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EIZO株式会社は、カラーマネージメント液晶モニターColorEdge専用のカラーマネージメントソフトウェア「ColorNavigator 7」の最新バージョン(バージョン7.1.12)を公開し、APIをソフトウェア開発者やシステム管理者向けに提供する。

同社はColorEdgeと、ColorEdgeの色表示調整や管理が行えるソフトウェアColorNavigator 7を提供することで、写真や印刷、映像制作などのクリエイティブワーク市場に求められる厳密なカラーマネージメントのニーズに応えてきた。

クリエイターが制作物に応じた正しい色基準で制作を進めるためには、ColorNavigator 7を正しく操作してColorEdgeを設定するだけではなく、制作ソフトウェアのカラー設定も行う必要がある。そのため、設定に手間取ることや、設定ミスにより本来意図しない色表示のまま制作を進行する恐れがあったという。

今回提供を開始する「ColorNavigator API」を活用することで、ユーザーは、外部ソフトウェアやシステムからColorNavigator 7の各種機能と連携し、ColorEdgeを制御するプログラムを開発できる。これにより、クリエイターは、手間なく正しい設定で制作を進めることができ、さらに効率のよいカラーマネージメント環境の構築を実現できるとしている。

ColorNavigator APIの活用例

例1:制作ソフトウェアからColorEdgeのカラーモードを制御

制作物の色を正確に表示するためには、制作ソフトウェアとColorEdgeのカラーモードを一致させる必要がある。例えばFoundry社の映像制作ソフトウェア「Nuke」を使用している場合、制作物に合わせてカラーモードを切り替える際に、NukeとColorEdge双方のカラーモードを手動で変更する。

正しいカラーモードを設定するためには、毎回複数の手順を踏む必要があり、設定を誤ると、制作物の正確な色確認ができない。

ColorNavigator APIを活用することで、Nukeを通じてColorEdgeのカラーモードを自動で変更可能だ。作業画面から離れることなく、Nukeのカラーモード変更に連動してモニターのカラーモードも正確に変更できるため、カラーモードを切り替える手間を削減し、設定ミスを防止できる。

Nukeを開発、販売するFoundry社のプロダクトマネージャーNigel Hadley氏は、次のようにコメントしている。

Hadley氏:HDRでの映像モニタリングの普及が進む中、革新的なColorNavigator APIの登場は、喜ばしいことです。ColorNavigator APIはLinux、Windows、macOSなど異なるプラットフォーム上でも同じ仕様で活用することができるので、NukeとEIZO製品を使う、世界各国にいる私たちのお客様にとって理想的な存在です。

ColorNavigator APIとの連携を通し、NukeでのHDRコンテンツ制作がお客様にとってより身近なものになるよう、私たちも努めていきます。

例2:外部システムからColorEdgeのキャリブレーションを実行、調整結果を取得

ColorEdgeのキャリブレーションの実行と調整結果を取得するためには、ColorNavigator 7を操作する必要がある。例えば新聞社が紙面印刷する際の色調整業務にプルーフシステムを使用している場合、作業画面をプルーフシステムからColorNavigator 7に切り替え、操作する。

ColorNavigator APIを活用することで、プルーフシステムから直接キャリブレーションの実行や調整結果の情報を取得したり、管理したりできる。ColorNavigator 7を操作する必要がないため、ソフトウェアを切り替える手間を削減し、モニター管理だけではなくシステム全体での管理効率化に貢献するという。

主な特長

HTTP通信が可能なあらゆるプログラムから利用可能

広く一般的に用いられている通信方式であるHTTPプロトコルを活用しているため、HTTP通信が可能なあらゆるプログラムから利用でき、ソフトウェア開発者だけではなく、システムエンジニアやシステム管理者などさまざまなユーザーの利用を見込んでいるという。

現在ColorNavigator APIで利用できるColorNavigator 7の機能は、カラーモードの変更、キャリブレーション目標の新規作成、キャリブレーションの実行、調整結果の情報取得などの一部機能だが、今後更なる開発を進め、利用できる機能の拡張を予定している。

※キャリブレーションセンサー内蔵のColorEdge CGシリーズのみ

ColorNavigator API を利用可能なColorEdgeは、ColorEdge CG3146/CG3145/CG319X/CG2700X/CG2700S/CG279X(生産終了品を含む)。

ColorNavigator APIは同社が出展する、IBC 2023(2023年9月15日~18日、オランダ・アムステルダム)とInter BEE 2023(2023年11月15日~17日、幕張メッセ)で紹介される予定。