キヤノンは、新開発エンジンを搭載「Accelerated Capture」を搭載した「EOS Rシステム」初のフラグシップモデル「EOS R1」を2024年11月に発売する。希望小売価格はオープン。同社公式オンラインストアの販売価格は税込1,089,000円。
EOS R1は、「EOS-1D X Mark III」の高信頼性、高耐久性を継承しながら、高い撮影性能を兼ね備えたフルサイズミラーレスカメラ。映像エンジン「DIGIC X」に加えて、新開発の映像エンジン「DIGIC Accelerator」と裏面照射積層CMOSセンサーの組み合わせによる新たな映像エンジンシステム「Accelerated Capture」やディープラーニング技術の活用により、フラグシップ機として求められる静止画、動画性能を実現し、プロの高いニーズに応えるという。
デュアルピクセルCMOS AF初となるクロスAFに対応することで、模様や障害物の影響を抑えて被写体を捉えることが可能。安定した撮影を実現するという。また、新開発の映像エンジン「Accelerated Capture」とディープラーニング技術に融合による、被写体を追い続けるための強化されたトラッキング性能、サッカーのシュートなどの特定のアクションを認識し、素早くAFフレームを合わせる「アクション優先」機能、「EOS R3」から進化した視線入力AFなどを活用することで、素早くフォーカスを合わせ、狙った被写体を粘り強く、追尾することが可能。
電子シャッター時、最高40コマ/秒を達成しながら、「EOS-1D X Mark III」のメカシャッターと同等レベルにローリングシャッター歪みを低減している。また「プリ連続撮影」機能を搭載することで、シャッターボタンを押したタイミングから、最大約20コマ分遡って連続撮影することを可能としている。
これらの機能に加えて、快適な撮影をアシストするEOSシリーズ最多となる約944万ドット、ファインダー倍率約0.9倍、EOSシリーズ最高輝度を達成した新開発の電子ビューファインダーを搭載することで、さまざまな撮影環境で、決定的瞬間を捉えることができるという。
新開発の有効画素数最大約2420万画素のフルサイズ裏面照射積層CMOSセンサーを採用し、常用ISO感度100~102400(静止画撮影時)をカバーすることで、明るい屋外でのスポーツ撮影から夜間の報道撮影まで、さまざまなシーンでの高画質な撮影が可能。また、「カメラ内アップスケーリング」機能では、アプリケーションなどを介することなく、最大約9600万画素の画像をカメラ内で生成し、トリミングをしたい場合なども活用できる。
■狙った被写体を素早く捉え、粘り強く追従し続ける高精度AF
- トラッキング中最大約100%の測距可能エリアにおいてデュアルピクセルCMOS AF初となるクロスAFに対応。模様や障害物の影響を抑えて、正確に被写体を捉え続けることが可能。
- 高速解析、高速撮影を実現する新エンジンシステム「Accelerated Capture」とディープラーニング技術の融合による新たなAFにシステム「Dual Pixel Intelligent AF」により、優れたトラッキング性能を実現。
- 被写体が交錯する場面が多いチームスポーツ撮影などでも選手を粘り強く、撮影し続けるためのトラッキング性能を強化。人物が小さい場合でも検知可能な「上半身検知」や障害物が被写体の前を横切るシーンなどでも被写体の頭部とその前に重なる障害物を見分ける「頭部領域推定による障害物回避」により精度の高いトラッキングが可能。
- サッカーのシュートなど、特定の動作の被写体を登録し、優先的に追尾し続ける「登録人物優先」機能では、「EOS R3」と比較し、顔が斜めに向いた際の検出性能が向上。
■決定的瞬間を逃さない高速連写や快適な撮影を実現する新開発の電子ビューファインダー
- 電子シャッター時、AF/AE追尾しながら最高約40コマ/秒を実現し、30コマ/秒、20コマ/秒などの中間のコマ速の設定が可能。
- 電子シャッター時のローリング歪みを「EOS-1D X Mark III」のメカシャッターと同等レベルに低減。
