2560616_HIBINO-STATS-MAGIC_top

ヒビノ株式会社は、スポーツイベントの映像演出による体験価値向上を目的として自社開発した映像送出システム「HIBINO STATS MAGIC」の本格提供を6月より開始する。

同システムは、スポーツデータ、演出映像、広告といったあらゆるデータを取り込み、それらを抽出・組み合わせて大型LEDビジョンなどの映像表示装置への送出が可能で、迅速かつ正確でグラフィカルな演出を実現する。

ダイナミックな映像と情報の充実により、観客の競技への理解と興奮を高め、観戦体験価値の向上を目指すという。各種スポーツに精通したスタッフが、顧客の演出イメージをもとに大型LEDビジョンやバナーLEDビジョンのレンタル・設置・オペレートから表示コンテンツまで一貫して提案するとしている。

開発背景

同社ヒビノビジュアル Div.は、ドームやアリーナ等で行われる大規模コンサートを中心に展示会や企業イベント等多様なフィールドへ大型映像システムの企画から機材のレンタル、オペレーションを一貫して提供している。豊富な最新鋭の機材と高度な運用技術を強みに、スポーツイベントにおいても専門チームの設置やスポーツに適した専用映像機材の開発に取り組み、日本のスポーツイベントのエンターテインメント化に注力している。

スポーツイベント市場は、近年、新しいプロリーグの設立や新設スタジアム・アリーナの整備が進み、今後もさらなる拡大が期待される。これに伴い、イベント主催者や各スポーツ団体は、観客の満足度向上とさらなる観客動員の増加を目指し、演出やハーフタイムショーにエンターテインメント要素を取り入れるなど新たな観戦体験を提供する取り組みを強化している。

同社は、競技・演出・広告をキーポイントに、大型映像により会場で観戦するスポーツの魅力の最大化を推進する中で、観戦の熱狂をさらに高めるためには、刻々と変化する競技状況に応じて、より幅広い情報をより迅速に正確性高く提供することが不可欠であると強く感じていた。そこで、競技団体や各競技の公式データを取り扱う各種企業の協力を得ながらシステムを開発し、実際の現場での試用と改善を重ねてきた。

スポーツイベント向け映像送出システム「HIBINO STATS MAGIC」の特徴

競技情報・演出・広告といったあらゆるデータを迅速・正確に表示

「HIBINO STATS MAGIC」は、スポーツデータを演出映像・広告等の異なるデータ形式のコンテンツと一括管理することが可能だ。機材も人員もコンパクトな体制で競技進行に合わせたタイムリーなオペレーションを実現し、観客の競技の理解や興奮を高める。

スポーツデータはリーグや協会ごとに異なるフォーマットで計測・管理されており、従来、大型映像装置に表示する際は個別の送出システムで管理する必要があった。同システムは多様なスポーツデータを映像送出に適したフォーマットに自動変換することで送出システムの統合を実現する。

分かりやすく魅力的な情報表示を競技ごとにカスタマイズ

選手情報や競技結果、顔写真、ロゴ、アニメーション、グラフなどの多様な要素を瞬時に組み合わせて競技展開に即して大型映像装置に送出する。デザインは、各種競技の特性を十分に考慮した直感的で分かりやすい設計かつ、その競技やチームの特色を一層際立たせるものを提案する。初観戦の方にも分かりやすく、コアファンにはより深い理解をサポートし、観客の満足度と会場の一体感を高め、スポーツイベントの魅力を最大化させる。

2560616_HIBINO-STATS-MAGIC_01
ラグビーのスターティングメンバー表示例
予め登録した名前、身長、写真などの情報をリアルタイムに組み合わせて表示。急なメンバー変更にも瞬時に対応可能だ
2560616_HIBINO-STATS-MAGIC_02
バレーボールの得点表示例
選手の配置はコート内の立ち位置に合わせており、ローテーションに合わせて自動的に動く仕組みだ
2560616_HIBINO-STATS-MAGIC_03
ゴルフトーナメント結果表示例
スポーツデータと連動し、自動で順位とスコアを表示する
2560616_HIBINO-STATS-MAGIC_04
ゴルフのプレー成績表示例
各種成績を自動でグラフ化し、観客への理解を深める

