キヤノンUSAは、ネイティブRFマウントとフルフレーム裏面照射型積層型CMOSセンサーを搭載したシネマカメラ「EOS C400」を発表した。また、キヤノン初のマウントアダプターPL-RFやシネマレンズ「CINE-SERVO 17-120mm」のRFマウントバージョンも発表した。

キヤノンシネマEOS C400フルフレームRFマウントカメラは、2024年9月発売予定。市場想定価格は7,999.00ドル。CINE-SERVO 17-120mmは2024年10月発売予定で市場想定価格は23,850.00ドル。マウントアダプターPL-RFは、2024年9月発売予定で市場想定価格は1,599.00ドル。

キヤノンU.S.A.上席副社長兼ジェネラルマネージャーのブライアン・マハー氏は次のようにコメントしている。

キヤノンは、映画製作者やビデオグラファーに、高品質で視覚的に魅力的な映像を撮影するためのさまざまなツールを提供できることを誇りに思います。新しいカメラとレンズは、キヤノンの素晴らしいシネマ製品のラインナップを強化するものです。

裏面照射型積層型センサーを搭載

キヤノンEOS C400カメラは、シネマEOSシステムで初めて新開発の6Kフルフレーム裏面照射型CMOSセンサーを搭載。トリプルベースISOにより、さまざまな照明条件下で圧倒的な画像を実現するという。800、3200、12,800のベースISOは、カメラのダイナミックレンジを最大限に引き出すことが可能。

EOS C400カメラのセンサーは、キヤノンの次世代デュアルピクセルCMOSオートフォーカス「デュアルピクセルAF II」をサポートする。裏面照射型の積層型配置により、光捕捉効率が向上し、オートフォーカスに使用できるセンサーの領域が広がる。このセンサーは読み出し速度の高速化、6Kオーバーサンプリングによる4K画質の向上も実現している。

12-bit Cinema RAW Lightで最大6K60Pフルフレーム記録に対応

EOS C400カメラは、12-bit Cinema RAW Lightで最大6K60Pフルフレーム記録が可能。センサーモードを変更することで、4K RAWを最高120fps、2K RAWを最高180fpsで記録できる。これはすべてキヤノンの最新のCinema RAW Lightで記録され、ファイルサイズの好みやワークフローに応じて3つの異なる記録モードから選択が可能。

その他の記録には、キヤノンが開発した業界標準のXF-AVCコーデックに対応。6Kセンサーからオーバーサンプリングして10ビット4:2:2で記録に対応するため、センサーから画像を切り出すことなく、最大120Pのフレームレートで豊かなディテールと滑らかなイメージを作成可能。

キヤノンは、EOS C400カメラに2つの新しい記録コーデック「XF-AVC S」と「XF-HEVC S」を導入する。これらのフォーマットは、使い慣れたMP4フォーマットで記録し、メタデータを保持しながら、管理しやすいシステムとフォルダ構造を特徴としている。

これらのオプションはすべてカメラのCFexpressスロットに記録され、SDカードスロットにはサブ記録とプロキシオプションが用意されている。RAW撮影時でも同時記録が可能。

ライブプロダクションの制作に対応

ライブプロダクション用として、EOS C400カメラボディには、放送用レンズやシネサーボレンズ専用の12ピンレンズ端子、ミニXLRオーディオ入力、タイムコード、ゲンロック、リターンビデオ用のDINコネクターを含むさまざまな出力・入力インターフェース、12G-SDIおよび3G-SDIモニター出力、フルサイズのHDMI出力、内蔵Wi-Fi接続、イーサネットなどが装備されている。また、SRTプロトコルによる映像と音声のIPストリーミングも可能。

カメラをリモートコントロールする撮影では、イーサネットポートまたはWi-Fi接続を使用して、キヤノンマルチカメラコントロールアプリ、ブラウザリモコン、または同梱のXCプロトコルを使用したキヤノンRC-IP100またはRC-IP1000コントローラーのサポートを含むリモートコントロールが可能。

また、EOS C400カメラは、リアルタイムおよびポストプロダクションでフレームごとのメタデータを提供し、バーチャルプロダクションワークフローをサポートする。キヤノン「RF5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYE」の180°VR撮影に対応する。

CINE-SERVO 17-120mm シネマレンズ

キヤノンのこの最新のシネマレンズは、同社のCINE-SERVOラインに、ネイティブRFマウントの利点を加えたもの。RFマウントの追加ピンは、EOS C400のようなRFマウントカメラとの通信を増加させ、オートフォーカス、ディストーション補正、バーチャルプロダクション用のメタデータ出力を可能にする。このレンズにはRFマウントとPLマウントがあり、PLマウントバージョンはZEISS eXtended DataとARIA(照明減衰の自動復元)をサポートする。

同レンズの新しいドライブユニット「e-Xs V」は、フォーカスとアイリスの速度を向上させ、フォーカスブリージング補正が可能。ドライブユニットの構成をコピーするためのUSB-Cコネクタを備えている。

キヤノンEOS C400とRFマウントCINE-SERVO 17-120mm

PL-RFマウントアダプター

キヤノンはまた、新開発のマウントアダプターPL-RFを発表する。このアダプターは、幅広いPLマウントレンズをEOS C400カメラに開放する。このアダプターは「Cooke /i Technology」により、カメラとレンズ間のメタデータ通信の互換性を維持が可能。最大限のマウント強度を達成するためのロックプレートも付属する。

PL-RFマウントアダプター