カールツァイス株式会社は、35mmフルフレーム対応シネズームレンズシリーズ「ZEISSSupremeZoomRadiance(スプリームズームラディアンス)」(以下:SZR)を発表した。ラインナップは以下の通り。
- SZR15-30/2.9PL
- SZR28-80/2.9PL
- SZR70-200/2.9PL
- SZR3本セット
SZRは、既存のSupremePrimeRadiance(以下:SPR)と同様の「T*blue」コーティングが施され、柔らかいピントと温かみのある色調を特長とするラージフォーマット・シネズームシリーズで、焦点距離は15-30mm、28-80mm、70-200mmの3種、開放値はすべてT2.9で統一されている。SZRは先進的な光学設計によって高解像度を実現しつつ、昨今人気のあるK35やZEISSファーストなどのヴィンテージレンズとも違和感なくマッチし、感情や情緒を豊かに演出する映像表現に優れているとしている。
SZRの描写は、SPRと同様にピントの芯に柔らかさが宿る、やや温かみのある色調が特徴。ノーフィルターでも美しく、印象的な映像を紡ぐことができる。SPRと同様に、レンズ光軸に対して逆光が入ったときに、映像にアクセントを加えるブルーのフレアが現れる。一般的なヴィンテージレンズのフレアと異なり、T*blueコーティングが生み出すフレアは画面のコントラストや解像度を低下させることなく、映像は破綻しないという。そしてフレアの円弧の大きさは、ズーミング時に立体的に変化し、これまでになかった映像演出の手法として活用できるだろう。
SP/SPRを踏襲した高耐久、高精度のフォーカス機構と、新開発のズーム機構を搭載。フォーカス環は5分程度の簡単な作業で、フィートとメートル表記の入れ替えが可能。電子接点を介してeXtendedData(ズーム位置、フォーカス位置、実絞り値、ディストーション、シェーディング、水平画角、被写界深度、射出瞳位置、レンズ名、焦点距離、シリアル番号ほか)を出力。ハイエンド作品には欠かせない、VFX作業の効率化に寄与するとしている。
前枠径は3本共通して114mmで、SPやSPRとの併用を考慮して筐体は設計されており、SZRの絞り環、ズーム環の位置は、SP/SPRの絞り環、フォーカス環と同じ位置にある。PLマウント標準、オプションでLPLマウントに換装可能だ。