Blackmagic Designによると、エンターテイメント業界の人材を育成する東放学園専門学校が、ポストプロダクション教育の一環として27式のDaVinci Resolve Studioを導入したという。

東放学園専門学校は、映像、音響、芸能などエンターテイメント業界を目指す学生が集まる学校法人東放学園グループの一校。主にテレビやラジオなどの番組制作について学ぶ同校ではBlackmagic Design製品が数多く導入されており、番組制作の実習やそのほか様々な授業で活用されている。同校の放送技術科では、2023年度よりDaVinci Resolveの授業を開設しており、それに合わせて27台のラップトップPCにDaVinci Resolve Studioをインストールして導入した。

放送技術科主任の松本侑樹氏は、授業開設について次のようにコメントしている。

松本氏:放送技術科ではテレビ放送のポストプロダクション業務を手掛ける人材を多く輩出しています。昨今は編集のみならず、グレーディングなど幅広い作業が求められるため、それに対応できる最適なソフトウェアを探していました。

私自身がDaVinci Resolveを使ってみて、使いやすさを実感したことに加え、放送局などのプロの現場での導入実績も増えていることから導入を決定しました。また、オンライン・オフライン両方の編集に対応できる柔軟性も大きな魅力です。

導入されたPCは教室に常設され、学生たちは自由に使用できるほか、希望者には貸出も行っている。多くの学生が自身のPCにも無料版のDaVinci Resolveをインストールしており、自宅でDaVinci Resolveを使うことが可能だ。無償版でも十分な機能を備えている点も、学生たちから高い評価を受けている。

授業では、1学期を通じて編集からグレーディングまでを学ぶ。最終課題として用意されたlog素材を使って自由に編集やグレーディングをしたものを提出する。

この授業では撮影まではせずに、すでに用意されたlog素材を使って課題を仕上げるが、ほかにもDaVinci Resolveが活用されている授業が多くあり、「ドラマテクニック」の授業では、DITについて学ぶ時間があり、そこでもDaVinci Resolveを使って自分で撮影した素材を管理したり、基礎的なカラーについて学んだりできる。また、カラーグレーディングのクラスでも学生たちが自分で撮影した素材を用いて色作りを学ぶ。同校では、DaVinci Resolve Advanced PanelやDaVinci Resolve Mini Panelも導入されており、学生たちの作品作りに利用されている。

さらに、2024年に開催された同校のスポーツ大会においてBlackmagic Replayシステムが使用された。当日は、DaVinci Resolve Studio、DaVinci Resolve Replay Editor、URSA Broadcast G2カメラ、ATEM 2 M/ E Constellation HDライブプロダクションスイッチャー、Blackmagic Cloud Dock 2ネットワークストレージ、HyperDeck Studio HD Pro放送デッキ、UltraStudio 4K Miniキャプチャー・再生デバイスを使用し、大会の模様を記録した。

教務教育部の杉本貴史氏は次のようにコメントしている。

杉本氏:今回初めて、スポーツ大会の映像収録を実施しました。学生たちから、収録の際にスローリプレイ映像を収録・送出したいというリクエストがあり、有志で集まった学生たちが中心となって収録・編集を行い、ハイライト映像も制作しました。

通常、リプレイ映像を送出するような機材はレンタルでも高額で学生には手がとどきません。その点、Blackmagic Designは既存の機材を組み合わせることで、リプレイシステムを安価に構築できるので、学生たちに体験させることができました。準備期間は短かったものの、操作習得はスムーズで、完成した映像も大変好評でした。

松本氏:現在、授業で教えているのは編集とカラーですが、今後はFusionもカリキュラムに加えていきたいです。DaVinci Resolveでの編集に慣れてきたら、Blackmagic Cloudを使ってクラス内で共有したり、Blackmagic Cameraで撮影練習をしたりと、Blackmagic Designのツールを使って、どんどん発展させることができます。

DaVinci Resolveは多機能で、特にStudio版はAI機能が充実していて、カラーのMagic Maskやフェイス修正はプロの現場のクオリティを実現でき、オペレートのしやすさも他のソフトウェアより優れていると感じます。今後はAIの機能についても授業に取り入れていきたいです。