- EOSシリーズ最多となる約944万ドット、ファインダー倍率約0.9倍、EOSシリーズ最高輝度を達成した新開発の電子ビューファインダーを搭載。
- ファインダーをのぞく瞳の動きでAF操作を行うことができる視線入力AFでは、検出フレームレートを「EOS R3」比約2倍とすることでレスポンスを向上。光学系も新規設とすることで、目の位置がずれた場合や眼鏡装着時の検出安定性も向上。
- シャッターボタンを押したタイミングより、最大約20コマ遡って撮影することができる「プリ連続撮影」機能を搭載し、JPEG/RAW/HEIFにいて、切り出し作業なしで記録可能。
■新開発のフルサイズ裏面照射積層CMOSセンサーや「カメラ内アップスケーリング」機能などによる高画質の実現
- 高速性能と高感度性能を両立した新開発の有効画素数最大約2420万画素フルサイズ裏面照射積層CMOSセンサーを採用し、常用ISO感度100~102400(静止画撮影時)をカバーすることで、幅広いシーンで高画質を実現。
- ボディ内5軸手ブレ補正機構を搭載。また、レンズ内光学式手ブレ補正機構を搭載したRFレンズでは協調制御にも対応し、中心最大8.5段、周辺最大7.5段の手ブレ補正効果を発揮。さらに、広角特有の画面周辺でのブレを抑制する周辺協調制御にも対応。
- 「カメラ内アップスケーリング」機能では、アプリケーションなどを介することなく、撮影した画像(JPEG/HEIF)から最大約9600万画素の画像をカメラ内で処理し、ノイズを低減した高画質な画像をカメラ内で生成する「ニューラルネットワークノイズ低減」機能を搭載。
■プロの映像撮影を支える操作性と通信機能
- 「EOS-1D X」シリーズと同等の防じん、防滴性能を備え、マグネシウム合金を外装に採用することで高い堅牢性を実現
- 「EOS-1D X Mark III」および「EOS R3」と共通の大容量リチウムイオンバッテリー「LP-E19」を採用し、静止画撮影可能枚数約1,330枚を達成。
- 「EOS-1D X Mark III」比約78%となる約1,115g(CIPA基準)の軽量設計と操作性を両立。
- EOSシリーズで初めて、IEEE802.11ax規格相当に対応し、高速な無線通信が可能。更に6GHz(インフラストラクチャーのみ)に対応することで広い周波数帯が使用可能となり、快適な通信性能を実現。
- EOSシリーズではじめて高速な有線LAN規格である2.5GBase-Tに対応し、安定した接続環境で大容量の静止画や動画を送信することが可能。
- 新アプリケーション「Content Transfer Professional(有償)」では、静止画、動画を5G/LTE対応のスマートフォン経由で場所を選ばずにカメラ本体からファイルを受信し、FTPサーバーへ送信することや、スマートフォンでのタグ付けが可能。
■映像制作「CINEMA EOS SYSTEM」で培った多彩な撮影性能や親和性の高い画作りを実現
- フルサイズ画角での6K/60PのRAW動画や4K/120PのMP4動画記録を、カメラ内部に記録可能。
- 動画撮影中の静止画記録にも対応し、動画撮影を停止せずに最高約10コマ/秒の連続撮影を可能とすることで、機材の簡略化など業務効率の向上に寄与。
- 動画撮影時常用ISO32000を達成し、暗いシーンでの撮影にも対応。ノイズリダクションのアルゴリズムの改善により、「EOS R3」よりもさらに高感度撮影時のノイズを低減。
- 4K/60PのMP4動画をスロット1へ、ファイルサイズの軽いプロキシ動画をスロット2へ同時に記録することが可能。軽量なプロキシ動画を使用することで、PCへの送付や編集を効率化。
- CINEMA EOS SYSTEMとの共通の仕様として、中間から暗部の階調性が高い「Canon Log 2」を搭載。撮影用途に応じた最適な設定を選択することが可能。
- デジタルシネマカメラ「EOS C400」と共通ファイルシステムのXF-HEVC S/XF-AVC Sを採用。ワークフローを共通化し、編集作業を効率化。
- カメラから離れた位置でも動画の記録状況を把握することができるタリーランプを搭載。
- 動画撮影ボタンを押す3秒前もしくは5秒前から映像を記録することが可能な「プレ記録」機能を搭載。