3つの視点、1つの目的地。それが、ビジネスマン、女性、そして家族の旅を追うiPlanetの新しいキャンペーンのコンセプトである。iPlanetステーションに到着すると、超高速のEV充電、従来の燃料補給、休憩およびリラクゼーションエリア、あらゆるニーズに対応するダイニングスペースなど、真の多機能ハブが目の前に広がる。
Blackmagic Designの発表によると、このキャンペーンを指揮するのは、文化的ニュアンスと大胆かつシンプルな美学を融合させた作品を手がけているイタリアのエージェント、Mirrorであり、Adcomから提供されたBlackmagic PYXIS 6Kデジタルフィルムカメラを使用して、4本のスポットCMを作成したという。
ポリーナ・ルシック監督は次のようにコメントしている。
ルシック氏：このコンセプトは、旅行を単なる移動ではなく発見の体験として表現したいという願望から生まれました。同時に、不自然さやわざとらしさを感じさせずに旅の感覚を伝えるシネマライクな質感を求めていました。
このキャンペーンでは、柔らかく自然なカラーパレットを使用し、温かみのあるリアルなルックを目指した。このスタイルに対応するため、制作チームはオープンゲート（3:2）の6Kで、25fpsのBlackmagic RAWを収録したという。
撮影監督のニッコロ・フランコリーニ氏は次のようにコメントしている。
フランコリーニ氏：3:2フォーマットは、クローズアップや親密さの演出に最適です。私にとって、これはシネマライクな16:9の横幅と、バランスの取れた4:3フレームの理想的な中間点です。これはPYXISのネイティブフォーマットなので、制作全体を通してこのフォーマットを使用するのは自然なことでした。
フランコリーニ氏によると、この作品では、27種類の77mm焦点距離をカバーする、T1.9 PL定格のTRIBE7 BLACKWING7 Tのフルフレームレンズセットが採用されており、特徴的なビンテージ特性と有機的なレンダリングのために選ばれたという。
フランコリーニ氏：デジタル感の強すぎるイメージにしたくなかったんです。The TRIBE7のレンズはエレガントでシネマライクな質感があり、私たちが望んでいたスムーズなロールオフとソフトなフレアに対応しています。このレンズをPYXISに装着するのは自然な流れでしたね。
大部分は自然光を多用して屋外で撮影された。ステーション内のシーンでは、より正確に雰囲気をコントロールできるよう、Aputure LS 1200d Pro LEDとARRI HMI PAR 4kWライトが使用された。フランコリーニ氏によると、このような異なる環境での撮影では、幅広いコントラストに対応できるカメラが必要だという。
フランコリーニ氏：カメラのダイナミックレンジにより、湖の反射、山の森の緑、夕日のオレンジ色の輝きなど、ハイライトとシャドウの両方でディテールを保持できます。光を追い求めていたので、柔軟性が鍵でした。デュアルネイティブISOにより、状況が変わってもノイズのないクリーンなイメージを得られました。
撮影現場でリグをカスタマイズ
トスカーナ海岸とピエモンテアルプスの間で撮影されたこの広告キャンペーンは、柔軟性が要求される4本の30秒スポットCMで構成されている。
フランコリーニ氏：撮影場所は、車内、サービスステーション、田舎道などで、それぞれ異なるリグとセットアップが必要でした。
撮影は、大規模なクルーと、より小規模で機敏なユニットの両方で行われた。
フランコリーニ氏：時には30〜40人ほどの人と仕事をすることもありましたが、数人だけという日もありました。その柔軟性のおかげで、風景と、より親密な瞬間の両方をキャプチャーすることができました。少人数の撮影では、例えば、駅に向かって歩く家族を撮影する際に、ジンバルを低い位置で持って子供たちの視点で撮影するなど、より機敏に撮影することができました。
車内のシーンでは、Blackmagic PYXIS 6Kを三連吸盤マウントで窓に固定したり、前部座席とダッシュボードの間にカスタマイズした支えに取り付けて、運転中の顔や身振りのクローズアップショットを撮影したという。
フランコリーニ氏：車内や運転のシーンで最も目を引くショットでは、吸盤マウント、マジックアーム、車体に直接固定したスチールロッドを搭載したカスタムリグが必要でした。軽量のカメラですが、壊れやすくはありません。この頑丈さにより、水平方向に拡張した場合でもリスクなくオフセットできました。
追跡シーケンスでは、サポート車両の屋根に固定したBlack ArmにDJI Ronin 2を搭載したカメラカーを使用し、舗装されていない田舎道でも安定性を確保した。より広角のエスタブリッシング・ショットの撮影には、9メートルのクレーンとリモートヘッドが使用され、頭上を移動して風景の中に登場人物を収めた。
オンセットのフィールドモニタリングでは、カメラ本体のディスプレイと外付けの7インチフィールドモニターを組み合わせた。フォーカス合わせは1人目のACが担当し、2人目のアシスタント（複雑な構成の場合は3人目のアシスタントも含む）が、様々なシーケンスとセットアップの継続性を確保した。
撮影現場からクラウドへ
撮影現場では、Blackmagic PYXIS 6KカメラがBlackmagic RAWオリジナルと並行して 1080p H.264プロキシも生成した。プロキシは、10 GbE接続を介してBlackmagic CloudのDaVinci Resolve Studioプロジェクトに直接アップロードされた。
ポストプロダクション監督のアレッシオ・ムシ氏は次のようにコメントしている。
ムシ氏：エディターはベルギーにいて、カラリストはイタリアにいたのですが、新しい素材が届くとすぐに同じタイムラインで作業することができました。ビンとタイムラインのロックを使用することで、並行して作業し、クリエイティブな決定をリアルタイムで共有できます。実際は距離があるにもかかわらず、まるで同じスタジオにいるかのように作業できました。
プロジェクトのマスタリングを行う前に、DaVinci Resolve StudioはプロキシのタイムラインをカメラのオリジナルのBlackmagic RAWメディアに自動的に再リンクした。
ムシ氏：大きな違いは、DaVinci Resolve Studio内でエンド・トゥ・エンドで作業できることですね。これにより、スムーズな共同作業が可能になり、技術的な摩擦を減らしながら即座に調整することができました。
プロジェクトを振り返り、実際のロケ地に頼った撮影は、ブランドが伝えたかった真実味を反映しているとルシック監督は語る。
ルシック氏：グリーンバックやCGを使わずに、すべて実際の場所で撮影しました。この真実味が視聴者に伝わり、旅行や移動に対する考え方を変えるきっかけになればと願っています。
