©NHK/ZDF/ARTE/OceanX
NHKのスペシャル番組「ディープオーシャン 幻のシーラカンス王国」が、2025年9月14日(現地時間)にオランダ・アムステルダムで開催された国際放送機器展「IBC2025」において、「IBC Innovation Awards」の「Content Creation部門」で最優秀賞を受賞した。この賞は、テクノロジーパートナーとの協力によって技術的課題を解決した革新的なプロジェクトを表彰するものであり、今回の受賞はNHKの技術力と表現力が高く評価されたことを示すものである。
受賞作品は、2025年3月2日に初回放送されたドキュメンタリー番組「ディープオーシャン 幻のシーラカンス王国」(英題:Deep Ocean: Kingdom of the Coelacanth)である。同番組は、世界で初めてシーラカンスの8K撮影と22.2ch立体音響での制作を実現した。制作にあたっては、海外放送局のZDF/ARTEや非営利海洋調査組織のOceanXと国際共同制作を行い、(株)後藤アクアティックス、SGO、(株)レスターなどが技術パートナーとして協力した。
番組の舞台はインドネシアのスラウェシ島沖であり、最新鋭の深海調査船と3台の潜水艇が使用された。撮影チームは、潜水艇を8時間ごとに交代させながらシーラカンスの観察と撮影を続ける「72時間連続追跡」を世界で初めて実施し、新開発の8K超高感度深海カメラでその生態に迫った。
この撮影は、深海を広範囲に見渡せる球体型透明潜水艇と新たに開発された機材によって可能となった。代謝が低く、わずかな刺激にも敏感なシーラカンスの生態に配慮し、長時間の撮影に対応できる超高感度・超高解像度の8K深海専用カメラシステムが2種類開発された。併せて、カメラの性能を最大限に引き出すための8K補正レンズも設計され、これらの新技術が詳細な映像記録を可能にした。
NHKメディア技術局コンテンツテクノロジーセンターのセンター長である白石好孝氏は次のようにコメントしている。
白石氏: 超高感度・超高解像度の8K 深海専用カメラと8K/22.2chワークフローは NHK が長年に渡り培ってきた技術力と技術パートナーの皆様の知見を結集させたことで開発・制作することができました。放送メディア業界はもとより国内外からのシーラカンス研究者にも認められ、大変うれしく思います。改めて関係者の皆様に心より感謝申し上げます。今後も、最新技術の開発に取り組み、視聴者の皆様に新たな感動を届けてまいります。