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富士フイルムは、「FUJINON内覧会 2024‐Duvo&GFXシネマ‐」を東京・博多・大阪・名古屋・札幌の全国5会場で実施する。その皮切りとなる東京開催が、2024年6月4日、6月5日、JR目黒MARCビル1Fで行われた。6月4日の会場の模様をお届けしよう。
全国5会場で実施するFUJINON内覧会
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FUJINON内覧会は、普段なかなか機会のないフジノンの放送用レンズの現物をじっくりと体験できる富士フイルムのプライベートショーだ。毎年11月開催のInter BEE以外で、フジノンの実機を体験できる機会を設けることを目的として行われている。
毎年の恒例で行われていたが、新型コロナウイルスの影響で2019年を最後にしばらく開催が見送られていた。今年は5年ぶりに開催が決定。早速、放送局やプロダクション関係者が大勢集まっていた。
輪島塗の器を被写体として展示
会場に入って驚いたのは、被写体としての漆塗りである輪島塗器の展示だ。シンプルで美しい器は、輪島塗第一人者、塗師 赤木明登氏の手掛けるものだ。カメラ内覧会と輪島塗作品の個展が同居するような興味深い構成となっている。
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富士フイルムは、GFX100 IIをリリースしたときも、能楽堂でイベントを実施。Inter BEEの特別展示でも武将鎧を展示し、なかなか興味深い展示が続いている。各イベントの共通テーマは、和であることだ。
Duvo HZK14-100mmを国内初お披露目
展示会場の注目は、シネマと放送を両立したDuvoシリーズの展示だ。「HZK24-300mm」は、2024年3月末に発売。さらにワイドレンズの「HZK 14-100mm」は、8月に発売を予定している。今回の内覧会では、HZK 14-100mmが国内初お披露目された。
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特徴は、PLマウントをサポートし、スーパー35とフルフレームセンサーにも対応。ズーム全域でT2.9を実現し、シネマライクな映像表現が可能だ。
これだけワイドでありながら、小型で軽量、ドライブユニットも付属している。担いで操作をしたり、ステディカムやスタビライザーで使用する場合にも、対応しやすそうだ。さらに映画・CMなどの制作現場で使用されるワイヤレスレンズコントローラーに接続することで、フォーカス/アイリス/ズームの遠隔操作が可能なのも特徴だ。
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GFX100 IIはシネマスタイルで展示
GFX100 IIは、PLレンズ装着や外部バッテリー、外部モニターを搭載したシネマスタイルで展示が行われていた。GFX100 IIのノーマルスタイルは写真系の展示会などで触れることが可能だが、シネマスタイルを体験できる機会はほぼない。貴重な展示と言っていいだろう。
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細かいところでは、富士フイルムGマウント(GFX)からARRI LPLマウントアダプターの展示があった。このアダプターを使えば、GFXにLPLのレンズを搭載可能になる。イメージサークル46.5mmをもつLeitzのプライムレンズ「ELSIE」の50mmも同時に用意されていた。
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GFXには、フジノンレンズをラインナップしているが、GFXをシネマスタイルで使うならばやはりシネマレンズと組み合わせて使用したい。しかしGFX純正レンズは写真向けのレンズのみのため、純正以外のレンズを使用することになるはずだ。
GFXは、サードパーティー製マウントアダプターを利用することでさまざまなメーカーのシネマレンズと組み合わせが可能だ。特に、VistaVision(46.5mm)のイメージサークルを持つシネマレンズとGFX100 IIの組み合わせはこの価格帯で唯一無二の存在であり、映像業界注目の組み合わせとなりそうだ。
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