Appleは、macOSの次期メジャーリリースであるmacOS Tahoe 26のプレビューを発表した。

同OSの機能はすべて、本日よりApple Developer Programを通じてテスト用に提供される。パブリックベータ版は来月、beta.apple.com/jaでApple Beta Software Programを通じて提供される予定である。このリリースは、この秋に無料のソフトウェアアップデートとして提供される。

このOSは、美しい新たなデザインと、ユーザーがより多くのことをできるようにするパワフルな機能を導入する。新しいデザインにより、macOSの象徴的な要素はより表現豊かに、楽しく、パーソナルなものになる一方で、デスクトップ、Dock、アプリ内のナビゲーション、ツールバーなど、従来の親しみやすさは保たれる。

ユーザーは、アップデートされたコントロールセンターや、フォルダ、アプリアイコン、ウィジェットのための新しいカラーオプションで、体験をさらにパーソナライズできる。

電話アプリがMacに登場することで連係はさらに進化し、ユーザーは、履歴、連絡先、留守番電話のほか、通話スクリーニングや保留アシストなどの新機能を含め、iPhoneでの使い慣れた機能にアクセスできる。また、iPhoneのライブアクティビティにより、搭乗予定のフライトなど、リアルタイムで起きていることをMacで把握できる。Spotlightでは、これまでのアップデートで最大規模の変更が行われ、Eメールの送信やメモの作成など、何百ものアクションを直接実行できるようになるほか、全く新しいブラウジング体験を活用して、より迅速にコンテンツにアクセスできる。

Apple Intelligenceは、あらゆる段階でプライバシーを保護しながら、Macの体験をさらなる高みに引き上げるパワフルな新機能で拡張される。ライブ翻訳は、テキストと音声を翻訳して、複数の言語間でのコミュニケーションを容易にする。ジェン文字とImage Playgroundは、創造性を広げる新たなオプションを提供する。

ショートカットは、賢いアクションと、Apple Intelligenceのモデルを直接活用できる機能によって、複雑なタスクを自動化できるようになり、これまで以上にパワフルになる。

Appleのソフトウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントであるクレイグ・フェデリギ氏は次のようにコメントしている。

macOSは、Macの中核をなすものです。Tahoeによって、私たちはユーザーに最も愛されているものをさらに進化させます。パワーユーザーでも、Macを使い始めたばかりの人でも、生産性を加速させ、MacとiPhoneの間での作業をこれまで以上にシームレスにするさらに多くの機能を搭載しているので、あらゆる人にとって気に入るものがあるはずです。美しい新たなデザインと、驚くような連係体験、Spotlightのパワフルな機能強化、より賢くなったショートカット、Apple Intelligenceのアップデートにより、Macの体験がかつてないほど素晴らしいものになります。

    テキスト
新しいデザインでは、Macをパーソナライズするより多くの方法が提供される
※画像をクリックして拡大

美しい新たなデザイン

macOS Tahoe 26の新しいデザインは、Macの体験を向上させつつ、macOSの親しみやすさを維持する。半透明の新しい素材であるLiquid Glassで構築されており、周囲の光を反射したり屈折させたりする。Dock、サイドバー、ツールバーはより洗練され、ユーザーのコンテンツへの注目をさらに高める。メニューバーは完全に透明になり、ディスプレイがより広く感じられる。

メニューバーとコントロールセンターに表示するコントロールやレイアウトをカスタマイズする方法が追加され、Macのさらなるパーソナライズが可能になる。ライトまたはダークの外観、カラフルな新しいライトおよびダークの色合い、優雅で新しいクリアな見た目により、アプリアイコンは生き生きと表示される。

ユーザーは、フォルダの色を変更したり、記号や絵文字を追加したりして、フォルダに個性を与えることもできる。また、パーソナライズされた壁紙とテーマカラーを組み合わせることで、Macをユーザーのスタイルに自然に溶け込ませることがこれまで以上に容易になる。

    テキスト
新しいデザインはmacOSの象徴的な要素をさらに上のレベルに引き上げ、斬新さを感じさせながらも、Macらしさを保っている。Macをロック解除した瞬間から、デスクトップにすぐに親しめる
※画像をクリックして拡大

