さくら映機株式会社は、11月15日~17日に幕張メッセで開催される「Inter BEE 2023」に出展する(ホール5、ブースNo.5206)。昨年のInter BEEで初公開したサーバ/クライアント方式のリモート編集システム「ALBA e Tramonto」に新しく追加開発された「汎用HDRモニタとノートPCによるミニマムコストでの4K60PHDR10bitリモート編集」を展示する。
また、ALBAサーバ/クライアントのコンポーネントを、一台のPCに集約したスタンドアローン編集機を初公開する。単独でも高性能な編集機でありながら、ネットワーク内の端末が連携することで、今まで不可能だった新しい映像編集のフローを確立するとしている。
スタンドアローン編集機「ALBA e Montaggio」
ALBA e Montaggioは、"次世代"に挑む新型ノンリニア編集機。
展示1:搭載される新編集ソフトウェアはAIを活用
- 高速かつ高精度のAI文字起こしによる瞬時のシーン選択、編集、テロップの生成
- 複数ソースモニタの起動&同時再生で、作業効率が向上
- マルチポイントエディットによる複数IN-OUTの同時指定など、新しい編集オペレーションを提案
展示2:ノンリニア編集機の課題を克服する「AutoNetworkRender(ANR)」テクノロジー
先進のネットワーク技術を取り入れた「ALBA e Montaggio」は、普段は編集機として単体で稼働しつつも、目的に応じて他の編集機と連携することで様々な機能を実現するという。PCの性能に依存する従来のノンリニア編集機の制約に挑むとしている。
クラスタリング再生:エフェクトなど高負荷なタイムラインや高解像度プロジェクト編集時に、ネットワーク内の他筐体の空きリソース(CPU/GPU)を活用することで編集機の性能を増強し、一時的にリアルタイム再生性能を向上させる。Inter BEEブースではネットワーク内の「ALBA e Montaggio」3台による、高負荷な4Kマルチトラック編集を実演する。
タスクアロケーション(作業割当):ネットワーク内の端末の状況を管理し、空き筐体やリソース(CPU/GPU)を活用。編集中のタイムラインの書き出し処理を他PCに割り当てたり、エフェクト等で高負荷になったタイムラインのレンダリングを事前に別のPCで済ませたりなど、編集作業の手を止めたくないエンドユーザーの期待に応える仕組み。Inter BEEブースでは、編集中における別リソース(PC)によるファイル書き出しを実演する。
展示3:緊迫する現場で活躍する共同編集「ライブコラボレーションエディット」
ネットワーク内のスタンドアローン編集機同士による共同編集を実現。ALBAの共同編集は、一つのプロジェクトを複数端末でオープンすることが可能で、他ユーザーによる編集操作を別端末でリアルタイムに確認できる。編集主担当者は、「シーケンス」「トラック」「クリップ」などタイムライン上の解放する場所を指定して共同編集パートナーを招待し、パートナーは権限が与えられた部分のみ編集による変更が可能となる。
Inter BEEブースでは、「ライブコラボレーションエディット」を利用した編集とテロップ入れの同時作業を紹介する。
映像制作システム「ALBA e Tramonto」
編集操作を行うクライアントソフトと、画像演算処理を実施するサーバに処理が分離された画期的なリモート映像制作システム。リモート編集でも4K60P/HDRプレビューを実現する。今年は従来の外部出力ユニットを経由したSDI映像プレビューに加え、HDMIによる汎用HDR対応モニタでのプレビューを可能とした。
これにより、低コストな4K60P/HDR編集環境を構築できるが、Inter BEEではこの構成の実機展示とともに、共同編集など「ALBA e Tramonto」のリモート編集の仕組みを紹介する。