ブラックマジックデザインは、DaVinci Resolve 20.1アップデートをリリースした。同社ウェブサイトから無償でダウンロード可能。
今回のメジャーアップデートは、Mac版のDaVinci Resolve Studioに、Appleの空間オーディオを含むApple Immersiveワークフローのサポートを追加。これにより、新製品Blackmagic URSA Cine Immersiveカメラで撮影したApple Immersive Videoの編集、カラーグレーディング、VFXの追加、空間オーディオのミックス、書き出しが簡単に行える。
新しいイマーシブ・ビデオビューアでは、クリップをパン、ティルト、ロールして2Dモニターで見たり、Apple Vision Proに直接配信して、より没入感の高い編集体験を得ることができる。
エディットページでは、URSA Cine Immersiveで収録したファイルを、他のあらゆる2Dメディアの場合と同じように、慣れ親しんだドラッグ&ドロップ形式のインターフェースで扱える。360°の背景トラックを追加して、投影されたイマーシブ映像の外側に表示させることも可能である。URSA Cine Immersiveで収録したファイルをカラーページで扱う際は、プライマリーカラーコレクションツールのすべてと、セカンダリーカラーグレーディングツールの一部を使用できる。
エッジマスクなど、3Dパレットの新しいツールでは、URSA Cine Immersiveで撮影した映像の視野を調整して、フレームに入ってしまったマイクなどのアイテムをショットから除外できる。
Fusionでは、視野全体を横切るような3Dタイトルや放送グラフィックを作成したり、USDファイルを使用して、イマーシブ映像で本格的なハリウッド級のエフェクトを作成できる。パッチャーや歪みなど既存のツールもアップデートされており、イマーシブ映像にシームレスに使用可能だ。DaVinci Resolveは、世界で初めてイマーシブApple Spatial Audio Format（ASAF）サウンドトラックのミキシングとマスタリングに対応した編集ソフトウェアとなった。
Fairlightは、1次から7次までのアンビソニックバスおよびトラックを使用して、64チャンネルのオーディオに対応できる機能を標準搭載。3DパンナービューはASAF用に強化されており、オブジェクトの位置、向き、空間シミュレーションを含めて、3D空間でサウンドを自由に配置できる。
今回のアップデートにより、すべてのDaVinci Resolve Studioユーザーに対してFusionのAI Magic Mask 2がサポートされ、人物、特徴、オブジェクトをクリックして選択し、極めて高精度のトラッキングを実行できるようになった。これにより、特殊なエフェクトを適用したり、設定を調整したり、フレーム内で動くオブジェクトに合わせてアニメーションを調整したりする作業が簡単になるという。
さらに、今回のアップデートには、すべてのDaVinci Resolveユーザーに対する改良点も多数含まれている。
キーフレームパネルがアップデートされ、アニメーションの作成をよりすばやく直感的に行えるようになったのもそのひとつである。
複数キーフレーム間のイーズ機能も改善され、トランジションがさらに滑らかになり、タイムラインとインスペクタでより一貫した結果が得られるようになった。カーブの表示も向上し、キーフレームまたはカーブトレイのどちらでもカーブを直接調整できる。
これにより、ビューを切り替えずに、キーフレームおよびカーブに対する変更をより簡単に微調整できる。クリップの編集点より外側にあるキーフレームも見えるようになったため、より長いアニメーションも簡単に作成できる。また、キーフレームビューとカーブビューの切り替えをショートカットに割り当てることも可能で、新しい縦方向のスライダーを使用して、カーブエディターでより細かい調整を行うこともできる。
さらに、マルチテキストも改良され、テキストのフォーマット設定をより直感的かつ簡単に使用できる。文字や単語ごとに、異なるフォントやカラーを設定できるようになった。
また、段落ごとにスタイルを適用して、テキストを左揃え、中央揃え、右揃えにしたり、インデントを挿入してより整った書式にすることもできる。CSVファイルを直接読み込めば、列ごとに揃ったマルチテキストボックスに自動的に配置されるので、フォーマットやレイアウトの設定も簡単である。
macOS版のDaVinci Resolve Studio 20.1で使用できるイマーシブビデオクリップのサンプルは、http://bmd.link/jp/Ndw4pzからダウンロード可能。
