Blackmagic Design導入事例:ドキュメンタリー作品「The Engine Inside」の場合

Blackmagic Designによると、カナダの制作会社であるAnthill Filmsが、ドキュメンタリー作品「The Engine Inside」の編集およびグレーディングにDaVinci Resolve Studioを使用したことで、ポストプロダクションの時間を半分に削減することに成功したという。

同社は、ブリティッシュコロンビアに拠点を置き、包括的なポストプロダクション・サービスを提供している。アクティブなアウトドア志向のライフスタイルを扱った映画、テレビ、ウェブ、CMの制作を専門とし、これまでにルルレモン、Clif Bar、PeopleForBikesなどの作品を制作している。同社が手掛けた最新作「The Engine Inside」は、ガーナ、カナダ、カイロなど世界各地の6人の物語を取り上げ、自転車に乗るというシンプルな行為が、人々にとってより良い世界をいかに生み出すことになるかを描いている。気候変動、社会正義、心身の健康、男女平等など様々なトピックを扱った同作は、見過ごしがちな自転車の潜在能力とパワーに焦点を当てている。

Blackmagic Design導入事例:ドキュメンタリー作品「The Engine Inside」の場合

同社は、DaVinci Resolve Studioではフッテージのプリコンフォームおよび再接続を行う際に編集時間を短くできると気づいたことを機に、編集とカラーグレーディングでの作業を同ソフトウェアに完全に移行した。

同社の共同パートナー兼ポストプロダクション部門長のダレン・マッカラ氏は、次のようにコメントしている。

マッカラ氏:DaVinci Resolve Studioに移行したことで、編集時間が数日から数時間に減ったため、コストが削減できることに即座に気づきました。また、Resolveについて学ぶにつれ、新たな利点を次々と発見し、当社の誰もがResolveをさらに気に入ることになりました。例えば、エディットページとカラーページのレイアウトが優れていることに加え、ページを簡単に切り替えられるので、異なるプログラムを行き来する必要がなくなったため、作業がスピードアップしました。

Blackmagic Design導入事例:ドキュメンタリー作品「The Engine Inside」の場合

サウンドスーパーバイザーのジョー・オズボーン氏は、同ソフトウェアのFairlightツールがオーディオとフッテージの同期に重要な役割を果たしているとコメントしている。同氏によると、マッカラ氏の編集を簡単に開き、その中でオーディオのポストプロダクションを準備できることが特に役立っているという。

オズボーン氏:音響の面において、これは大きな意味を持つことです。すべてのオーディオを映像に問題なくリンクできるため、出演者、環境音、サウンドエフェクトを映像に再同期できます。

このようなオーディオは、編集タイムラインを非常に複雑にしがちです。Resolveでは、単一のトラックの一つのオーディオ領域に複数のオーディオソースを隠すことができます。また、オーディオは映像のクリップにリンクされています。つまり、エディットページで映像クリップが移動すると、エディターにとっては一つのモノトラックに見える複数のオーディオクリップが、映像クリップと共に自動的に移動します。

また、DaVinci Resolve Studioでは編集プロセスに入る前に、クリップを簡単に整理できるという。これは、長編ドキュメンタリーに必要な膨大な量のフッテージを扱う上で非常に重要な作業だという。メディアページに全フッテージを取り込んだ後、編集作業を始める前にマッカラ氏らは、フッテージの準備、クリップの同期、メディアのビンへの振り分け、メタデータの追加を実行できた。

Blackmagic Design導入事例:ドキュメンタリー作品「The Engine Inside」の場合

マッカラ氏:大量のフッテージを扱っているので、キーワードでクリップをタグ付けし、分類できることには非常に助けられました。

DaVinci Resolve Studioでキーワードを検索して、これまでに使用していないクリップを見つけるという作業を何度も行いました。これにより、最高のフッテージを常に使用することができました。

DaVinci Resolve Studioでは、作業全体が円滑かつ簡素に行えるので、ワークフローが効率化し、作業時間が減りました。DaVinci Resolveのカラーマネージメントにより、グレーディングの過程を少なくても2倍に加速できました。また、作業の開始点として優れたベースが得られました。これからも当社のプロジェクトにおけるポストプロダクションで重要な存在であり続けるでしょう。

「The Engine Inside」は2023年7月に世界初公開され、今後各地で上映予定。詳細はこちらのWebサイトにて。

Blackmagic Design導入事例:ドキュメンタリー作品「The Engine Inside」の場合