ライカカメラは、新製品「ライカM EV1」を2025年11月1日(土)に発売する。
ライカM EV1はライカMシステムに新たなセグメントを導入。光学レンジファインダーを搭載したデジタルおよびフィルムのM型ライカに加え、今回初めて電子ビューファインダー(EVF)を内蔵していたM型ライカとなっている。
ライカM EV1はEVFの利点とライカMシステムの伝統的価値を融合させたモデルだという。ライカMシステムへのエントリーをより容易にするだけでなく、視力に左右されず、より信頼性の高い快適なピント合わせを可能にする。特に、開放f値が明るく、被写界深度が浅いズミルックスやノクティルックスといったレンズを使用する際や、超広角・望遠・マクロレンズで構図を決める際にその真価を発揮するという。
今回のライカM EV1では、長年寄せられてきたユーザーの声に応え、電子ビューファインダーを内蔵。既存のM型ライカユーザーには新たな可能性を、そして初めてライカMシステムに触れる方には、直感的な操作でスムーズなエントリーポイントを提供するとしている。
ライカM EV1のファインダーでは、使用するレンズや焦点距離、選択した絞りに応じて、実際にシャッターを切った時と同じ画像が表示される。撮影範囲や画像の被写界深度などを直接プレビューできることは、特に超広角レンズや望遠レンズを使用する場合、構図を決める上で大きな利点となる。
精密なリアルタイム露出プレビューにより、さらに安心感をもたらすだけでなく、意図的なアンダーやオーバー露出によってクリエイティブな表現の可能性も新たに広がる。さらに、内蔵の視度補正機能により、ファインダー像をユーザーの視度に合わせて調整可能。ダイヤル操作で-4から+2の視度を選択できる。
解像度について、576万ドットの高解像EVFは、きわめて鮮明で自然な色再現によりクリアな画質を実現するという。シャッタースピード、ISO、露出補正といった関連するすべての撮影データは必要に応じてフレーム外に表示され、常に構図全体を見渡すことができる。また、アイセンサーによってファインダーとタッチディスプレイが自動的に切り替わる。
このモデルには、他のライカカメラでも採用されているフォーカスアシスト機能が搭載されており、非常に使いやすくなっている。フォーカスピーキングにより、現在の焦点面をカラーオーバーレイで表示し、狙った画像領域へ精密にリアルタイムでピントを合わせることができる。
フォーカスズーム機能も搭載されており、2段階の拡大表示でマニュアルフォーカスをより容易に行える。フォーカスリングを回すだけで自動的に拡大表示に切り替えることも、またはファンクションボタンのいずれかを操作して手動で行うことも可能である。これにより、特に被写界深度が浅く明るいレンズを使用し、至近距離で撮影する際にも、ピンポイントで高精度にピントを合わせることが可能になる。
レンジファインダー式M型ライカでブライトフレームのプレビューに使われていた前面のレバーは、ライカM EV1では便利なサポート機能として活用できる。このレバーにはフォーカスアシスト機能や1.3倍/1.8倍のデジタルズームを割り当てることが可能で、状況に応じてレバーを左右に動かすだけで、フォーカスアシストを素早くスムーズにオン/オフできる。
ライカM EV1は、M型ライカが受け継いできたタイムレスで機能的、そしてアイコニックなデザインを継承したモデルである。高品質な素材を用いて、ドイツで職人の手によって仕上げられたこのカメラは、ライカらしい洗練された美しいデザイン言語を体現している。ダイヤモンドパターンのレザー仕上げとミニマルなフロントデザインが、従来のレンジファインダー式M型ライカとの差別化を際立たせているという。
技術面では、ライカM EV1は「ライカM11」をベースとしており、フルサイズBSI CMOSセンサーとトリプルレゾリューション技術を搭載。精緻な色再現性、圧倒的なディテール解像力、広いダイナミックレンジ、そして優れたノイズ耐性を兼ね備えている。
撮影データは、6000万、3600万、1800万画素の解像度から選択し、DNGまたはJPEG形式で記録できる。画像処理エンジン「Leica Maestro III」は最高解像度でも画像データを高速処理し、64 GBの内蔵メモリーまたはSDカードに保存することが可能である。Bluetooth、Wi-Fi、ケーブルによるシームレスな接続により、「Leica FOTOS」アプリとの連携もスムーズ。Bluetooth Low Energy技術を活用することで、スマートフォンへの画像転送を省電力でバックグラウンド実行することも可能である。
さらにライカM EV1は、「ライカM11-P」や「ライカM11-D」と同様にライカコンテンツクレデンシャル機能に対応。この先進的なテクノロジーはコンテンツ認証イニシアチブ(CAI)の規格に準拠しており、画像にデジタル署名を付与することで、その出所や後から加えられた変更について改ざん不可能な形で証明できる。