ソニーは、ソフトウェア開発者がソニー製デジタルカメラを使用したアプリケーションを開発できる無償の開発キット「Camera Remote Toolkit」の「Camera Remote SDK Version 1.13」と「Camera Remote Command Version 2024.1.0」を公開した。同社Webサイトより無償でダウンロード可能。
新バージョンでは、以下の点を更新している。
■Camera Remote SDK Version 1.13 主な新機能
- Camera Remote SDK対応機種の追加:ZV-E10 II、 PXW-Z200、 HXR-NX800
- 光学ズームの絶対位置指定:一度のコマンド指示で所定の位置にズーム可能。ドローンによるインフラ検査などでズーム制御の所要時間を大幅に短縮
- フルリモート操作:「メニュー表示や警告表示をリモートで取得できる機能」を搭載。リモート動画制作の際、手動と同等の操作がリモートで実行可能
- 露光通知タイミングの調整:撮影処理開始の約5ミリ秒前に露光信号を出力する機能。外部フラッシュ等を露光時間全体へ同期させることが可能
- 動画撮影ワークフローを改善する新規機能群:リモート制御とファイル転送の同時実行、動画再生プレビュー対応
- リモートからのファームアップデート:次回以降の新しいファームウェア公開時、リモートからの本体ファームウェアアップデート作業が可能。特にマルチカメラシステムの場合にアップデートの手間を短縮
■Camera Remote Command Version 2024.1.0 主な新機能
- Camera Remote Command対応機種の追加:FX6、BURANO、α9 III, ZV-E10 II
- PTP-IP規格へ対応:EthernetケーブルやWi-Fi経由でのカメラ制御が可能。USBケーブル接続の課題を解消し、撮影位置やアングルの自由度が向上
- 多様なお客様のニーズを叶える約100個のコマンドへ対応
例:撮影状況に応じて記録用のメモリーカードのスロットを任意に切り替える設定、撮影環境に応じた最適なISO AUTOの上限/下限設定
「Camera Remote Toolkit」の詳細について
「Camera Remote Toolkit」は、ソニーのカメラリモートのソフトウェア開発キットの総称。開発の目的や用途に合わせて、「Camera Remote Command」と「Camera Remote SDK」の2種類のフォーマットを提供する。
「Camera Remote Command」は、ISO標準規格をソニー独自で拡張した通信プロトコルを用いてPTP(Picture Transfer Protocol)向けのコマンドでカメラの遠隔操作を実現する。異なるブランドのカメラ製品を単一のソフトウェアで操作する場合や、既存のソフトウェアをソニー製デジタルカメラへ適用する際の利便性を高めるという。
「Camera Remote SDK」は、ソニーが提供する専用のAPIでカメラの遠隔操作を実現する。高水準APIを使用し、プログラムを効率よく開発する際に最適としている。