Atomosは、NAB 2024のAtomosブースでHDMI搭載のカメラからの録画を可能にするスマートフォンやタブレット用の10ビットビデオコプロセッサ「Ninja Phone」を展示した。Ninja Phoneは、iPhone 15 ProおよびiPhone 15 Pro Max対応。対応iPhoneのOLEDディスプレイ用に設計されており、美しくてポータブル、接続可能なプロフェッショナルモニターレコーダーを実現する。
Atomosは、これまで日本の主要カメラメーカーと密接に協力してきた歴史を誇るが、今回のAtomos製品でもNinja Phoneは、HDMI出力のあるあらゆるプロ用カメラをアップルの壮大なOLEDスクリーンにHDRで接続することを可能としている。
Ninja Phoneは、カメラのHDMI信号をProResまたはH.265にエンコードして記録が可能。どちらのフォーマットも、HDRを実現する優れた10ビット品質を実現。エンコードされたビデオは、Ninja PhoneのUSB-C出力を介してiPhone 15 ProまたはPro MaxのUSB-Cポートに送られる。iPhoneのA17システムオンチップは、高解像度のiPhoneスクリーンに表示するために、カメラセンサー画像のデコードを行う。
iPhone 15 ProまたはPro Maxのディスプレイは、ほとんどのカメラに付属する一般的な内蔵スクリーンよりも大幅に改善されている。2,000,000:1のコントラスト比を誇り、ドルビービジョン、HDR10、HLGをサポートする。ダイナミックレンジは11ストップ、ピーク輝度は1600nitsで、HDRや屋外での視聴に最適としている。
App Storeからダウンロード可能な「Ninja Phone」iPhoneアプリは、Ninja PhoneとiPhoneの両方の操作を制御・調整する。9:16のポートレートモードで撮影する必要があるソーシャルメディアクリエイター向けに、Ninja Phoneアプリの水平または垂直のビデオモードに対応。Ninja PhoneアプリはiOSとiPadOSで動作し、出荷時にダウンロードできる。
カメラの出力は、Atomosの効率的なProResパイプライン(Ninja Phoneでエンコードし、Appleの最新鋭のiPhoneでデコードする)により、待ち時間ゼロでiPhoneの画面に表示される。
ProResエンコードされたビデオは、.movファイルとしてスマートフォンに保存できる。同時にiPhoneで10ビットH.265にトランスコードされ、カメラからクラウドへの転送や、iPhone内蔵の5GおよびWi-Fi 6E接続によるライブストリーミングなどのワークフローに利用できる。
Ninja Phoneは、ワイヤレスUSB-Cマイクのようなプロが必要とするアドオンを可能にする独立したUSB-Cハブを統合する外部iPhoneアクセサリーに対応する。サードパーティ製アクセサリーはNinja Phone経由でサポートされ、順次追加される。
標準的なNPシリーズバッテリー、バッテリーエリミネーター、USB-C 5V/3A入力で駆動する、これらのどの電源でも使用中にiPhoneを充電し、長時間の電話操作がプロの撮影に匹敵することを保証する。
Atomosは、接続されたHDMIおよびUSB-Cケーブルの確実なグリップを維持するために、ユニークで頑丈なロッキングエコシステムを開発。現在入手可能な最も堅牢なキャプチャーケーブルシステムとしている。
Ninja Phoneユーザーは、Atomosのクラウドサービス(ACS)をフル活用することが可能。効率的なCamera to Cloudワークフロー、リモートライブ制作、クラウド編集に対応する。ACSを使えば、コンテンツ制作者は数分以内に動画をソーシャルメディアに公開でき、映像制作者はクラウド経由で映像をポストプロダクション・チームに送信し、可能な限り最速の制作ワークフローを実現できるという。
Ninja Phoneの重量は95gで、iPhone 15 Proと組み合わせると335g。2024年6月に出荷が開始される予定。iPhone 15 Pro用またはiPhone 15 Pro Max用ケースを必要とするとが、これは通常の使用時にスマートフォンを保護するだけでなく、ロックケーブル・システムを確実に展開できるようにするためのものでもある。ケースはそれぞれ別売りされる。