IMAGICA GROUP、キヤノンと共同実証実験を実施。高解像度かつ鮮明な8K 3D 360° VR映像コンテンツ「SPACE JOURNEY TO THE EARTH」を制作[InterBEE2024]メイン写真

IMAGICA GROUP(以下:同社)は、キヤノンと共同で、スペースバルーンをモンゴルの地上より成層圏(高度約25,000m)まで打ち上げ、高精細な8K 3D 360° VR映像を撮影する実証実験を実施した。撮影した映像データをもとに、同社グループは従来のVRコンテンツが持つ解像度を上回り、宇宙旅行を疑似体験できる「SPACE JOURNEY TO THE EARTH」を制作した。

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本プロジェクト実施の背景

同社グループでは、宇宙エンタテインメントの新たな可能性を実証する試みとして、これまでにモンゴル・バガヌール市、日本・愛媛県愛南町の2か所にてスペースバルーンを打ち上げる実証実験を実施。撮影データをもとに、8K 360° VRコンテンツを制作してきたが、宇宙から地球を眺める疑似体験VRコンテンツとして、さらに品質を引き上げる必要性があると感じていたという。

一方、キヤノンでは、かねてよりエンタテインメントや教育、観光など幅広い分野にて活用が拡がる実写VRコンテンツに着目し、「より効率的に、高画質なVR映像を制作したい」という映像クリエイターのニーズに応えるべく、EOS VR SYSTEMの開発に取り組んでいる。

本プロジェクトは、両社の目指す方向性が一致したことで実施に至り、同社グループが持つ“映像制作技術”とキヤノンが持つ“イメージング技術”の融合により、細部の解像感、色、ダイナミックレンジの広がりまで、飛躍的に画質・品質の高い撮影が実現できたという。

本プロジェクトの概要

実証実験のために特別設計した撮影専用リグの上に、キヤノン製のハイエンドなカメラとレンズ機材をスペースバルーンに取り付け、高度約25,000mの成層圏まで飛行させた。撮影は約2時間にわたり、パラシュートで地上に戻るまでの間、連続して行った。気圧や温度変化(約-50°)、風の影響によるカメラの回転など、様々な課題を事前検証によりクリアし、3Dかつ高解像度の長時間記録に成功した。

カメラ機材(※キヤノン提供)

  • CANON CINEMA EOS SYSTEM EOS R5C
  • CANON RF LENS RF5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYE
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撮影専用リグ(同社グループのフォトロン開発)

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8K 3D 360° VR映像コンテンツ「SPACE JOURNEY TO THE EARTH」と今後の展開

本プロジェクトで完成した8K 3D 360° VR映像コンテンツ「SPACE JOURNEY TO THE EARTH」では、視聴者が極寒のモンゴルの大地から朝日を浴びて空へ飛び立ち、モンゴル縦貫鉄道を下に見ながら真っ白な地平線を飛行し、25,000mの成層圏で白い地球を体験できる。雪の中の山や川などの細部がはっきりと視認できる、高解像度かつ鮮明な映像の本VRコンテンツは、VRゴーグルを通じて、子ども(12歳以上)から高齢の方まで、幅広い年齢層の方々まで視聴でできる。

MAGICA GROUPは、この実証実験で得たノウハウと知見、そしてMAGICA GROUPが持つ映像技術力を活かし、今後も、最先端技術を活用した実験および研究開発を継続し、次世代の映像制作技術の発展に貢献していくという。

なお、8K 3D 360° VR映像コンテンツ「SPACE JOURNEY TO THE EARTH」は、2024年11月13日(水)から15日(金)の期間、幕張メッセで開催される「Inter BEE 2024」のキヤノンブースにて、初お披露目の予定。

MAGICA GROUP体制

  • 統括:IMAGICA GROUP
  • 制作・演出:IMAGICA EEX
  • 撮影技術:コスモ・スペース
  • リグ開発:フォトロン
  • ポスプロ:IMAGICA エンタテインメントメディアサービス