Blackmagic Design導入事例:Owensboro Racing and GamingのCM の場合

Blackmagic Designによると、撮影監督のジャクソン・クーパー・ギャンゴ氏が、Blackmagic URSA Cine 12K LFデジタルフィルムカメラに加え、DaVinci Resolve Studioを使用して、Owensboro Racing and Gamingの複数のCMを制作したという。

同氏は、頻繁に仕事を共にするDreamCatcher Studiosのティム・コネリー氏から、ケンタッキー州にあるゲームとエンターテインメントの施設であるOwensboro Racing and GamingのCMシリーズの制作に関する依頼を受けた。

コネリー氏は次のようにコメントしている。

コネリー氏:クライアントは、通常のターゲット層の大人だけでなく、若者にもこの施設がエキサイティングであるとアピールしたいと考えていました。

これまで米国内で同様のプロジェクトを多数手掛けてきた同氏は、同作で求められているものは、単に人々が楽しむ様子を映し出すだけではないということを深く理解していた。

コネリー氏:クライアントは、完成したCMでの自社のマシンの見た目について非常に強いこだわりを持つのが一般的です。ゲーム機はクライアントの最も重要な製品なので、白飛びのしすぎや、不適切な彩度になっていると、作品の出来にすぐに影響します。多くのこういった施設はゲームやレイアウトの点で非常に似ていますが、どの施設も自分たちの施設が特別なものであると感じさせたいと思っています。

Blackmagic Design導入事例:Owensboro Racing and GamingのCM の場合

ゲーム機自体やその周辺によく見られる彩度の高い色彩と明るい光は、撮影時に大きな課題となり、一部のカメラでは問題になりがちだという。

コネリー氏:過去に弊社の制作したゲームCMで問題になったことが2つあり、大きな懸念事項となっていました。一つ目は、特定のタイプの高彩度の青についてです。他のカメラでの撮影では、通常は制御するか、避ける必要があります。もう一つは、ゲームフロアには彩度の高い色彩が多く存在し、撮影においてすぐに彩度が高くなりすぎてしまい、カラリストが多くの時間をかけて修正する必要があることです。しかし、URSA Cine 12K LFでは、これらのカラーを上手く捉えることができ、Blackmagic RAWではポストプロダクションを通して、これらの色彩を維持できます。

今回の依頼には高速撮影のセグメントもあり、特定のカメラでは問題となりやすい、すばやい動きも含まれていた。

コネリー氏:多くの場合、高めのフレームレートで撮影するので、他のカメラでは、解像度、センサーサイズ、撮影範囲の妥協が必要です。しかし、12K LFではその心配はありません。レンズのクロップファクターに影響を与えずに解像度を変更して、フレームレートを上げられるのは素晴らしいですね。また、個人的にローリングシャッターに強いこだわりを持っているんですが、その点でURSA Cine 12K LFは完璧に機能しました。8Kまたは4Kに解像度を下げると、読み取り速度がさらに良くなります。4K解像度では、正直、これまで見てきた中で最高だと思います。

Blackmagic Design導入事例:Owensboro Racing and GamingのCM の場合

カラリストのライアン・マクニール氏もURSA Cine 12K LFを使用することを楽しみにしていたという。

マクニール氏:新しいセンサーがどのように対処するかを見るのを楽しみにしていた技術的なハードルが2つありました。このような場所は人間の視覚に合わせて照明が当てられ、雰囲気のある照明を意図しているので、フレーム内にブラックや暗いシャドウが多くなることは分かっていました。極めて広い空間で、背景のほとんどを現場にある照明のみで照らす必要がありました。他のカメラでは、センサーにストレスを与え、露出とノイズの両方で問題が生じていたでしょう。

2つ目の技術的なハードルは、フレーム内に避けられない超高彩度のソースが存在することでした。すべてのスロットマシンと動きのある照明は極端なRGBライトで、フィニッシングに用いるBT.709カラースペースから遥かに逸脱しています。

最終的に、URSA Cine 12K LFは非常に良く機能したという。

マクニール氏:このような状況では、ノイズや露出で問題が起きることが予想されますが、イメージは驚くほど鮮明でした。カメラのノイズをクリーンアップする必要は全くありませんでした。もっと一般的に使用されているシネマカメラで撮影された、適切に露出されたショットであっても、少なくともクロマノイズはほぼ常に除去します。

高度なセンサーにより彩度が極めて良く捉えられていたが、最高のカメラでも超高彩度を常に扱えるとは限らない。しかし、DaVinci Resolve Studioを長年使用しているカラリストであるマクニール氏には、この問題に対処するために必要なツールがすべて整っていた。

マクニール氏:基本のツールではそこそこの結果しか出なかったので、DaVinci Resolve Studioプロジェクトの「カメラRAW」設定を時間をかけて確認したところ、「色域の圧縮」という設定があることに気づきました。これにチェックを入れたら、すぐに彩度のロールオフが改善しました。その後、色域マッピングOFXと組み合わせて、「色域マッピング方法」を「彩度圧縮」に設定し、「ニー」と「最大」の値を調整することで、最も極端な色相をベクトルスコープの許容範囲内に収めることができました。これにより、超高彩度の問題を解決できました。

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