Blackmagic Designによると、ヒップホップグループ「BAD HOP」のミュージックビデオの撮影にBlackmagic Cinema Camera 6Kが使用されたという。同ミュージックビデオは、クリエイティブ集団GROUNDRIDDIM所属で、数々のアーティストのミュージックビデオを手掛けるSpikey John氏が監督し、上原晴也氏が撮影を担当した。

BAD HOPは川崎を拠点とする8人組ヒップホップグループ。「KAWASAKI SONG feat. DJ TY-KOH, Bark, T-Pablow, Benjazzy, JJJ, BIM&A-THUG」は、2024年2月にリリースした同グループのラストアルバムに含まれている楽曲。同楽曲のミュージックビデオは惜しまれながら解散したグループ最後のミュージックビデオで、まさに集大成ともいえる作品だという。

同作品の監督を務めたのは、ミュージシャンを中心にアーティスト、クリエイターが集まるクリエイティブ集団、GROUNDRIDDIMのSpikey John氏。10代の頃からミュージックビデオの制作を始め、数多くのヒップホップアーティストのビデオを監督しているほか、藤井風、BUMP OF CHICKENなど、メジャーアーティストからの信頼も厚いという。

Spikey氏は、次のようにコメントしている。

Spikey氏:高校で授業についていけなくて、似たような友達と授業サボって遊んでた頃がちょうどスマホが出たくらいのときで、暇だから映像でも撮って遊ぶかって始めたのが映像制作のきっかけです。

即興でストーリー作って、みんなで戦わせたり面白いことさせたりして、それを編集して同級生に見せて笑わせるっていうのが超楽しかったですね。

Spikey氏を支えるのはGROUNDRIDDIMのシネマトグラファー/フォトグラファーの上原晴也氏。人気アーティストのポートレートやミュージックビデオ、ブランドのプロモーション動画などの撮影を幅広く手掛ける。

上原氏:子どもの頃から写真をやっていて、Spikeyとは20歳の頃にたまたま知り合いのラッパー繋がりで出会ったんです。遊びの延長に仕事があったような感じで、撮影に誘われたりして手伝っていくうちにカメラを渡されて撮影するようになりました。

BAD HOPとは以前も仕事をしていたふたり。今回の「Kawasaki Song」はBAD HOPの最後のミュージックビデオということもありSpikey氏と上原氏にとっても印象深い仕事となったという。

Spikey氏:BAD HOPからは川崎のストリートで撮ってよ、とだけ言われて細かいすり合わせはなくて、難しい!と思いました。ストリートで自然な感じで撮るといったら、君たちだったらいけんじゃない?って感じで任せてくれたんだと思います。

上原氏:ドキュメンタリーみたいな感じで、いろんな川崎を撮りたいと思って8mmフィルムやMiniDVなど、いろいろなカメラを混ぜて使いました。そのなかでメインカメラは他のカメラとの差をつけたかったのでBlackmagicのフルセンサーカメラでいくことにしました。

上原氏は機動力やサイズなども考慮した上でBlackmagic Cinema Camera 6Kを採用したという。

上原氏:カメラワークでジンバルを使うことが多いので、機動力重視の撮影の場合は、Ronin Sにカメラが載るかどうかは重要です。

Blackmagic Cinema Camera 6Kは、モニターが大きくて明るさも上がって、さらにバリアングルなのでローアングルに入る時に(モニターが)上に向くから見やすかったですね。わざわざモニターをジンバルにつけなくても、カメラだけでいけるっていうのが1番使っていて良かったポイントです。

グレーディングはカラリストのBen Conkey氏が、DaVinci Resolve Studioで行った。

上原氏:カラリストに頼めるときはなるべく頼むようにしています。Benとは何度も一緒に仕事していますが、自分たちが想像していないルックを作ってくれることもよくあります。今回もお任せでやってもらって、そこから微調整していったんですが、最初からいい感じに仕上がっていました。

予算があまりないときはDaVinci Resolve Micro Panelを使って自分でグレーディングします。今回のミュージックビデオでは、撮影の際に使ったLUTは自分でDaVinci Resolveで作ってBlackmagic Cinema Camera 6Kにインポートして使いました。

最後に2人はBlackmagic Cinema Camera 6Kについて、次のようにコメントしている。

上原氏:Blackmagic Cinema Camera 6Kで撮った画はパンチがありますね。奥行きもありつつ、ワイドショットでもフラットじゃないところがラッパーやストリートを撮る時に相性がいいなと思いました。

Spikey氏:技術的な細かいところはわからないですけど、印象として画力が出るというか、ラッパーやミュージシャンがこうグッとくる感じがありますね。今後も使っていきたいです。