ソニーは、レンズ一体型コンパクトカメラの最上位機種として、フルサイズイメージセンサー搭載の「RX1R III」を2025年8月8日に発売する。

  • レンズ一体型フルサイズコンパクトカメラ「RX1R III」:オープン価格 市場実勢価格は税込660,000円前後
  • サムグリップ「TG-2」:メーカー希望小売価格 税込38,720円
  • ボディケース「LCS-RXL」:メーカー希望小売価格 税込21,120円
  • レンズフード「LHP-1 J2」:メーカー希望小売価格 税込22,330円

本機は、有効約6100万画素のフルサイズ裏面照射型Exmor R CMOSイメージセンサーと、最新の画像処理エンジンBIONZ XR、そしてZEISS ゾナーT* 35mm F2の大口径レンズを搭載している。これらにより、美しいぼけ表現や豊かな階調性能といった、フルサイズセンサーならではの高画質撮影を可能にする。

また、レンズ一体型の利点を活かし、レンズとイメージセンサーの位置をミクロン単位で精密に調整することで、レンズ本来の性能を最大限に引き出した描写を実現している。

さらに、AIプロセッシングユニットの搭載により、高速かつ高精度なオートフォーカス性能を備える。姿勢推定技術によって瞳だけでなく人間の胴体や頭部の位置も認識し、被写体を捉え続けるため、撮影者はピント合わせをカメラに任せ、構図に集中することができる。

これらの高性能を手のひらサイズの小型軽量ボディに凝縮し、日常のふとした瞬間を高画質で記録できる一台である。

「RX1R III」の主な特長

高画質性能と撮影機能

本機は、有効約6100万画素のフルサイズ裏面照射型Exmor R CMOSイメージセンサーと、最新の画像処理エンジンBIONZ XRを搭載しており、高解像度でありながら広いダイナミックレンジと高感度・低ノイズ性能を実現している。センサー表面には不要な反射を抑制するAR(反射防止)コーティングが施され、光学ローパスフィルターレス仕様により、センサーの解像性能を最大限に引き出す設計を実現。

レンズには、一体型となるZEISS ゾナーT* 35mm F2レンズを採用している。レンズとセンサーの位置を1台ずつミクロン単位で最適化することで、高い光学性能とレンズユニットの小型化を両立させた。レンズ鏡筒のマクロリングを操作することで、被写体に最短20cm(最大撮影倍率0.26倍)まで寄れるマクロモードに切り替え可能。

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マクロモード作例
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「RX1R III」作例
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また、35mm、50mm、70mm相当の画角に切り替えられるステップクロップ撮影機能も搭載している。高画素センサーのため、クロップしても高い描写力を維持できる。RAW形式で撮影した場合は、撮影後に画角を再選択することも可能である。

画作りの機能としては、落ち着いた発色の「FL2」やクリアな表現の「FL3」など、全12種類のクリエイティブルックを搭載し、静止画・動画ともに撮影時に好みの雰囲気に仕上げることができる。

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クリエイティブルックFL2の作例
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クリエイティブルックFL3の作例
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AIによる高性能AF

最新のAIプロセッシングユニットの搭載により、被写体認識AFの性能が向上した。骨格情報を用いた姿勢推定技術により、人物の瞳だけでなく胴体や頭部の位置を高精度に認識し、顔が見えにくい状況でも被写体を追尾し続ける。被写体認識は人物のほか、動物、鳥、昆虫、車/列車、飛行機など幅広く対応しており、認識対象を「オート」に設定すると、カメラが自動で被写体を判別し、ピントを合わせる。

撮像領域の約78%(静止画撮影時)には、最大693点の像面位相差AF点を高密度に配置しており、画面の隅にいる被写体も正確に捉えることができる。これらのAF性能により、撮影者はピント合わせをカメラに任せ、構図や撮影タイミングに集中することが可能になる。

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「RX1R III」作例
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デザインと操作性

ボディは、外形寸法約113.3mm×約67.9mm×約74.5mm(幅×高さ×奥行き)、質量約498gという小型軽量サイズを実現している。外装と内部構造には軽量で剛性の高いマグネシウム合金を使用し、堅牢性と小型化を両立させている。グリップ形状やボタン、ダイヤルの配置も、小型ながら快適な操作性を追求した設計である。

ファインダーには、約236万ドットのXGA OLEDを採用した電子ビューファインダーを搭載している。また、汎用性の高いマルチインターフェース(MI)シューを備え、外部マイクやフラッシュなどのアクセサリーにも対応する。

アクセサリーを装着したイメージ
アクセサリーを装着したイメージ

バッテリーにはリチャージャブルバッテリーパックNP-FW50を採用し、最大で約300枚の静止画撮影が可能である。USB Type-C端子はUSB Power Deliveryに対応しており、モバイルバッテリーなどからの給電や急速充電が可能である。

環境への配慮と専用アクセサリー

本機は環境にも配慮されており、製造工場では100%再生可能エネルギー由来の電力が使用されている。個装箱にはソニー独自の再生紙素材を採用し、梱包材のプラスチック使用量も削減されている。また、メニュー画面などを音声で読み上げる機能や、メニューの拡大表示機能を搭載し、アクセシビリティも考慮されている。

別売の専用アクセサリーとして、安定したホールド感を得られるサムグリップ『TG-2』、本体を保護しつつバッテリー交換などが可能なボディケース「LCS-RXL」、アルミ製のレンズフード「LHP-1 J2」が用意される。

使用イメージ