Blackmagic Designによると、数々の賞を受賞したドキュメンタリー「Bad Axe(原題)」の撮影に、Blackmagic Pocket Cinema Camera 4Kデジタルフィルムカメラが使用されたという。同カメラのポータブル設計と優れた画質により、デヴィッド・シーヴ監督は、コロナ禍で人種間の緊張が高まる中、アメリカの片田舎で暮らす仲睦まじい家族の親密な生活を撮影できた。

「Bad Axe」は、分断されたコミュニティからの反発、パンデミックによる経済的なストレス、世代間のトラウマなどに直面する中、ミシガン州の田舎でレストランを存続させ、アメリカン・ドリームを追い続けるシーヴ監督の家族を追っている。クリティクス・チョイス・アワードの作品賞、SXSWのドキュメンタリー長編部門の審査員大賞など、数々の映画祭で20以上の賞を受賞した同作は、最近Huluでプレミア配信された。

Blackmagic Design導入事例:ドキュメンタリー「Bad Axe」の場合

シーヴ監督は同作の撮影も手掛けたが、Pocket Cinema Camera 4Kのポータブル設計のおかげでフレキシブルな撮影が可能だったという。

シーヴ監督:「Bad Axe」はシネマベリテ・スタイルのドキュメンタリーなので、ラン&ガン撮影を行いました。被写体は私の家族で、コロナ禍の最中の撮影だったので、他の撮影スタッフはいませんでした。撮影日やスケジュールも特に決めず、機会がある時に撮影するという感じでしたね。

何か興味深いことが起きたらカメラを構えるという感じだったので、常に手の届くところにカメラをおいていつでも撮影できるようにしていました。

私の家族のアメリカン・ドリームのストーリーを共有したいとずっと考えていました。私の父はカンボジア難民です。1979年に、"キリング・フィールド"から逃れて無一文でアメリカにやってきました。

最初にカメラを手にした時、私は、大量虐殺を生き延び、トラウマ、喪失感、PTSDを克服するという父の人生をモチーフにした脚本を書いている最中でした。元々ドキュメンタリーを作ろうとは考えていなかったのですが、2020年の夏に、私がずっと共有したかったこのアメリカン・ドリームのストーリーは、現在のアメリカン・ドリームというコンテクストで語られるべきだと思い始めました。

Blackmagic Design導入事例:ドキュメンタリー「Bad Axe」の場合

シーヴ監督:パンデミックだけでなく、人種間の緊張の高まりや政治的分裂など、アメリカン・ドリームがこれまでにない形で危機に見舞われていたため、緊急でこのプロジェクトに取り掛からなければならないという気になったんです。

Pocket Cinema Camera 4Kといったツールが手元にあったので、このような普遍的な問題を、パーソナルかつシネマライクなレンズを通して観客に見てもらえるような方法で撮影することができました。

「Bad Axe」は、Blackmagic RAWで撮影され、カラーグレーディングとコンフォームには、DaVinci Resolve Studioが使用された。

シーヴ監督:12-bit RAWで撮影できることは、まさにゲームチェンジャーですね。特に本作のようなラン&ガンのドキュメンタリー撮影では、照明のコントロールができない状況でイメージを調整できる柔軟性が必要になってくるので、特に重宝しました。また、デュアルネイティブISOや、即断で撮影する場合に素早く使用できるメニューレイアウトも大きな利点でした。

全てのカメラのメニューがBlackmagic Designカメラのように直感的であればよいのにと思います。

手軽にカメラを構えて家族の親密な時間を撮影したというアプローチにより、「Bad Axe」は、いくつかの意味において、ホームムービーのような雰囲気になっています。しかし、一般的なホームムービーと異なるのは、フレーミング、構図、ストーリーテリング、全体的な画質など、映画制作に必要な技術であることは明らかです。

Blackmagic Designは、5万ドルや6万ドルの価格帯のカメラでなくても、美しいシネマライクな映像を撮影できるという点で、インディーズ映画制作を根本的に変えたと言えますね。

Blackmagic Design導入事例:ドキュメンタリー「Bad Axe」の場合