Matterport、プロパティインテリジェンスを発表。新たなAI機能群でマーケティング、設計、建設、施設・設備管理ソリューションを強化

デジタルツイン内で方角を確認できる「コンパス」

Matterportは、プロパティインテリジェンスを発表した。Matterportのデジタルツインから生成された自動測定、レイアウト、編集、およびレポート機能を提供するAI機能群で、建物空間に関する情報とデータへ簡単にアクセスが可能になる。これはMatterportの自動化技術とAIの進化によって実現されたものとしている。

これらの新しい機能は、不動産の仲介・販売、建設プロジェクト、そして生産現場のオペレーションを含む主要な業務プロセスの自動化を実現。これにより、マーケティング、設計・建設、施設管理向けのソリューションが強化され、効率化が進むという。

Matterportの会長兼CEO、RJ Pittman氏は次のようにコメントしている。

Matterportは、2024年冬のリリースの一環として、ユーザーの空間ナビゲーションと不動産営業担当者との連絡をスムーズにする新しいショーケースプラグイン群を発表した。コンパスとミニマップのプラグインを通じて、訪問者は新しい視覚的手がかりを利用して広範囲の建物内を直感的に探索できるようになる。

さらに、名刺表示とクイックリンクのプラグインを使用することで、デジタルツイン内における重要な連絡先情報や追加の不動産情報へのアクセスが可能。これにより、不動産営業担当者はオンラインでの物件見学をブランディングでき、プロパティマネジャーや施設管理者は運用マニュアル、レストランはメニューや予約ページなど、バーチャル空間内の任意の位置に重要な情報をカード形式で挿入できる。

不動産営業担当者とマーケターがより良いサービスを提供できるよう、MatterportはRICS基準に準拠したフロアプランを充実させた。これには、色付きの平面図、ブランディングのカスタマイズ、多言語オプション、家具の追加や削除などの機能が含まれる。これらの改善されたフロアプランにより、営業担当者は現場訪問を減らして時間を節約し、同時に購入検討者に対する魅力的な提案を行うことができる。

Matterportは、2023年12月にベータ版として発表したCADファイルアドオンを正式にリリースした。このアドオンにより、Matterportのデジタルツインから得られる点群データをAutoCADや業界標準のDXF形式の2次元図面に変換することが可能になる。この機能は、デジタルツインデータを設計者が使用しやすい形式に変換し、建設および設計部門が現状を効率的に文書化し、手動トレースのような労働集約的な作業を減らすためのソリューションを提供する。CADファイルアドオンは、図面化プロセスの合理化を通じて、プロジェクトの期間短縮にも寄与する。

また、Matterportは機械学習とAIの豊富な経験を活用し、デジタルツイン内の空間を自動で再構想・再設計するための、新しい生成AIプロジェクト「Genesis」のプレビューを発表。このプロジェクトでは、ユーザーがまず建物内の家具や物品を除去し、散らかった空間を清掃することが可能。その後、AIが提案するインテリアデザインと家具を用いて、不動産を全面的に再想像できる。デジタルツインと建築の領域に革新をもたらすProject Genesisは、今年の後半に限定的なベータ版のリリースを予定している。