Blackmagic Designは、ATEM Constellationシリーズの新しい2つのUltra HDモデル、「ATEM 1 M/E Constellation 4K」および「ATEM 2 M/E Constellation 4K」スイッチャーを発売した。希望小売価格は以下の通り。
- ATEM 1 M/E Constellation 4K:税込289,800円
- ATEM 2 M/E Constellation 4K:税込¥613,800円
同製品は、フォーマット変換に対応した最大20個の12G-SDI入力を搭載している。2つの新しい4Kモデルは、Aux出力、DVE、ATEM Advanced Chroma Keyer、マルチビュー、SuperSourceなど、ATEM 1 M/Eおよび2 M/E Constellation HDモデルと同じパワフルな機能を搭載する。
ATEM 1 M/E Constellation 4Kは、パワフルなライブプロダクションスイッチャー。フォーマット変換機能に対応した10個の12G-SDI入力、6個の12G-SDI出力、DVE、4つのATEM Advanced Chroma Keyer、16通りのマルチビュー、メディアプレーヤー、トークバック、USBウェブカム出力を搭載。より大型のATEM 2 M/E Constellation 4Kは、フォーマット変換に対応した20個の12G-SDI入力、12個の12G-SDI Aux出力、2つのDVE、8つのATEM Advanced Chroma Keyer、2つのマルチビュー、合計6つのDVE用のSuperSourceに対応する。
ATEM Constellationスイッチャーは、コンパクトなラックマウントデザインにコントロールパネルを内蔵しているので、セットアップ時や緊急時にスイッチャーを操作できる。また、大画面LCDが搭載されており、プログラム出力の確認や、スクリーンメニューでのスイッチャー設定の変更が可能。コンパクトなので、移動型のライブプロダクションに最適。背面には12G-SDI入力、Aux出力、バランスオーディオ、コントロール用のイーサネット接続が搭載されている。
ATEM Constellationシリーズは、完全に独立した出力を多数搭載している。各SDI出力は、あらゆるSDI入力や内部ソースを個別にルーティングできるために便利としている。これにより、ステージの画面やマスターレコーダー、配信プロセッサーなどに個別にフィードを送信できる。SDI出力を個別収録に使用することも可能。再同期され、タイムコードがマッチするスイッチャー入力が、各デッキに送信される。全SDI出力は、プログラムオーディオ、RP-188タイムコード、SDIカメラコントロール、タリー、トークバックに対応している。
ライブ配信では、ATEM ConstellationのUSB-Cはウェブカメラのソースとして機能するので、ATEM Constellationはライブプロダクションスイッチャーであるが、ソフトウェアはこれを一般的なウェブカムとして認識する。つまり、あらゆるビデオソフトウェアと互換し、フル解像度の1080HD品質が得られるという。
内蔵マルチビューは、複数のソースを単一のモニターでモニタリングできる機能。1 M/Eモデルは1つのマルチビュー、2 M/Eモデルは2つの独立したマルチビューを搭載。すべての外部SDI入力およびすべての内部ビデオソースをあらゆるビューにルーティング可能。マルチビューはすべて、完全にカスタマイズ可能で、それぞれ4、7、10、13、16のビューに設定できる。タリーボーダー、ソースのラベル、VUメーターを各ビューにオーバーレイとして追加することも可能。また、各ビューで赤と緑のタリーボーダーを確認できるため、オンエアになっているソースを把握できる。
ATEM Constellationは機種によって、最大2つの独立したDVEを搭載している。これにより、グラフィックの位置を変更し、ピクチャー・イン・ピクチャー合成を作成できる。DVEは極めて高品質で、リアルタイムでの位置およびサイズの変更、スケーリングに対応。DVEを使えば、カスタマイズ可能な2Dボーダー、シャドウ、ライティングを用いた、プロ仕様のピクチャー・イン・ピクチャーエフェクトを作成できる。また、プッシュやスクイーズなどのエフェクトを加えた素晴らしいDVEトランジションを作成し、プログラムをよりエキサイティングにすることも可能。DVEトランジションとカスタムグラフィックを組み合わせて、独自のグラフィックワイプ・トランジションも作成できる。2 M/EモデルはSuperSourceプロセッサーを搭載しており、さらに多くのDVEを使用可能。
