Appleは、新しい｢Mac mini｣を発売する。小売希望価格は税込94,800円より。2024年10月30日より予約注文を開始し、2024年11月8日より販売を開始する。
Appleのハードウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデント、ジョン・ターナス氏は次のようにコメントしている。
Appleシリコンの電力効率と新しいサーマルアーキテクチャによって、新しいMac miniは信じられないほど小さなデザインで圧倒的なパフォーマンスを発揮します。M4と新しいM4 Proチップのパフォーマンス、前面と背面の両方で強化された接続性、そしてApple Intelligenceの登場が組み合わさって、Mac miniは、これまで以上に高性能で万能になり、このようなものはほかにはありません。
新しいMac miniの設置スペースは以前のデザインの半分以下の12.7センチ四方。小さなスペースでデスクに置くことができる。コンパクトなシステムは、Appleシリコンの電力効率と、空気をシステムの各階層に流し、すべての排気を底面から行うサーマルアーキテクチャによって実現しているという。
同じ価格帯で最も販売台数が多いWindowsデスクトップパソコンと比べると、Mac miniは20分の1のサイズで最大6倍高速としている。M4を搭載したMac miniは、学生、クリエイターを目指す人やスモールビジネスの経営者まで、幅広いユーザーに対応するコンパクトでパワフルなデバイスとしている。M4を搭載したMac miniは、10コアCPU、10コアGPUを備え、ユニファイドメモリは16GBから用意されている。
ユーザーは、日常的な作業を効率化する複数のアプリでのマルチタスクのほか、ビデオ編集や音楽制作などのクリエイティブなプロジェクト、コードの記述やコンパイルまで、すべての作業でM4のパフォーマンスを実感できるという。
■Intel Core i7搭載Mac miniと比較した場合のM4搭載Mac miniの性能
- Logic Proプロジェクトで最大2.8倍のオーディオエフェクトプラグインを適用
- 「World of Warcraft: The War Within」でのゲームパフォーマンスが最大13.3倍高速
- Photomatorでの写真補正時の画像アップスケーリングのパフォーマンスが最大33倍高速
■M1搭載Mac miniと比較した場合のM4搭載Mac miniの性能
- Microsoft Excelのスプレッドシートの計算が最大1.7倍高速
- MacWhisperでのオンデバイスAI音声テキスト変換が最大2倍高速
- Adobe Lightroom Classicでのパノラマ画像の統合が最大4.9倍高速
プロレベルのパフォーマンスを求めるユーザーのために、M4 Proを搭載したMac miniは、シングルスレッドのパフォーマンスを発揮するCPUコアを備えている。10の高性能コアと4つの高効率コアを搭載した最大14コアのM4 Proは、マルチスレッドのパフォーマンスも実現する。
最大20コアのM4 ProのGPUは、M4のGPUと比べて最大2倍パワフルで、どちらのチップもMac miniに初めてハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシングをもたらすという。
また、M4 ProのNeural Engineは、M1搭載のMac miniと比べて3倍以上高速で、デバイス上のApple Intelligenceモデルを高速に動作させることが可能。M4 Proは最大64GBのユニファイドメモリと273GB/sのメモリ帯域幅に対応し、どのAI対応のWindowsパソコン用チップよりも2倍の帯域幅があり、AIの作業を加速するという。また、M4 ProはThunderbolt 5に対応し、Mac miniに、Thunderbolt 4のスループットの2倍以上となる、最大120Gb/sのデータ転送速度を実現する。
■Intel Core i7搭載Mac miniと比較した場合のM4 Pro搭載Mac miniの性能
- Microsoft Excelのスプレッドシートの計算が最大4倍高速
- Adobe Premiere Proでのシーン編集の検出の実行が最大9.4倍高速
- MacWhisperでのオンデバイスAI音声テキスト変換が最大20倍高速
