ライカカメラグループ(以下:ライカ)は、2023-2024年度決算(2023年4月~2024年3月)において再び過去最高の売上高を更新したことを発表した。
売上高は前年度(4億8,500万ユーロ)比で14%増の5億5,400万ユーロ。また、前年度に続いて営業利益の増加を達成すると同時に、前年度から目標としてきた成長をさらに推し進めることができる結果となったという。
2023-2024年度も、過去最高となった売上高を牽引した最大の要因は基幹の製品カテゴリーであるフォトグラフィー製品だという。フォトグラフィー製品では、先進的な製品開発ラインに加えてグループ固有のグローバルな販売ネットワークの継続的な拡大が大きく貢献。また、モバイルイメージング(スマートフォン)のカテゴリーでも売上高が大幅に増加した。
およそ100年に及ぶライカの歴史の中で最高の会計年度となったことは、新しい事業領域の成長と販売ネットワークの拡大に重点を置き、グループの戦略的整合性を確保できた成果だという。
ライカのCEOであるマティアス・ハーシュ氏は、次のようにコメントしている。
ハーシュ氏:"Made in Germany"を誇るライカの製品は、市場におけるプレミアムでサステナブルなブランド体験への需要の高まりに対応できる製品構成となっています。
2024-2025年度も引き続き、ライカブランドのさらなる強化と新しいターゲットグループへのアプローチを可能にする革新的な取り組みを推進していく予定です。ライカはすでに、ホームシアターに対するニーズの急速な高まりを受けて、きわめて革新的なレーザーおよびイメージング技術をベースとした製品を発売しています。
また、プロフェッショナルレベルのモバイルフォトグラフィーが実現できるiPhone専用アプリ「Leica LUX」も新たに投入しました。Leica LUXはモバイル分野におけるライカのデジタルエコシステムを拡大するとともに、モバイル分野において重要な事業領域を開拓する製品です。これにより、ライカの世界への第一歩が踏み出しやすくなるのです。
世界全地域で売上高が増加
2023-2024年度は世界全地域で売上高が増加した。最も増加率が大きかったのはアジアの25%で、2番目はドイツを除くヨーロッパの10%超。また、世界の主要都市(パリ、メキシコシティー、アムステルダム、ニューヨーク)に加え、ドイツ国内にも4店舗のライカストアを新規オープンし、戦略的に重要な市場においてライカグループの地位をさらに強化したという。
ドイツ国内での新規オープンについては、ハイデルベルクでは新設、ハンブルク、ベルリン、ミュンヘンでは既存のカメラ販売店の買収による。新規オープンの結果、ライカが現時点で世界に展開するモノブランドストアのネットワークは合計120店舗(ドイツ国内は12店舗)となった。
成功の原動力と革新的な新製品
売上高増加を牽引した最も大きな要因はフルサイズコンパクトデジタルカメラ「ライカQ3」だという。卓越した性能、シンプルな操作性、プレミアム感が漂うデザインは高評価を得ているという。
2023-2024年度に登場した革新的な新製品としては「ライカ M11-P」も挙げられるという。ライカM11-Pは、デジタル画像の真正性を担保する「コンテンツクレデンシャル」機能を世界で初めて搭載したデジタルカメラ。誕生から70年にわたってアイコニックな製品として世界中の写真家から高く評価され愛され続けているというライカMシステムには、モノクロ撮影専用の「ライカM11モノクローム」も新たにラインアップに加わった。
事業領域の拡大と製品ポートフォリオの拡充
ライカは2024-2025年度も引き続き事業領域の拡大を推進するという。1年ほど前にはスマートフォン用のアプリとアクセサリーの開発を手がけるノルウェーのフィヨルデン・エレクトラ社を買収し、iPhone専用アプリ「Leica LUX」を共同開発した。これにより、モバイル事業のさらなる強化を図った。ライカはすでにシャオミ社との提携も果たしており、同社のスマートフォンの最新機種「Xiaomi 15」シリーズにはライカの光学系が搭載されている。モバイル事業においては、これらと「Leica LUX」を戦略的開発プログラムの重要な柱と位置づけているという。
ライカI型 誕生100周年
2025年はライカI型の誕生100周年にあたる。1925年に発表された「ライカI」は、ライカ製品の歴史においてマイルストーン的な存在として知られているという。ライカが初めて大量生産した35mmカメラである同モデルにより、35mmカメラの時代が幕を開けたという。
ライカはこの節目の年を祝福する意味を込め、写真という芸術を振興する各種のイベントをウェッツラーにある本社ならびに世界各地に構える30のライカギャラリーにて開催する予定。