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映画、映像を中心とした事業を展開する株式会社K2 Picturesが本格始動する。紀伊宗之氏が立ち上げたK2 Picturesは"日本映画の新しい生態系をつくる"ことを目標として掲げ、投資家・クリエイターと新たな日本映画製作の形から、世界基準の映画を届けるとしている。

そのために、まず日本発の映画製作ファンドを立ち上げること、そして、K2 Picturesが目指すビジョンに賛同し、これから一緒に映画を作っていく監督、アニメーション会社を発表した。

なお、そのお知らせに伴い、世界三大映画祭の一つで、今年5月にカンヌ国際映画祭が開催されるフランス・カンヌにて、世界のマーケットに向けてK2 Picturesが掲げるビジョンとファンドについての記者会見を実施する。

「K2P Film FundⅠ」立ち上げの背景

K2 Picturesは、"日本映画の新しい生態系をつくる"べく、日本発の映画製作ファンド「K2P Film Fund Ⅰ」を立ち上げる。具体的に、同ファンドの映画製作では、新たな国内外投資家の日本映画産業への参入、クリエイターへの利益還元を推し進めていくとしている。

近年、本年の米国アカデミー賞で「ゴジラ-1.0」が視覚効果賞を受賞し、配信業界でもNetflix「忍びの家 House of Ninjas」、Disney+「SHOGUN 将軍」など、日本文化を描いた作品の人気が高まっている。アニメや漫画なども世界での人気は右肩上がりと、コンテンツは国内産業の中でもトップクラスの一大産業に発展しているという。

そんな勢いの中で、日本の映画製作において、その生態系は長らく変わっていない状況があり、海外法人や国内においても新しい投資家が参入しにくい現状もという。そこで、現状の日本の映画製作における新たな選択肢として、日本コンテンツに興味がありながら接点を持てなかった国内外の会社が参加しやすいように、スポーツ・エンタメ領域やファンド領域を専門とする弁護士や、エンタメ領域を得意とする会計事務所・ビズアドバイザーズ株式会社のサポートのもと、海外からの投資を想定した法律・会計基準をもつ、このファンドを練り上げた。

さらに、日本映画製作におけるクリエイターへの利益還元は十分に行われているとは言い難い状況がある。同ファンドではクリエイターや制作に関わるスタッフに対する利益還元の仕組みを取り入れる。それによって、多くの才能が映画産業に夢を持ち続けられる体制を整えて行く方針だ。

こうして、映画に欠かせない投資家・クリエイターにおける新たな生態系を同ファンドでつくることにより、日本映画をさらに活気ある産業にしていくこと、そして世界の市場に向けて展開していくことを大きな目標として掲げている。

世界で活躍するクリエイターとの映画製作が進行中

日本映画の新しい生態系をつくるという、K2 Picturesが目指すこれからのビジョンに賛同し、映画製作を進めていく、監督とアニメーション会社は以下のとおり。

監督(敬称略)とアニメーション会社

  • 岩井俊二
  • 是枝裕和
  • 白石和彌
  • 西川美和
  • 三池崇史
  • 株式会社MAPPA

クリエイターからのコメント

岩井俊二氏

紀伊宗之のやりたいことなら絶対に応援したい。それがこのプロジェクトに参加した僕の純粋なる動機だ。

プロデューサーとしての彼は無類に頼もしい。彼にかかったら開かない鍵なんかないかのようだ。

彼とする仕事は無類に楽しい。それは彼に人を信じる力があるからだと思う。いつの時代も破天荒な発明家が時代を塗り替えて行く。今回、彼は僕らのために新しい乗り物を作ってくれた。K2 Pictures。

それは自動車のようでもあり、船のようでもある。飛行機にも潜水艦にもなり得る。

山に登ればそれはピッケルとアイゼンに変身してくれる。

そんな変幻自在、臨機応変なしなやかさがK2 Picturesの持ち味になることだろう。

そんなチームだったらフィルムメーカーだって本気で頑張れる。

僕も思いつく限りのアイディアを投じてこの恩に報いたい。

どんな冒険が僕らを待ち受けているだろう。

10年後、どんなチームに成長しているだろう。

とにかく今から何もかもが待ち遠しくて仕方がない。

是枝裕和氏

30年映画を作って来て感じていた既成の作り方への疑問や、違和感をどうしたら改善出来るか模索している途上で、紀伊さんたちの取り組みに出会いました。このチャレンジが成功して、映画界に良い風が吹き、新しい才能にチャンスが開かれる。そんな未来を実現しようとしている心意気に共感して、仲間に加えて頂きました。 共闘を楽しみにしています。

白石和彌氏

K2 Picturesの勇気ある船出に心から拍手を送ります。日本の映画界に革命を起こし、見えない壁を壊して下さい。今までの日本映画では実現不可能だった企画や、突出したユニークな才能が生まれることを期待しています。私も並走して世界を驚かせる映画を作りたい。よろしくお願いします。