- Oxford Nanopore MinKNOWでのDNA配列のベースコールの処理が最大26倍高速
■M2 Pro搭載Mac miniと比較した場合のM4 Pro搭載Mac miniの性能
- Logic Proプロジェクトで最大1.8倍のオーディオエフェクトプラグインを適用
- MotionでのRAMへのモーショングラフィックスのレンダリングが最大2倍高速
- Blenderでの3Dレンダリングの完了が最大2.9倍高速
アップグレードされた接続性とディスプレイのサポート
新しいMac miniは、様々な設定を実現するための豊富なポートを搭載している。前面のポートには、USB 3に対応した2つのUSB-Cポートとハイインピーダンスヘッドフォンに対応したオーディオジャックを備え、より便利にアクセスができる。背面には、M4搭載Mac miniではThunderbolt 4ポートを3つ、M4 Pro搭載Mac miniではThunderbolt 5ポートを3つ備えている。Mac miniは標準でギガビットEthernetを搭載し、最大10Gb Ethernetのより高速なネットワーク速度で構成できる。
また、アダプタなしでTVやHDMIディスプレイを簡単に接続するためのHDMIポートを備えている。M4を搭載したMac miniは、最大2台の6Kディスプレイと最大1台の5Kディスプレイに対応できるほか、M4 Proを搭載したMac miniは、60Hzで最大3台の6Kディスプレイ、合計で6,000万ピクセル以上に対応できるとしている。
MacでのApple Intelligenceの新しい時代
Apple Intelligenceは、AppleシリコンのパワーとNeural Engineを活用して、ユーザーがMacで仕事をしたり、連絡を取り合ったり、自分らしさを表現したりする新しい方法を可能にするという。Apple Intelligenceは、macOS Sequoia 15.1で提供され、英語（米国）で利用できる。システム全体で使える作文ツールにより、ユーザーは、ほとんどすべての文章を書く場面で、書き直し、校正、要約を通じて、言葉づかいに磨きをかけることができる。
新しく再設計されたSiriを使うと、ユーザーはリクエストの方法を声とテキストの間でスムーズに移行でき、一日を通してタスクをより速くこなせるようになるという
また、SiriはMacやその他のApple製品に関する何千もの質問に回答が可能。新しいApple Intelligenceの機能は12月に提供開始され、さらに多くの機能が今後数か月の間に提供開始されるという。
Image Playgroundは、楽しいオリジナルの画像を作り出す新たな方法をもたらし、ジェン文字ではカスタマイズした絵文字を瞬時に作成できる。Siriは、システム全体でアクションを実行し、ユーザーのパーソナルコンテクストを参照してユーザーに合わせたインテリジェンスを提供できるようになり、さらに有能になる。12月に、Siriと作文ツールにChatGPTが統合され、ユーザーはツール間を行き来しなくてもChatGPTの専門知識にアクセスできるようになる。
macOS Sequoiaでの比類のない体験
macOS Sequoiaは、ユーザーが自分のiPhone、アプリ、通知をMacから直接ワイヤレスで操作できるiPhoneミラーリングなど、多くの機能により、新しいMac miniの体験を完成させるという。ブラウザであるSafariでは、サイトから関連情報をすばやくピックアップするハイライト機能、目次と大まかな要約を表示できる、より賢く再設計されたリーダー、気をそらすものがない状態でビデオを視聴するための新しいビデオビューアが登場する。
「気をそらすものコントロール」により、ユーザーはブラウジングの妨げとなると感じるウェブページ上の項目を非表示にできる。パーソナライズされた空間オーディオなどの機能やゲームモードの進化、今後リリースされる「アサシンクリード シャドウズ」など幅広いエキサイティングなタイトルにより、ゲームが臨場感あふれるものになるという。
ウインドウのタイル表示がより簡単になるので、ユーザーは自分にとって最適なレイアウトで情報を整理できる。新しいパスワードアプリにより、パスワード、パスキー、その他の認証情報がすべて一か所に保存され、便利にアクセスできる。また、ユーザーは、様々なカラーグラデーションやシステムの壁紙など、新たな美しい内蔵の背景をビデオ通話に適用でき、自分の写真をアップロードすることもできるという。
