株式会社理経は、RADWIN Ltd.の無線アクセスシステム「TerraNet」の販売を2025年7月より開始する。
TerraNetは、使用にあたり免許・登録が不要な60GHz帯無線アクセスシステムである。比較的に長距離、高速な伝送が可能であり、アンテナタイプが異なる3つのモデルを展開している。最大32台の子局接続が可能なため、使用用途や設置環境に応じて柔軟に選択できる。
伝送速度はギガビットクラスであり、高精細な映像の伝送など大容量のデータ通信を容易に低遅延で実現する。光ファイバの未整備地域など有線インフラ環境がない現場でも、同等レベルでネットワークを構築可能だ。また、アンテナの方向を自動で調整する機能を持つため、現地での設置作業負担を軽減できる。
利用例
- 災害時のネットワークインフラ
- 工場・オフィス建屋間での通信
- 防犯カメラ
- スポーツ・ライブイベントにおける映像伝送
- 建築現場での重機の遠隔操作
特長
- 免許申請不要
- 最大伝送距離1.8km(晴天時)
- 最大2.3Gbpsの実行スループット(一定時間あたりのデータ量)
- 最大32台の子局接続
- ビームフォーミング※機能サポート
- アンテナ方向調整不要
- 低遅延伝送
- 電波干渉に強い
※ 電波をアンテナから特定の方向に集中させることによって、通信の効率を向上させる技術
市場背景
日本は地震等の災害発生率が高い地理環境にあり、災害時のネットワークインフラの維持には、断線の可能性がある有線よりも需要が高まっている。また、街頭の防犯カメラは性能が上がり、設置台数も年々増えていることから、高精細かつ高速通信を行える環境づくりが必要である。さらに、建築業界においては、クレーンなど建機の無人化による遠隔操作など、現場作業員の負担軽減や人手不足に対応する動きも見られる。
このように様々な市場での需要が高まる一方で、高速通信が可能な無線機の多くは、免許申請や運用するためのノウハウが求められるといった手間もあった。そのため、柔軟にネットワークインフラを構築可能な無線アクセスシステムが注目されている。