競技や会場に縛られない柔軟性

同システムは取り込むスポーツデータの形式に左右されずに活用できるのはもちろん、会場の映像表示装置の画面数・サイズにもとらわれずにそれぞれの画面に対して最適な表示設定が可能だ。複数の画面がある場合は連動したダイナミックな映像演出で盛り上げ、また、試合会場が変わっても、統一感のある演出でリーグやチームの一貫したブランドイメージを提供できる。

2560616_HIBINO-STATS-MAGIC_05
会場の画面ごとに最適なレイアウトを設定

インターネット動画配信など多角的な情報発信をサポート

出力映像は会場の大型映像装置だけでなくインターネット動画配信や各種SNSでも活用できる。

直感的な操作が可能なシンプルなインターフェース

試合のスコアなど競技状況によって変化するスポーツデータは、同システムに直接入力も可能だ。入力の操作画面は、シンプルで分かりやすいデザインになっており、入力を担う公式記録員も、数分間のレクチャーで迷わず操作できる。

必要最小限の操作で情報の入出力が可能なため、操作ミスを防ぎつつ、スポーツイベント特有のスピーディーな展開にも臨機応変に対応する。また、誤操作防止の強化として、映像送出前に確認アラートを挟むことも可能だ。

2560616_HIBINO-STATS-MAGIC_06
バレーボールのスコア操作画面例
ローテーションや選手交代なども一括管理する
2560616_HIBINO-STATS-MAGIC_07
ラグビーのカード操作画面例
必要な情報を直感的に入力できるよう設計されている

要望に応えられる拡張性。あらゆるスポーツの「見せたい」を叶える

自社開発のシステムのため、競技やチームのニーズに合わせて機能の追加やカスタマイズが可能だ。要望に対して、各種スポーツに精通したスタッフが顧客専用のオリジナルシステムを提案する。
※機能拡張には、別途費用がかかる場合がある。

開発者であるヒビノビジュアル Div. Sports Event 課長の森啓輔氏は、次のようにコメントしている。

森氏:「魅力的なコンテンツで、観客の満足度を高めたい」お客様も我々も想いは同じでした。各種スポーツデータをグラフィカルに送出することで、これまでにない「スポーツを現地観戦する楽しさ」を既存のファンにも新規のファンにも届けたい、というのが今でも開発の大きな動機になっています。

コンテンツは充実させながらも、プログラムの内部構造をシンプルに保ち、柔軟性と拡張性を維持するように心がけています。これにより、お客様の要望に迅速にお応えし、他競技への対応も円滑に行うことが可能となります。

おかげさまで、現在ご利用いただいているお客様からは好評をいただいており、大変嬉しく思います。今後は、コンテンツやバリエーションをさらに拡充させながら、新しい競技にも挑戦し、「スポーツを現地観戦する楽しさ」を広げていきたいと考えています。

導入事例:競泳「JAPAN SWIM 2025」

2025年3月20日(木・祝)から23日(日)に東京アクアティクスセンターで開催された公益財団法人日本水泳連盟主催の「JAPAN SWIM 2025」では、HIBINO STATS MAGICを活用し、大会の運営の効率化と演出性の向上を目指した。

選手入場や表彰式のグラフィックは、大会イメージに合わせたオリジナルデザインとなっており、そこへ選手情報や競技結果を自動で反映するように設定した。華やかな映像とリアルタイムの競技結果が融合した演出で会場の一体感を高めた。

従来は結果確定後、スタッフにより手動入力し、複数人で内容確認を行っていたため、多くの時間と手間を要していたが、同システムにより、作業時間を大幅に短縮。運営の効率化と情報の正確性の向上に貢献した。また種目ごとに表示条件が細かく指定されている広告は、事前に内容とタイミングを登録することで、当日の作業をなくし、運営の負担を軽減しながら確実なプロモーションを実施した。

ラグビーやバレーボール、サッカー、ゴルフトーナメントなど、すでに多くのスポーツイベントで運用実績があり、観戦体験の向上と運営効率化の両面で高い評価を得ているという。

今後国内主要スポーツイベントへの導入を目指し、より多くの人々に感動と興奮をもたらすことで、スポーツ産業の発展に貢献するとしている。