Dear Realityは、人気のdearVR PROスペーシャライザーの後継版である「dearVR PRO 2」を発売した。
今回のアップグレードにより、同プラグインにステレオ幅制御などのステレオ入力が追加され、新しいイマーシブ対応Pro Toolsフォーマット(9.0.4、9.1.4、9.0.6)の利用が可能になる。
dearVR PRO 2にはアーリーリフレクションとレイトリバーブ用の新しいハイパスおよびローパスフィルターも搭載されており、リアルなサウンドで制作できる。さらに、新しいMk IIソフトウェアはサードパーティのOSCヘッドトラッカーにも対応。
エンジニアやミュージシャンが予算をかけずにきわめて効率的にイマーシブオーディオをテストできる、空間オーディオソフトウェアソリューションのニーズも高まっているという。
dearVR PRO 2はこのようなオーディオ革命の最前線にあり、空間的に豊かで感動的なサウンドスケープを制作するための、高性能で使いやすいツールセットを提供する。
Dear Realityの共同創業者であるクリスチャン・サンダー氏は次のようにコメントしている。
サンダー氏:空間オーディ制作における距離のシミュレーションは、リアルな3D空間の創造に欠かせない作業です。リスナーの周囲を球面状に一定の距離だけ取り囲むだけでは、十分な効果は得られません。
dearVR PRO 2の距離シミュレーションによって、マルチチャネルフォーマットのサウンドの奥行きをごく自然に知覚でき、たとえスピーカーの後ろであっても、サウンドをシームレスに配置することが可能です。
dearVR PRO 2は、リアルなアーリーリフレクションと、小型車から大きな教会まで46種類のバーチャルアコースティックプリセットを提供する。
プロフェッショナルな音楽制作やポストプロダクションに最適で、方向、距離、反射、残響を正確に認識することで、これらの制作を強化。新たに追加されたフィルターモジュールはそれぞれハイカットおよびローカットフィルターで構成されており、汎用性を高め、アーリーリフレクションやレイトリバーブのセクションにおける不要な雑音や耳障りな周波数を低減する効果があるという。
dearVR PRO 2の出力セクションには、35種類のマルチチャネルラウドスピーカーフォーマット(Pro Tools DAWソフトウェアの最新バージョンである9.0.4、9.1.4、9.0.6のフォーマットを含む)が搭載されている。
さらには、このオールインワンスペーシャライザーは最大3次までのAmbisonics(アンビソニックス)とバイノーラル出力に対応しており、dearVR PRO 2は高度なXR(クロスリアリティ)制作に最適なツールとなっているという。
dearVR PRO 2は、使いやすさを追求するDear Realityのアプローチを採用しており、不要なメニューやオーバーレイを減らすことで、ユーザーが最も重要なもの、つまりオーディオに集中できるようにするという。
また360°のグラフィカルXYZパッドを利用して、オーディオポジションに直接アクセスできる。かつてないほど簡単に、リスナーの前方か後方、上か下、右か左、近くか遠くにオーディオを配置することができる。
dearVR PRO 2の新しいステレオ入力機能は、この概念の適用範囲をステレオトラックにまで広げるものだ。これにより、ステレオ幅に直接アクセスすることが可能になり、dearVR PRO 2はステム制作に最適なスペーシャライザーとなるとしている。
Dear Realityのプロダクトオーナーであるフェリックス・ラウ氏は次のようにコメントしている。
ラウ氏:ステレオマイキング技術を利用してオーディオを録音することは、今でも一般的に行われる手法です。高度な3D体験を生み出す場合でも変わりはありません。dearVR PRO 2を使えば、エンジニアは楽器やアンビエンスのステレオ録音を空間音場に難なく配置できます。
従来のdearVR SPATIAL CONNECT VRコントローラーへの接続に加え、付属のSPATIAL CONNECT ADAPTERを使用して、サードパーティのOSCヘッドトラッカーにもdearVR PRO 2を接続できるようになった。
ヘッドトラッキング制御機能が拡張され、イマーシブサウンド制作においてより自然な形で判断を下せることで、ユーザーにメリットがもたされる。