キヤノンは、エントリークラス向けのリモートカメラ「CR-N100」を2023年10月中旬に発売する。価格はオープン。市場実勢価格は税込21万7,800円前後。
これまでのキヤノンのリモートカメラは、業務用ビデオカメラと同等の高画質やSDI、HDMI搭載を特徴とする映像制作用向けのイメージが強かった。CR-N100は、一般企業、文教、塾や学校、小規模のセミナー、講義など映像コミュニケーションでの用途を対象としているもっともエントリークラス向けのモデルだという。
機能的には、CR-N300の機能をほぼ搭載。エントリー向けでありながらもリモートカメラに機能を拡張する「アドオンアプリケーションズシステム」対象で、自動追尾アプリケーションにも対応する。大きな違いとして、SDI端子やFreeDに未対応などとしている。
名称 | CR-N100 | CR-N300 |
センサー・レンズ | 1/2.3 CMOS 20x | |
映像出力I/F | HDMI、IP、USB | 3G、SDI、HDMI、IP、USB |
SDI | – | FHD 59.94p 4:2:2 10bit |
HDMI | 4K 29.97p(4:2:2 10bit) | |
IP | 4K 29.97p 4:2:0 8bit | |
AF | 外測センサーとのハイブリッドAF | |
映像伝送プロトコル(IP) | XCプロトコル/RTP(RTSP)/RTMP(S)/NDI|HX/SRT | |
制御I/F | IP/IRリモコン/RS-422 | IP/IRリモコン/WiFi/RS-422 |
制御プロトコル(IP/シリアル) | XCプロトコル/標準通信(シリアルIP)/NDI|HX | XCプロトコル/標準通信(シリアルIP)/NDI|HX/free d |
電源 | PoE+、DC24V | |
Pan動作範囲、動作速度 | +-170 ゚、0.2 ゚/s 〜100 ゚/s(プリセット時:~300 ゚/s) | |
Tilt動作範囲、動作速度 | -30 ゚~100 ゚、0.2 ゚/s〜100 ゚/s(プリセット時:~180 ゚/s) | |
自動追尾 | カメラ内 有償 Add Onアプリ | |
自動ループ | – |
1/2.3型4K CMOSセンサーや高度な映像処理を行うプラットフォーム「DIGIC DV 6」を搭載し、4K UHD30Pに対応。約29.3mm-601mm F1.8-2.8光学20倍ズームレンズを搭載(35mmフィルム換算時で4K UHDの場合)し、広角から超望遠まで幅広いシーンでの撮影が可能。広い会場でもプレゼンターの表情をしっかり映すことができるという。
横顔に近い状態でも、検出した顔を追尾してフォーカス調整する顔追尾機能を搭載。最大9人の顔検出に対応し、最適な明るさとピントで撮影可能としている。
同社リモートカメラ既存商品と同じく、雲台(お天気カメラ)やネットワークカメラで培った、高速から低速まで、多段階の速度変化が可能なPT駆動機構を搭載。一般的に難しいとされている斜め方向のカメラ動作でも思いのままに滑らかな操作を可能としている。同梱の赤外線リモコンで簡単操作を実現できるという。
天吊り用の金具も同梱されており、追加でアクセサリーを購入することなく、天吊りにも対応が可能。リモートカメラコントロールアプリの設置条件を変更するだけで映像を反転できる。白と黒の2種類のカラーをラインナップ。赤外線リモコンやWebブラウザで操作する無料のリモートカメラコントロールアプリ、リモートカメラ専用コントローラーの「RC-IP100」や今回同時に発表した「RC-IP1000」にも対応する。これらのコントローラーは、大規模な講義収録をするユーザーにお勧めとしている。
CR-N100は、CR-N700のような高性能、多機能なハイエンドモデル製品ではないが、光学20倍ズームレンズを搭載し、かつコストパフォーマンスの良さが特徴だ。初めてリモートカメラを選びたいという方に最適なエントリー向けPTZカメラの登場と言っていいだろう。