アドビは、After Effectsのアップデート「25.1」(2024年12月)を公開した。25.1リリースには、After Effectsの新機能、ワークフローの改善、重要な修正が提供される。
3Dレイヤー用の「ライトを受ける」スイッチ
3Dコンポジション内の3Dレイヤーで「ライトを受ける」をオフにすると、レイヤーがシーン内の光源の影響を受けなくなる。他の光源からの照明の変化、シャドウ、ハイライトの影響を受けずに、レイヤーの元のアピアランスを維持できるようになる。
「ライトを受ける」オプションをオフにすると、電話の画面やネオンライトなどの自己放射3Dオブジェクトを含む3Dコンポジションの操作の際に特に便利だ。
選択した3Dレイヤーの「ライトを受ける」オプションがオフになる。その結果、点灯したランプはコンポジション内の環境光の影響を受けない。
3Dモデルのプレビューサムネイル
GLBとOBJの3Dモデルをプロジェクトパネルにインポートしていずれかを選択すると、同じパネルのプロジェクトファイルのリストの上にモデルのサムネイルプレビューが表示される。これにより、インポートされた3Dモデルを迅速に識別および区別できるようになり、より効率的で組織化されたワークフローの実現に貢献できるとしている。
After EffectsのCinema 4D 2025アップグレード
Cinema 4D 2025 アップグレードでは、3Dオブジェクトの作成とアニメーション化の簡素化、アニメーションや効果を作成するための新しいツールなど、ワークフローを効率化し、クリエイティブな能力を高めるように設計された様々な新機能と機能強化が導入されている。Cinema 4D 2025を最新のAfter Effectsにアップグレードすると、Maxonの新機能と改善点を最大限に活用できる。
新しいテーマスクリプトフック
現在利用可能な使用中のテーマ設定にアクセスできるように設計された、新しいスクリプトフックを活用する。
スクリプトフック | 説明 |
getAppTheme | この関数は、現在のテーマの文字列を返す |
getUseReducedContrast | この関数は、ReducedContrastがオンかオフかを示すブール値を返す。このブール値は、アクセシブルなカラーコントラストの「表示方法」環境設定オプションの逆 |
getAllowedAppThemes | この関数はテーマ名の配列を返す |
getAllowedAppThemesを使用して、利用可能なすべてのテーマがプラグインでサポートされているかどうかを確認することを勧めている。次に、getAppThemeとgetUseReducedContrastを使用して、それに応じてUIを更新する。
その他のアップデート
- レイヤーにモーションブラーが適用されている場合、GPUで追加の32 bpc描画モードがサポートされる。この機能を使用すると、次の8つの描画モードの32 bpc描画にGPUを使用できるようになる。
- Mocha AEは最新バージョンのv11.5.2にアップデートされている。このバージョンには、OCIOカラーサポートなどの新機能や、GPUアクセラレーショントラッキングの精度向上などのパフォーマンス改善が含まれている。
- プロジェクト内のフォントをより効率的に管理できるよう、新しいスクリプトフックのセットが追加された。
テキストスクリプトフック | 説明 |
FontObject.hasGlyphsFor() | この関数は、フォントにcharString内のすべての文字のグリフがあるかどうかを確認する |
FontObject.otherFontsWithSameDict() | この関数は、指定されたフォントと同じフォント辞書を共有するFontオブジェクトインスタンスの配列を返す |
CharacterRange.pasteFrom() | この関数は、1つのCharacterRangeオブジェクトから別のCharacterRangeオブジェクトにテキストとスタイルをコピーする |
FontsObject.getCTScriptForString() | この関数は、範囲内の文字の数とそれらに割り当てられたCTScript列挙型を記述した一列の汎用オブジェクトを返す |
FontsObject.getDefaultFontForCTScript() | この関数は、CTScriptに基づくデフォルトフォントとしてマップされたフォントオブジェクトのインスタンスを返す |
FontsObject.setDefaultFontForCTScript() | この関数は、CTScriptパラメーターに基づいてマップされたフォントオブジェクトのインスタンスを設定する |
ヒント、チュートリアルなどについては、After Effectsスクリプティングガイドを参照のこと。
バージョン 25.1で修正された問題
- XMPの放送波時間参照フィールドが切り捨てられなくなり、開始メディアのタイムコード値が不正になる問題が解消された。
- After Effects Dynamic Linkは、プロジェクトのハードウェアアクセラレーションの環境設定に従うようになった。
- 書き出し時に3Dモデルがプレースホルダーに置き換えられなくなった。
- 幅4100ピクセルのMP4ファイルを書き出すと、4096ピクセルではなく4100ピクセルで正確に出力されるようになった。
- マウスの中央ボタンを使用してパネルを閉じると、他の場所をクリックしてもAfter Effectsがクラッシュしなくなった。
- いくつかのキーボードショートカットが新しくなり、より使いやすくなった。
- After Effectsでマルチフレーム以外のレンダリングエフェクトを使用したコンポジションを、より高速にレンダリングできるようになった。
- ダイアログは常にメインアプリケーションウィンドウと同じモニターで開かれるようになった。
- 特定の設定でシャッターエフェクトを使用しても、Appleシリコンマシンでクラッシュが発生しなくなった。