Blackmagic Designによると、東京地下鉄株式会社(以下:東京メトロ)が同社総合研修訓練センター内に構築したスタジオにATEM Extreme ISOおよびHyperDeck Studio HD Plusを導入し、インハウス制作に活用しているという。研修センターでは毎年DaVinci Resolve Studioの研修も行われており、2年間で100名以上の社員がDaVinci Resolve Studioの講座を受講している。
東京メトロは、東京を中心に運行する地下鉄ネットワークを提供する大手鉄道事業者。9路線・180駅を擁し、1日あたり約684万人の乗客に利用されるなど、日本国内でも有数の規模と利便性を誇る。同社の総合研修訓練センターは、社員の技術力向上と安全意識の徹底を目的として設立された、同社の研修・訓練の中核施設。乗務員や駅係員をはじめとする全職種を対象に、実践的な訓練設備と最新の教育システムを備え、質の高い人材育成を支えているという。

地上5階建ての同社総合研修訓練センターでは、様々な研修用教室を有しており、運転実習もできる、模擬駅3駅を有する。
同センターの課長補佐・関口佳之氏は次のようにコメントしている。
関口氏:この研修センターでは、弊社のあらゆる部門の研修が可能です。入社すると、まずここで研修を受けます。事務職であれば1週間、その他の部署であれば1ヶ月やそれ以上というように、部署によって研修期間は変わりますが、ここでの研修を経てOJTに移行します。また、運転士になる場合は、駅、車掌の業務を数年経験して、運転士試験に合格したのちに、ここで運転士の研修が受けられます。
同社では2023年、研修訓練センター内にスタジオを構築し、クロマキー撮影ができる撮影ブースと編集ブースを備えた。
関口氏:コロナ禍で研修も配信で行う必要があったので、当時はパソコンのウェブカメラでインストラクターが各教室から簡易的に配信を行っていましたが、専用のスタジオの必要性は感じていました。コロナが落ち着いてからも社内配信や動画教材を作るようなニーズはありましたので、スタジオを構築することにしました。

スタジオにはATEM Mini Extreme ISOスイッチャーとHyperDeck Studio HD Plusが導入されており、2台のHDMIカメラ、音声ミキサー、MacBook Proの出力がATEMスイッチャーに接続されている。グリーンバック撮影をしながら任意の背景を合成し、カメラ映像やスライド資料のスイッチングを行うことができる。それらのスイッチング映像はHyperDeck Studio HD Plusで収録される。さらにATEMスイッチャーでISO収録をすることにより、収録後にスイッチングミスの修正が必要な場合や、さらに細かな効果や編集を加えたい場合にもDaVinci Resolve Studioで簡単に編集ができるようになっている。
また、同社では毎年社内向けにDaVinci Resolve Studioの講習も行っており、多くの社員が貸し出し用のコンピューターやiPadにDaVinci Resolve Studioをインストールして受講しているという。
同センター・計画担当の長澤茉采氏は次のようにコメントしている。
長澤氏:講習があるときはすべての部署に向けて募集をしますが、とても人気があって、一つの部署で200名を超える参加希望者が出たこともありました。このスタジオにはDaVinci Resolve Studioがあるので、講習を受けた方がAIを使った便利機能などを利用したい場合は、スタジオで動画編集をすることもあります。先日も複数の部署が合同で訓練動画を作ることがあったのですが、ロゴや字幕、トランジションなどを加え、わかりやすい動画に仕上げていました。
関口氏:スタジオができたことで、自分たちが撮りたいと思うものは撮れるようになりましたし、動画のクオリティもかなり上がりました。現在は、スタジオ撮影のリクエストがあると私たち担当者が立ち会って行っていますが、今後は社員がより自由にスタジオを使えるよう、スタジオ機材の操作方法を学べる講習を開催していきたいと考えています。
