Blackmagic Design導入事例:Paramount+の人気シリーズ「Geddy Lee Asks Are Bass Players Human Too?」の場合

Blackmagic Designによると、Paramount+の人気シリーズ「Geddy Lee Asks Are Bass Players Human Too?」のオンライン編集およびグレーディングが、Banger Filmsにより、編集、グレーディング、VFX、オーディオプロダクション・ソフトウェアであるDaVinci Resolve Studioで行われたという。

同作は、バンド、ラッシュの伝説的なベーシスト、ボーカリスト、キーボード奏者であるゲディー・リーが世界的に有名なベーシストを訪ね、これらのミュージシャンが傑出している理由を探るドキュメンタリーシリーズだ。ベーシスト仲間であるニルヴァーナのクリス・ノヴォセリック、ホールのメリッサ・オフ・ダ・マー、メタリカのロバート・トゥルヒーヨ、プライマスのレス・クレイプールなどの自宅を訪ねたこのドキュメンタリーは、瞬く間に世界的なヒットとなった。

同作の制作とポストプロダクションは、カナダの映画・テレビ制作会社であるBanger Filmsが手掛けた。同社は、音楽と文化に焦点を当てたドキュメンタリー映画やテレビシリーズに特化することで、世界各地でファンを獲得している。

同作のポストプロダクションは同社のポストプロダクション監督であるメリッサ・ホア氏、カラーコレクションはベテランカラリスト、DIT、映像作家のセット・シュター氏が行った。

Blackmagic Design導入事例:Paramount+の人気シリーズ「Geddy Lee Asks Are Bass Players Human Too?」の場合

ホア氏は、次のようにコメントしている。

ホア氏:番組全体の雰囲気としては、視聴者も一緒に同行しているような気分にさせることを目指していました。すべてが親しみやすく、ミュージシャンの普段の生活を垣間見ているような感覚を与えたいと考えました。

これを達成するために大量の映像が撮影されましたが、そのほとんどはゲリラスタイルでの撮影でした。準備しすぎたり、計画的に撮影したりすると、ミュージシャン同士の自然な会話のリアリティが失われてしまいます。ポストプロダクションでは、スポットライトから離れ、快適な日常生活の中で、ゲディがレス、ロバート、メリッサ、クリスとつながりを形成する様子を強調することを目的に作業しました。

同作は多数の異なるカメラで撮影され、フロントエンドの管理を行うために、すべてのフッテージはDaVinci Resolve Studioに取り込まれた。最初の編集が行われた後、カラーコレクションとマスタリングにDaVinci Resolve Studioが使用された。

ホア氏:Resolveは何年も使っていますが、Resolveのワークフローは夢のようですね。あらゆるものを取り込め、すべてが機能します。メーカーやフォーマットは問いません。全体を通して、Resolveのタイムラインだけで作業できます。

編集、カラーコレクション、オーディオ、VFX間の作業が悪夢のようだった昔に比べれば、遥かに楽になりました。

ディレクターであり、DIT、カラリスト、スタンドアップコメディアンでもあるシュター氏は、これまでに数十本の映画やテレビ番組を手掛けてきており、同作では30分の各エピソードのカラーコレクションすべてを担当した。同氏は、計画外のVFXにDaVinci Resolve StudioのFusionページも使用した。カラーコレクションとVFXに同じソフトウェアのツールを使用できるDaVinci Resolve Studioでは、VFXの作業が楽に行えたという。

Blackmagic Design導入事例:Paramount+の人気シリーズ「Geddy Lee Asks Are Bass Players Human Too?」の場合

ホア氏:カラーリストの仕事で好きな要素のひとつは、プロジェクトのルックと雰囲気を作成し、それが創造的なプロセスを通して、どのように展開していくかを見届けることです。

本作において異なる点のひとつは、シネマライクな映像にしようとしなかったことです。映画のようなルックは合っていませんでした。自然でリアルなものを目指し、ルックで気が散らないように心がけました。本来の姿を超えたルックにしないように作業しました。

同氏は、長年にわたってDaVinci Resolve Studioを多数の映像に使用してきており、同ソフトウェアでは自然なルックが得られることを把握していた。特に3Dキーヤーとカラーワーパーは、特定の色を選択、分離、調整し、フッテージの撮影に使用されたカメラの種類を問わず、ルックに一貫性を持たせるために頻繁に使用された。

ホア氏:異なるコーデック、カラースペース、解像度のフッテージでも、Resolveでは簡単に処理・変換できました。

マッチングは、もちろんカラリストの仕事のひとつです。特に、ドキュメンタリースタイルのプロジェクトでは重要です。しかし、本作では非常に多くの変動要因がありました。例えば、異なるロケ地での長回しがあり、車内の映像も多く、様々な自然光の中を飛行したり、多岐にわたる要素を含んだ、鮮やかな空間で撮影されました。

Resolveでは、プライマリーとカーブでバランス調整とマッチングを行ったら、色相と輝度の不一致を修正する上で、カラーワーパーと3Dキーヤーが大変役立つことがわかりました。また、黄色、青、赤に加え、カラフルな場所の色が顔に反射している場合のスキントーンには特別な注意を払う必要がありました。ミッドトーンディテールをわずかに加えることで、スキントーンの調整が大いに改善されることも発見しました。

Resolveでは、作業のほとんどがシームレスに行えました。まるでガラスのように透き通った水をカヤックで進むような感覚で、本当にシームレスです。

Blackmagic Design導入事例:Paramount+の人気シリーズ「Geddy Lee Asks Are Bass Players Human Too?」の場合