく思います。ZEISSとNcamの技術の融合により、VFXやバーチャルプロダクションに、次世代のカメラトラッキングシステムの構築が可能となります。
同様に、Ncam社研究開発部門責任者、ブライス・ミチョウド氏は次のようにコメントしている。
我々はZEISSの社員と次世代のカメラトラッキングシステムを構築し、より多くのユーザーにお使いいただけるようになることに、大いに期待しています。
Ncam Technologies社は2012に創業し、現在はロンドンとロサンゼルスに拠点を持つ。今後はNcamとZEISSのリソースを活用し、映画、放送業界により一層革新的な製品とカスタマーサービスを提供していくという。
買収後の新製品は今夏発表予定。既存のNcam製品を使用しているユーザーにも、適宜新機能やアップグレードプログラムが使えるように対応するという。