西川美和氏

日本の映画の世界でキャリアを重ねながら抱くようになったのは、なぜか自信や希望よりも行き止まりのロープにつんのめるような感覚でした。これ以上映画を撮るのはなんとなく怖いような気がしていました。

それで「映画」から背を向けるように、従来の映画会社や出資者が決して歓迎しないような話を書いていたんです。すると紀伊さんという人が立ち上げたK2 Picturesが新しい投資で資金繰りしてそれを映画にする、と言ってくれた。本気だろうか、と思いました。

しかも若い作り手の独創的な企画にもチャンスの扉を開いているという。安全牌で固める発想ではなく、新しい人やきわどいものに必要十分な資金と環境で機会を作ることを目指すK2 Picturesの挑戦には乗ってみる価値があると思いました。

ある意味、K2 Picturesのファンドや新しい配給の仕組みは、危険な冒険にも思えます。実際、一筋縄ではいかないこともあるでしょう。でもそれが映画作りだし、どうせ映画を作るなら私は冒険をするチームと組みたい。それがこれから先に日本で映画を作っていく人たちの、新しい活路になっていく可能性があるならば尚更です。

株式会社MAPPA

「K2 Picturesの挑戦を応援したい」という想いで、このプロジェクトに参加させていただきました。 私たちも、アニメーションスタジオとして何ができるのかを精一杯考えながら、映画製作のパートナーとして力を尽くしたいと考えております。

三池崇史氏

「K2 Pictures」。 そして紀伊という怪しげな男について 紀伊=誠実な破壊者。 私はこう見ている。とてもパワフルだ。そして、そのエネルギーの源は、優しさだと思っている。 「もっと面白い映画を創って、もっと幸せになろうよ」 紀伊さんの笑顔に、そんなシンプルなメッセージを感じる。 だから私は「K2 Pictures」を信じている。

新規株主 資本参加および業務提携による製作体制強化/ファンド リーガル・ファイナンシャルアドバイザー

本格始動にあたり製作体制を強化すべく、K2 Picturesの新規株主の資本参加および業務提携の締結が行われた。また、同ファンド組成をリーガル、ファイナンシャルで支えるアドバイザーは以下のとおり。

新規株主

  • 株式会社インクストゥエンター
    ボーカロイド楽曲を中心とした音楽制作の事業から始まり、音楽を軸に幅広いコンテンツを発信。 ネットクリエイターを積極的に開拓し、新進気鋭のアーティスト・マネジメントプロダクションとしても知られる。
  • 株式会社ホロイムア
    「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」、「心が叫びたがってるんだ。」等の大ヒットアニメーション作品をプロデュースしてきた斎藤俊輔氏が代表を務めるアニメーション企画会社。
  • WISE Pictures
    イタリアの映像制作会社。2022年カンヌ国際映画祭・監督週間のオープニング作品「L’Envol」(ピエトロ・マルチェッロ監督)や2023年ヴェネチア国際映画祭のオープニング作品「戦艦コマンダンテ 誇り高き決断」(エドアルド・デ・アングリス監督)を制作している。
  • MIRAI Pictures
    フランスの国際配給、制作会社・シャレードの共同設立者、Yohann Comteの個人会社。 Yohann Comteは「未来のミライ」(細田守監督)の、2018年カンヌ国際映画祭・監督週間への出品に尽力し、会社名は同作に由来している。今回のカンヌ国際映画祭では携わった3作品が正式出品されており、そのうち1本は「ある視点」部門の日本映画「ぼくのお日さま」(奥山大史監督)。

アイアトン・エンタテインメントとの業務提携

映像製作、配給およびコンサルティングを含む全てのエンタテインメント関連事業を行うアイアトン・エンタテインメントと、新たな企画開発において業務提携を締結。代表を務めるウィリアム・アイアトン氏はワーナーエンターテイメント ジャパンCEOとして、「るろうに剣心」3部作、「最後の忠臣蔵」、「許されざる者」などの製作を主導し、ソニー・ピクチャーズ・インターナショナルプロダクションズの日本代表も歴任している。

  • リーガルアドバイザー:西村あさひ法律事務所・外国法共同事業
    • 弁護士 パートナー 稲垣弘則氏
    • 弁護士 パートナー 本柳祐介氏
  • ファイナンシャルアドバイザー:ビズアドバイザーズ株式会社
    • 代表取締役 公認会計士、米国公認会計士、税理士 上住敬一氏

上住氏:K2 Picturesが志す新しい映画生態系のビジョンの実現は、世界から日本映画への投資意欲が強まっている今だからこそ、日本の映画業界にとっても実現させなければならない取組であると私たちビズアドバイザーズも考えております。

ビズアドバイザーズはエンタテインメント業界に特化した会計事務所として過去20年間日米の映画の資金調達をサポートしてきました。私共は代表の紀伊さんとともに、1チームでファンドの仕組み作りからガバナンスの構築まで携わっています。ファンド組成後の会計処理やディスクロージャーにも関与することで、バックオフィスから国内外の投資家の皆様に安心していただけるようサポートしてまいります。