電話アプリとライブアクティビティによる新しい連係体験

連係によって電話アプリがMacで利用できるようになり、ユーザーは近くにあるiPhoneから携帯電話への通話をつなげられる。Macの電話アプリは、履歴、よく使う項目、留守番電話といったiPhoneの電話アプリの使い慣れた機能を備え、最新アップデートに含まれる通話スクリーニングや保留アシストなども利用できる。通話スクリーニングは、不明な番号からかかってきた電話に自動的に対応し、ユーザーが電話に出るかどうかを判断できるよう、発信者から情報を聞き出す。また、ユーザーが保留で待たされている時には、保留アシストを使うと、担当者につながるまで順番を維持しながら待つことができ、ユーザーはMacで作業を続けることができる。

    テキスト
Macの新しい電話アプリで、ユーザーはiPhoneと同期された履歴、連絡先、留守番電話などの使い慣れたコンテンツに便利にアクセスでき、クリック1つで電話をかけることもできる※画像をクリックして拡大

近くにあるユーザーのiPhoneのライブアクティビティがMacのメニューバーに表示されるようになるため、ユーザーは乗車予定のUberや搭乗予定のフライト、スポーツの試合経過など、リアルタイムで起きていることを把握できる。ライブアクティビティをクリックすると、iPhoneミラーリングでアプリが開き詳しい情報が表示されるため、ユーザーはMacから直接アクションを実行できる。

iPhoneのライブアクティビティがMacのメニューバーに表示され、ユーザーがクリックすると、iPhoneミラーリングでアプリが開き、より詳しい情報が表示される

Spotlightの過去最大のアップデート

Macで検索を行う中心的な場所であるSpotlightでは、ユーザーが探しているものがこれまで以上に見つけやすくなるほか、アクションを実行するための新しい方法が提供される。検索時には、ファイル、フォルダ、イベント、アプリ、メッセージなどの結果がすべて一緒に表示され、ユーザーとの関連度に応じて賢くランク付けされる。新しいフィルタリングオプションは、PDFやメールのメッセージなど、ユーザーが探しているものを的確に迅速に絞り込むことができる。また、Spotlightは他社のクラウドドライブ上に保存されている書類も結果に表示できる。さらに、探しているものが正確にわからない場合は、Spotlightの新しいブラウズ表示を使うと、アプリ、ファイル、クリップボードの履歴などを簡単に確認できる。

iPhoneミラーリングにより、iPhoneのアプリを含めた、ユーザーのすべてのアプリがSpotlightに表示され る

ユーザーは、Eメールの送信やメモの作成、ポッドキャストの再生などの何百ものアクションを、アプリ間を行き来することなく、Spotlightから直接実行できる

ユーザーは、Eメールの送信やメモの作成、ポッドキャストの再生などの何百ものアクションを、アプリ間を行き来することなく、Spotlightから直接実行できる。どのアプリもApp Intents APIを使ってSpotlightにアクションを提供できるため、ユーザーはApple製アプリとデベロッパが開発したアプリのどちらのアクションも実行できる。また、キーボードから手を離すことなく、ショートカットを実行したり、作業中のアプリのメニューバーからアクションを実行したりすることもできる。Spotlightはシステム全体でユーザーの習慣を学習し、日常的に話している同僚にメッセージを送信するなど、パーソナライズされたアクションを提案する。また、Spotlightには、ユーザーが探しているアクションを見つけるための短い文字列であるクイックキーも導入される。

ユーザーは使用中のアプリのメニューバーにあるアイテムをSpotlightで検索できる

Spotlightには、ユーザーが探しているアクションを見つけるための短い文字列であるクイックキーが導入される

Apple Intelligenceのパワーを活用した、全く新しい機能

ユーザーにとって有用で関連性の高いインテリジェンスを提供するパーソナルインテリジェンスシステムのApple Intelligenceが、あらゆる段階でユーザーのプライバシーを保護しながら、さらに有能になった。