内蔵メディアプールは放送品質のRGBAグラフィックおよびアニメーションを保存でき、2つまたは4つのメディアプレーヤーから瞬時に再生可能。内蔵のメディアプールはメディアプレーヤーで使用するグラフィックを保存でき、1 M/Eモデルでは20個のスチルと200フレームのアニメーション、2 M/Eモデルでは40個のスチルと400フレームの4Kアニメーションを保存可能。
ATEM Constellationは多数のATEM Advanced Chroma Keyerを搭載しており、高品質のクロマ/ルミナンスキーを作成できるため、ニュース番組やバーチャルセットを使用する番組に最適。クロマキーはパワフル。カラーピッカーで背景色をサンプリングしてキーパラメーターを自動生成できる。エッジやフレアを正確にコントロールできる他、フォアグラウンドのカラーコレクターを使用して、フォアグラウンドレイヤーの「ルック」をバックグラウンドレイヤーとマッチさせることでシームレスに合成できる。キーヤーは、パターンキーやDVEキーにも使用できる。1 M/Eモデルは4つ、2 M/Eモデルは8つのATEM Advanced Keyerを搭載している。
各M/E列に4つのアップストリーム・クロマキーヤーが搭載されているため、バーチャルセットの構築に最適。多数のATEM Advanced Chroma Keyerに対応しているので、各カメラにキーヤーを使用して、カスタマイズしたバックグラウンドの上にカメラ映像をシームレスに合成できる。バーチャルセット用に外部のイメージプロセッサーを使用したり、プリレンダーしたスチルイメージをメディアプレーヤーとメディアプールからロードして、固定カメラのバーチャルセットを構築できる。マクロを設定して、カメラを変更したり、メディアプレーヤーに適切な背景をロードすることも可能。柔軟性に優れているため、様々なスタジオセットアップを試すことが可能。
M/E列のDVEに加え、2 M/EモデルはパワフルなSuperSourceマルチレイヤープロセッサーを搭載。ATEM Constellationは、4つのDVEレイヤーとバックグラウンドレイヤーを1つの追加の入力ソースとして認識する。スイッチャーのあらゆるビデオ入力は、SuperSource DVEとして使用でき、メディアプールのカスタムバックグラウンドにレイヤーされる。SuperSourceは、追加のマルチレイヤーVFXスイッチャーを内蔵しているかのように機能する。SuperSourceは、インタビューを受けている人をピクチャー・イン・ピクチャーで表示する際に最適。メインのDVEを他のジョブ用に空けたまま、エフェクトを設定できる。
720p、1080i、1080p、2160p60を含む、あらゆるHD/Ultra HDテレビフォーマットの機器を接続可能。またSDI入力は、エンベデッドオーディオを扱うことができ、あらゆるビデオ入力からのオーディオをミックスできる。プログラム出力には、トークバック、タリー、カメラコントロール情報が含まれる。つまり、スイッチャーのSDI出力のいずれかをカメラに接続して、プログラムリターン、カメラコントロール、トークバックを使用できるという。
Fairlightオーディオミキサーを内蔵しているため、ATEM Constellationでは極めて複雑なライブのサウンドミキシングを実行できる。内蔵ミキサーは、ATEM 2 M/E Constellation 4Kで最大48個の入力チャンネルに対応。オーディオは、すべてのSDIビデオ入力からデエンベデッドされ、オーディオミキサーに送られる。各入力チャンネルは、6バンドの高品質パラメトリックEQ、コンプレッサー、リミッター、エクスパンダー、ノイズゲート、完全なパン機能に対応している。これらのオーディオ機能はすべて、ATEM Software Controlまたは互換性のあるMackieのコントロールパネルから操作可能。
Blackmagic DesignのCEO、グラント・ペティ氏は次のようにコメントしている。
ATEM Constellation HDは、発表以来、大変人気な製品となっています。しかし、同じコンパクトサイズで12G-SDIに対応し、Ultra HD 2160p60までのフレームレートの作業が可能なスイッチャーを求める声が多く寄せられていました。これらの新しい1 M/Eおよび2 M/Eモデルは、Blackmagic Studio Camera 6K Proの解像度とマッチし、ユーザーはUltra HDで優れたライブプロダクションを実行するために必要なすべてのな機能を得られます!
ATEM 1 M/E Constellation 4KおよびATEM 2 M/E Constellation 4Kは、NAB 2024のBlackmagic Designブース(#SL5005)にて展示される。