ソニーは、グローバルシャッター機能を備えた2/3型3板式4Kイメージセンサーを搭載し、小型軽量で設置場所の自由度の高いマルチパーパスカメラ「HDC-P50A」と、その関連オプションライセンスを2024年12月に発売する。
- マルチパーパスカメラ「HDC-P50A」:税込4,180,000円
- IPインターフェースソフトウエア「HZC-SFP5A」:税込880,000円
本機は、マルチパーパスカメラ「HDC-P50」(既発売)の機能や性能を踏襲し、カメラ本体からSDIによる信号出力が可能。また、放送業界での採用が進むSMPTE ST 2110でのIP伝送にカメラ単体で新たに対応し、ライブ制作にも活用できるという。
さらに、カメラコントロールユニットとの接続が可能なため、カメラの設置場所とコントロールルームが離れた撮影環境でも柔軟に運用が可能。また、可変NDフィルターユニット「HKC-VND50」(既発売)の追加搭載にも対応する。小型軽量な筐体を活かして、人が入りづらい場所での撮影や、ヘリコプターでの空撮、クレーンやワイヤーカムでの撮影など、多様なシーンで活用できるという。
なお、「HDC-P50A」は、マルチフォーマットポータブルカメラ「HDC-5000シリーズ」、「HDC-3500シリーズ」(いずれも既発売)と同じ2/3型3板式4Kイメージセンサーやプリズムを搭載することで、両カメラシリーズと同じ色再現が可能なため、既存のシステムへも容易に組み込みが可能としている。
「HDC-P50A」の主な特長
SMPTE ST 2110でのIP伝送に対応
オプションライセンス「HZC-SFP5A」と組み合わせることで、「HDC-P50A」から直接、SMPTE ST 2110でのIP出力が可能。「AMWA NMOS(Networked Media Open Specifications)」にカメラ単体で対応する。ハードウエアを追加することなく直接IPでの出力が可能で、IP Tallyにも対応しているため、IPスタジオ内のコンパクトなカメラとして活用できるほか、IPカメラエクステンションアダプター「HDCE-TX50」や、カメラコントロールユニット「HDCU-5000」「HDCU-5500」に接続することで、IPでの入出力と、ハイフレームレートでの出力も可能としている。
IP伝送に対応することで、ライブ制作ソリューション「Networked Live」で提供する商品とも連携が可能。カメラコントロールネットワークアダプター「CNA-2」と接続し、カメラを遠隔から一元監視して運用を省人化するなどの活用が可能。
柔軟な機能拡張性と小型軽量の筐体で、多様な撮影シーンでの活用が可能
本機は、カメラコントロールユニット「HDCU-5000」「HDCU-5500」やIPカメラエクステンションアダプター「HDCE-TX50」への接続に対応する。カメラコントロールユニットやIPエクステンションアダプターとは、シングルモードファイバーで最大10kmの長距離接続が可能なため、ゴルフ中継などの撮影場所と中継車システムが離れている撮影現場においても活用することができます。また、カメラコントロールユニットとの接続時は、4Kで最大4倍速・HDで最大8倍速のスローモーション撮影が可能。
小型軽量の筐体は設置の自由度が高く、人が入りづらい場所や高所での撮影にも適しているという。リモート雲台に搭載してのシンプルな撮影や、スポーツやライブイベントなどでの多様なアングルからの撮影など、さまざまなシーンで活用できるという。
「HDC-5000シリーズ」「HDC-3500シリーズ」との高い連携性
マルチフォーマットポータブルカメラ「HDC-5000シリーズ」、「HDC-3500シリーズ」と同じ2/3型3板式4Kイメージセンサーやプリズムを搭載し、両機種で採用されている「BT.2020」「S-Gamut3」などの広い色域をカバーする。既存のカメラシステムへの追加の際も、容易に色合わせが可能としている。
なお、「HDC-P50A」の試作機は、2024年9月13日から16日までオランダ・アムステルダムで開催される国際放送機器展「IBC 2024」の同社ブースにて展示を予定している。