EIZO、カラーマネージ メント液晶モニター「ColorEdge CG3100X」発売。HDR映像の制作に対応した30.5型4Kモニター

EIZO株式会社は、カラーマネージメント液晶モニター「ColorEdge CG3100X」を2025年8月25日に発売する。価格はオープン価格で、EIZOダイレクト販売価格は税込695,200円。

概要

ColorEdge CG3100X(以下:CG3100X)は、映像制作用のHDR表示に対応した30.5型大画面、DCI 4K(4096×2160)の高解像度を持ち、映像制作をはじめ、プロフォトやデザイン、印刷、3DCG制作などあらゆるクリエイティブワークに適したプロフェッショナルモデルだ。前機種ColorEdge CG319X(以下:CG319X)に対し、表示性能と利便性が向上したという。

表示性能はCG319Xと比較し、輝度は350cd/m2から500cd/m2へ、コントラスト比は1500:1から1800:1へと向上した。これにより明暗部が混在するHDR映像の制作時も、より実際に近い表示でプレビューが可能。また、CG319Xを踏襲し、映画や放送の国際規格に準じる専用カラーモードを標準搭載しており、幅広いコンテンツの制作用モニターとして活用できるとしている。

さらに、USB Type-C入力端子を新たに搭載。ノートPCとUSB Type-Cで接続することで、画面表示、USB信号の伝送のみならず、PCへの94W給電、有線LAN接続を実現した。MacBook ProなどのハイエンドノートPCでの制作時も、モニターをドッキングステーション代わりに利用でき、クリエイターの利便性を大幅に向上させるという。

その他、クリエイターに求められる正確な色表示を実現する各種性能は、現行機種を踏襲している。キャリブレーションセンサーを筐体に内蔵することで色管理を自動化。広色域表示や滑らかな階調表現を実現し、画面の表示ムラ補正機能などを搭載している。

主な特長

前機種からの進化ポイント

  • 500cd/m2の高輝度、1800:1の高コントラスト比
  • FRLの伝送モードに対応【映像制作向け】
    HDMI信号の伝送モードFRL(Fixed Rate Link)に対応。HDMI接続時、4K解像度かつ12-bit入力に対応し、高解像度でより滑らかな階調の映像を表示できる。また、FRLに対応したウルトラハイスピードHDMIケーブルが標準で同梱される。
  • ケーブル1本の接続で、モニターをドッキングステーションのように活用
    付属のUSB Type-Cケーブル1本のシンプルな接続で、画面表示、USB信号の伝送、PCへの給電、安定した有線LAN接続を実現。
    CG3100Xは、同社モニターにおいて最大となる94Wの給電に対応している。MacBook ProなどのハイエンドノートPCを用いた高負荷がかかる作業時でも給電が可能。
    また、有線LANポートを新規に搭載。有線LANポートを搭載しないノートPCやタブレット機器でも、モニターを有線LAN接続しておくことで安定したインターネット環境を利用でき、Wi-Fi(無線LAN)では時間のかかる大容量のデータの送受信も快適だという。
    筐体側面には4つのUSBポートが使いやすく配置。近年のUSBポートの少ないノートPCとの接続時に便利としている。
EIZO、カラーマネージ メント液晶モニター「ColorEdge CG3100X」発売。HDR映像の制作に対応した30.5型4Kモニター
  • ヘッドホン端子を搭載
    ヘッドホン端子を新たに搭載。手持ちのヘッドホンと接続することで、制作時に周囲を気にすることなく、音声を確認できる。
  • 設定ミスによる制作業務の手戻りを防ぐPixel Inspection機能を搭載【映像制作向け】
    モニター画面上で指定した座標における入力データの色情報を取得できる機能を搭載。モニター前面のスイッチ操作で実行できるため、作業をしながら簡単に色情報を取得できる。
  • 筐体デザインを一新
    センサーを筐体に内蔵しながら、ノイズレスなデザインを実現。標準で付属する遮光フードも筐体デザインにマッチしたシンプルな構造に一新されたという。また、PCへの給電やモニターの高輝度表示時の放熱対策として、筐体背面にデザイン性にも優れるパンチングメタルを採用し、内部にファンを搭載。消音設計のファンにより、モニターから発する音は約20dbと極めて小さく、制作を妨げない。
  • 環境に配慮した製品づくり
    製品の外装に再生プラスチック材を使用。その使用率はEIZOモニターにおいて高水準の85%としている。使用済みプラスチックをリサイクルした再生プラスチックを活用することで、廃棄プラスチックの削減に貢献し、限りある資源の有効活用、資源循環を推進するという。さらに製品を保護する梱包材に段ボールや新聞紙をリサイクルしたパルプ緩衝材を採用。ケーブルも、ビニール袋の代わりに紙で保護するなど、脱プラスチックも推進。

前機種を踏襲する特長

  • HLG方式とPQ方式、両方のHDR特有のガンマ(EOTF)に対応【映像制作向け】
  • 30.5型の広い画面スペースに、DCI 4K解像度
    デジタルシネマ規格であるDCI 4K解像度4096×2160に対応。フルHDの4倍を超える大画面で、4K映像はもちろん、フルHD解像度のコンテンツを複数並べて確認作業が行える。
EIZO、カラーマネージ メント液晶モニター「ColorEdge CG3100X」発売。HDR映像の制作に対応した30.5型4Kモニター
  • 広色域表示かつDCI-P3、BT.2020を含む映像制作専用カラーモードを搭載
    デジタルシネマ規格である「DCI-P3」の色域を99%カバーする広色域表示を実現。4K/8K放送の色基準となる「BT.2020」に準拠したカラーモードも搭載している。フォト向けにはAdobe RGBも97%カバーしており、sRGB相当の一般的なモニターでは再現しきれない、鮮やかな青空や新緑の色を忠実に再現できる。
    カラーモードはモニター前面のボタンから簡単に切替えでき、用途や制作プロジェクトに応じた色管理を手間なく行える。
EIZO、カラーマネージ メント液晶モニター「ColorEdge CG3100X」発売。HDR映像の制作に対応した30.5型4Kモニター
  • DCI 4K/60p入力に対応【映像制作向け】
    USB Type-C端子に加え、DCI 4K/60p入力に対応したHDMI端子、DisplayPort端子を各1系統搭載。HDMI入力は50/60pで4:4:4 12-bitまで、DisplayPort入力は50/60pで4:4:4 10-bitまで対応している。
  • 測定精度の高いキャリブレーションセンサーを内蔵し、手間なく正確に表示を調整できる。
  • ズーム機能や色域外警告機能、輝度警告機能など映像制作専用機能を搭載。

イベント情報

CG3100Xは以下の世界の映像制作向けイベントで順次展示される予定だという。

  • The Media Production & Technology Show(イギリス ロンドン)
    会期:2025年5月14日~15日
  • 第10回 関西放送機器展
    会期:2025年7月2日(水)~3日(木)
    会場:大阪南港ATCホール
  • IBC 2025(オランダ アムステルダム)
    会期:2025年9月12日~15日
  • Inter BEE 2025
    会期:2025年11月19日(水)~21日(金)
    会場:幕張メッセ