Blackmagic Designによると、TEDxGenovaのイベント「Terraformare(テラフォーミング)」の撮影、コントロール、書き出しに、Blackmagic Design製品を組み込んだライブプロダクション・ワークフローが使用されたという。同イベントでは、気候や社会的課題を多く抱える中で地球の住みやすさを改善するための方法が提案された。
イタリアの制作会社であるADP Eventsが同イベントの技術面を担ったが、TEDxの高い基準を満たしながら、初めての屋外イベントでのオーディオビジュアル面の課題に対処する必要があり、能力を試されたという。
ADP Eventsの創始者でありテクニカル・ディレクターを務めるアッティリオ・ディ・ピエトロ氏は、次のようにコメントしている。
ピエトロ氏:TEDxのイベントはその質の高さで知られており、もちろん弊社でも手を抜くつもりはありませんでした。
目標は、細部にいたるすべてを捉えることでした。
ピエトロ氏:Blackmagic Designの製品を選んだ理由は、コンテンツ制作のワークフローがTEDxのオーディオビジュアルの基準を満たしていたからです。低照明条件でのイメージングシステムの色の正確性、放送用カメラのデュアル出力、SMPTEファイバーの超低遅延は、プロ仕様の収録を行う上で欠かせませんでした。
同イベントは、5台のBlackmagic Design製のカメラで撮影された。SMPTEファイバーで接続され、B4ズームレンズとBlackmagic Studio Viewfinderを取り付けた2台のURSA Broadcast G2カメラがステージ正面に配置され、広角とクローズアップの両方を撮影した。
これに加え、2台のBlackmagic Micro Studio Camera 4K G2がステージの左右に設置された。また、高い視点からのショット用に、追加のユニットが1台頭上に配置された。
ピエトロ氏:Blackmagic Micro Studio Cameraはコンパクトなので、大きなリグが入らない場所に設置できる点で特に役立ちました。クリエイティブなアングルを得られました。
同イベントのために特設されたPPU(周辺処理装置)ソリューションがコントロール・ギャラリーの中核となり、ATEM Constellation 8KライブプロダクションスイッチャーとATEM 2 M/E Advanced Panelで映像の切り替えが行われた。Blackmagic Videohub 40×40 12Gルーターは、ファイバーとそれ以外で接続されたカメラ両方の信号の管理と分配を行った。
ピエトロ氏:複数のカメラでHDモニタリングを行い、レイアウトはカスタマイズ可能だったので、ディレクターは話の内容を伝えることに専念し、その他のスタッフは技術面に集中できました。
同社は、各カメラの個別収録とライブ配信用のカット映像にHyperDeck Studio 4K Pro放送デッキを使用した。また、HyperDeck Studio HD Miniが、プログラム出力のバックアップ・レコーダーとして使用された。ATEM Mini Extremeライブプロダクションスイッチャーが、リアルタイムで複数のメディアを取り仕切り、PowerPointとビデオを現場のディスプレイとライブストリームに統合した。
各プレゼンテーションは、TEDxのアーカイブ用基準に従い、それぞれ1080p25で収録された。プレゼンテーションは生収録され、TEDxのYouTubeチャンネル用に後日編集が行われた。