ライブ翻訳による、言語の壁を越えたシームレスなコミュニケーション: メッセージアプリでは、ライブ翻訳がメッセージを自動的に翻訳するため、海外旅行中に新しく知り合った友人と計画を立てている時も、ユーザーがメッセージを入力すれば翻訳され、相手が希望する言語で送信できる。返信を受け取った時も、それぞれのテキストはすぐに翻訳される。FaceTimeでは、話し手の声を聞きながら、翻訳されたライブキャプションによって会話についていくことができる。また、電話アプリで通話している時は、ユーザーが話すのと同時にその言葉が翻訳されて相手に伝わる。この機能は、すべてデバイス上で動作するAppleが構築したモデルによって実現されるため、会話のプライバシーが保たれる。

ショートカットがさらに賢く: 全く新しいレベルのインテリジェントなアクションにより、ユーザーは作文ツールによるテキストの要約やImage Playgroundによる画像の作成など、これまで以上にパワフルなショートカットを作成できる。また、ユーザーはデバイス上、もしくはプライベートクラウドコンピューティングによって、Apple Intelligenceのモデルを直接利用することで、情報のプライバシーを保ちながら、ほかのショートカットに送るレスポンスを生成できるようになる。例えば学生であれば、Apple Intelligenceのモデルを利用して授業の音声の文字起こしと自身がとったノートの内容を比較し、書き取れていない重要項目があれば追加する、というショートカットを作成できる。また、幅広く世界中の知見や専門知識を求めて、ChatGPTの利用を選択することもできる。さらに、ユーザーが1日の特定の時間や、フォルダにファイルを保存する、ディスプレイに接続するといった特定のアクションを実行する時に、macOS上で自動的にショートカットを実行できるようになる。

ジェン文字とImage Playgroundのアップデート: macOS Tahoe 26は、ジェン文字を作成する新しい方法をユーザーにもたらす。ユーザーは既存の絵文字や説明から開始したり、髪の長さやアクセサリなどの個人的属性を変更したり、その瞬間にもとづいて表情を選んだりできるようになる。また、Image Playgroundでは、ユーザーは個人的属性や表情をさらに細かくコントロールすることもでき、ChatGPTによって油絵風やベクターアートなどの全く新しいスタイルを利用できる。具体的なアイデアが浮かんだら、ユーザーは「任意のスタイル」をタップして自身の希望を正確に説明できる。

リマインダーで生産性を向上: Apple Intelligenceは、Mac上のEメール、ウェブサイト、メモ、その他のコンテンツを確認して、最も関連性の高いアクションアイテムを見つけることができる。また、ユーザーはApple Intelligenceを使って、リマインダーをより管理しやすいように自動的にセクション別に分類することもできる。

    テキスト
FaceTimeのライブ翻訳を使うと、ユーザーは相手の声を聞きながら翻訳されたライブキャプションによって会話についていくことができ、言語の壁を越えたコミュニケーションを行うことが可能となる
※画像をクリックして拡大

新しいApple Gamesアプリ、ゲームオーバーレイ、そしてさらなるタイトル

macOS Tahoe 26は、すべてのゲームの拠点となる専用アプリ、Apple Gamesをプレイヤーに提供する。これにより、お気に入りのゲームに素早く戻ったり、自身にぴったりの新しいゲームを見つけたり、全く新しい方法で友人とプレイしたりすることが容易になる。新しいゲームオーバーレイでは、プレイヤーがゲームを離れることなく、便利にシステム設定を調整したり、友人とチャットしたり、友人をゲームに招待したりできる。低電力モードをオンにすることで、ゲームのセッションを延長し、バッテリー駆動中のプレイ時間を最大化することも可能となる。デベロッパ向けには、macOS Tahoe 26で、MetalFX Frame InterpolationやMetalFX Denoisingなど、さらに先進的なグラフィックスと次世代のレンダリングテクノロジーをゲームで利用できるMetal 4が導入され、より滑らかなビジュアルと、より高速なフレームレートが実現できる。

    テキスト
新しいApple Gamesアプリは、すべてのゲームを一か所にまとめ、友人たちとプレイする場をプレイヤーに提供する
※画像をクリックして拡大

これらの機能強化に加え、デベロッパは近日公開予定の「紅の砂漠」や「InZOI」などのタイトルを含むエキサイティングな新作ゲームをMacのために提供し続けている。どちらのゲームも、MetalFX Upscalingなどのパワフルなソフトウェアテクノロジーを活用してパフォーマンスを高めながら、高品質なビジュアルを実現し、M3およびM4チップファミリーのレイトレーシングを活かして、画期的な体験を生み出している。発売予定のタイトルには「Cyberpunk 2077」や「Cronos: The New Dawn」「Architect: Land of Exiles」「Lies of P: Overture」「HITMAN World of Assassination」「EVE Frontier」「Where Winds Meet」などが挙げられる。

