Blackmagic Design導入事例:「Helmut Lang Resort 2025キャンペーン」の場合

Blackmagic Designによると、高級衣料品ブランドHelmut LangのResort 2025キャンペーンが、写真家であり、ディレクターであるフィリップ・ポーラス氏により、Blackmagic PYXIS 6Kデジタルフィルムカメラで撮影されたという。

ニューヨーク市のリバーサイドドライブとその近辺の公園からインスピレーションを受けた同キャンペーンは、アッパーウェストサイドの活気ある路上で撮影された。同コレクションは34の異なるルックから成り、同氏は主要なルックを組み合わせた45秒の映像3本と、各ルックを収めた15秒のクリップ1本の作成を依頼されていた。

ポーラス氏は、次のようにコメントしている。

ポーラス氏:フレーミングで柔軟性が得られるので、このプロジェクトではPYXISは特に役立ちました。完全にリグ組みした状態で、縦横両方の方向でシームレスに撮影できました。

ニューヨーク市の路上で撮影を行い、環境に応じて、異なる納品要件に対応するために、特定のシーンでは両方のフォーマットが必要でした。リグ組みしやすいボックス型の設計なので、リグを変更せずに、単にPYXISを横に倒すだけで縦長のショットを撮影できます。

Blackmagic Design導入事例:「Helmut Lang Resort 2025キャンペーン」の場合

ポーラス氏:Blackmagic RAWで、6048×4032の23.976fpsで撮影しました。オープンゲート3:2のアスペクトレシオは、写真用フォーマットの感覚があるので気に入っています。また、横向きのフッテージを3:2のアスペクトレシオの縦向きに簡単に変更できます。

フルフレームセンサーで撮影を始めてから、これまでの撮影方法に戻りたいと思ったことはありません。クリーミーで、シネマライクなボケが得られる浅い被写界深度を気に入っています。また、低照明条件での性能が優れているので、ノイズの少ないクリーンな画像が得られ、ほぼすべてのプロジェクトで活用しています。

PYXIS 6Kのボックス型のデザインのおかげで、カメラのリグ組みが非常に簡単に行えると、同氏は説明する。

ポーラス氏:チーズプレートをカメラの両側に付け、Easyrigに縦または横方向にリグ組みできるようにしています。マットボックス、フォローフォーカス、バッテリープレート、ワイヤレストランスミッターのすべてを取り付けても、PYXISのフォームファクターはとても扱いやすく、バックパックに入れて、どこでも持っていけます。

撮影前のロケハンでは、同氏はBlackmagic Cinema Camera 6Kデジタルフィルムカメラを使用した。同カメラはキャンペーンのBロールの撮影にも使われただけでなく、メインの制作でスチルの撮影にも使用されたという。

Blackmagic Design導入事例:「Helmut Lang Resort 2025キャンペーン」の場合

ポーラス氏:メインの制作では完全にリグ組みしたPYXISにBlackmagic Video Assist 7" 12G HDRを取り付けて撮影しました。Video Assistは非常に高輝度で、明るいロケ先での撮影に欠かせませんでした。

さらに、URSA Cine EVFも使用しました。これは、精細なフレーミングが要求される条件で非常に役立つだけでなく、便利な機能と録画ボタンを追加できます。

ポストプロダクションでは、DaVinci Resolve Studioで編集とグレーディングを行いました。DaVinci Resolve Speed Editorでは、フッテージのチェックと選択を極めてすばやく実行でき、DaVinci Resolve Micro Panelでは、マウスでは難しい微妙な調整が行えました。デイリーでカラーの簡単な調整を行う際に使えるように、常に現場に持ち込んでいます。

ポストプロダクションで、同氏はDaVinci Resolve StudioのUltraNRノイズ除去を夜明けに撮影されたいくつかのショットに使用したという。これは、カラーページの空間的ノイズ除去パレットに搭載されたDaVinci Neural Engineによるデノイズモードだ。

ポーラス氏:ハイエンドのノイズ除去ツールで、これまで使用したどのノイズ除去ツールよりも優れた、期待する通りの結果が得られました。イメージは鮮明なままで、色は影響を受けず、単純にノイズが低減されました。

Resolveの「フィルムルック・クリエイター」に関して非常に興味がありました。最終的なカラーは、私の通常のカラーと、私が気に入った「フィルムルック・クリエイター」のルックの一つを適用する追加ノードをブレンドしたものとなりました。

この撮影では、Blackmagic Cinema Camera 6Kでスチルを撮影し、PYXIS 6Kで動画を収録した点で他とは異なっていました。しかし、ポストプロダクションにおいて、Resolveでスチルと動画を簡単にマッチさせ、カラーコレクションと空気感を一致させることができました。

これまでにPYXISを多数のプロジェクトに使用しました。その中には、イタリアのファッションブランド、アルマーニが25年春夏コレクションのためにニューヨークに戻ってきたことをハイライトしたファッションフィルム、Peter Doのパリでの25年春夏ショー、デンマークのブランドSamsøe Samsøeのために制作したファッションフィルムも含まれます。どんな条件でも難なくこなし、本当に柔軟性に優れています。

Blackmagic Design導入事例:「Helmut Lang Resort 2025キャンペーン」の場合