ゲームオーバーレイでは、プレイヤーがゲームを離れることなく、便利にシステム設定を調整したり、友人とチャットしたり、友人をゲームに招待したりできる

macOS Tahoe 26のその他の機能

世界最速のブラウザであるSafariは、新鮮かつ親しみのある体験を提供する。ツールバーに浮かぶように表示される丸みを帯びたタブデザインが採用され、刷新されたサイドバーにはiCloudタブや保存済みといったユーザーが保存したコンテンツが見つけやすくなる新しいセクションが追加される。Chromeと比較して、Safariではよく訪問するウェブサイトの読み込みは50パーセント高速であり、ビデオのストリーミング時のバッテリー駆動時間は最大4時間長くなる。また、ブラウジング時のトラッカーからの保護を強化するため、Safariでは先進的な指紋保護をあらゆるブラウジングにおいてデフォルトで提供する。

メッセージアプリでは、背景と投票が導入され、再設計された詳細表示によって会話内で共有されたものをユーザーが確認しやすくなる。また、グループでのタイピングインジケータによって誰が会話に参加するかを参加者が知ることができるようになるほか、グループチャットから新しい連絡先を簡単に追加したり、より自然な言葉づかいで検索したりできるようになる。

ジャーナルがMacに登場し、日々の瞬間や大切な出来事を、インスピレーションが沸いた瞬間に書き留めることができる。Macでは、よく考えた長いエントリでもタイプ入力しやすく、マップに表示することも可能である。ユーザーは生活の様々な側面に応じて複数のジャーナルをつけることができ、それらはすべてApple製デバイス間で同期される。

写真アプリはデザインがアップデートされ、美しいLiquid Glassの要素が採用されているほか、カスタマイズ性が向上し、ワークフローが効率化され、iPadOSとのサイドバーの一貫性が高まった。「ピンで固定したコレクション」がMacで利用できるようになるため、ユーザーはサイドバー上で1回クリックするだけで、最もよく使うコレクションにアクセスできる。また、フィルタリングと分類のオプションに素早くアクセスする新しいボタンをすべての表示で見つけられるほか、コレクションタイルのサイズをカスタマイズできるようになるため、ライブラリを好みに合わせて表示できる。

FaceTimeでは、最近通話した相手の美しい連絡先ポスターが、再設計されたライディングページに表示されるようになったほか、Liquid Glassのコントロールが画面右下に浮かんで溶け込むように表示されてスペースが広がる。また、新しい「その他」ボタンでSharePlayやライブ翻訳などの機能に素早くアクセスできる。

メモアプリには、メモのマークダウンファイルへの読み込み機能と書き出し機能が追加されるほか、電話アプリでの会話を文字起こし付きで音声録音として記録する機能に対応する。

アクセシビリティ機能にはMacのための拡大鏡が追加され、視覚に障がいがあるユーザーがiPhoneの連係カメラまたは接続されたUSBカメラを使って周囲を拡大表示し、画像フィルタを適用することでものを見たり読んだりしやすくなる。さらに、プレゼンテーションや本を斜めから見ている場合は視点を変えることもできる。そのほかにも、アクセシビリティを念頭に設計された、システム全体にわたるリーディングモードであるアクセシビリティリーダーや、点字ディスプレイに接続しているユーザーに使いやすいインターフェイスを提供する全く新しい点字アクセス体験、乗り物での移動中に乗り物酔いを軽減するのに役立つ車両モーションキューなどが追加される。

パスワードアプリでは、ユーザーはアカウントに加えた変更を簡単に確認することができ、保存されている以前のバージョンのパスワードや、変更時の詳細情報を確認できる。

    テキスト
Safariでは、ツールバーに浮かぶように表示される丸みを帯びたタブデザインや、刷新されたサイドバーが採用され、新鮮でありながら親しみのある体験を提供する
※画像をクリックして拡大