Blackmagic Designの発表によると、ヨーロッパ最大の多目的会場の一つ、プラハのO2アリーナが、Blackmagic Designのテクノロジーを使用して、オーディオビジュアルにおける大幅なアップグレードを行ったという。この近代化により、イベント制作能力が向上し、コンテンツ配信が改善され、生放送やデジタルプラットフォームにおいて将来的に拡張可能となったという。
HC Sparta Pragueの本拠地であり、Bestsport, a.s.が運営を担当している同アリーナの収容人数は18,000人で、馬術選手権、総合格闘技トーナメント、大規模なコンサートなど、様々なイベントが開催されている。しかし、会場の4:3アスペクトレシオとSDのみのワークフローは、もはや目的に見合わなくなっていたという。
Bestsportのメディアテクノロジー主任のパベル・マテイチェック氏は、次のようにコメントしている。
マテイチェック氏:アリーナが建設された約20年前は、このシステムは最先端のものでした。
しかし、規格が進化していく中で、ファンに対して質の高い体験を提供し続けていくには、全面的な見直しが必要でした。
アップグレードにより、より高解像度の出力と合理化されたワークフローが構築され、会場の中央ディスプレイは現在HDとなり、必要に応じてUltra HDを使用することも可能となった。
マテイチェック氏:これには、現在の需要に対応しながら将来のニーズにも拡張可能なソリューションが必要でした。

Blackmagic Designをベースとしたソリューションは、性能、コスト、既存の機器との互換性を考慮して選択された。アップグレードの鍵となるBlackmagic URSA Broadcast G2が選定された理由は、同社が所有しているB4レンズと同軸ケーブルのインフラを使用できるからだった。
マテイチェック氏:他の選択肢も検討しましたが、SDIに決めました。
Blackmagicの製品では、レンズを引き続き使用でき、光コンバーターを用いて同軸ケーブルを長距離で使えるようになりました。LEMOハイブリッドの再構築は高額すぎました。
オーディオビジュアルの操作室は、ATEM Constellation 8Kライブプロダクションスイッチャーを中心に構築されており、ATEM 2 M/E Advanced Panel 40が映像のミックスに使用されている。信号の管理とルーティングにはBlackmagic Videohub 40×40 12Gルーター、リモートモニタリングとシェーディングには2台のATEM Camera Control Panelが使用されている。
このセットアップでは、4台のURSA Broadcast G2、4台のBlackmagic Studio Camera 6K Pro、ジンバルに取り付けたワイヤレス伝送に対応したBlackmagic Pocket Cinema Camera 6K Proを含む、様々な種類のカメラで構成された最大18の入力信号を管理できるようになっている。

マテイチェック氏:ワークフロー全体は1080p50で稼働します。
収録にはHyperDeck Extreme 4K HDRとHyperDeck Studio 4K Proを使用し、SmartView 4K G2、SmartScope Duo 4K、Audio Monitor 12G G2が操作室におけるモニタリングに使用されています。
Teranex Miniコンバーター、特に12G SDI to Quad SDIがワークフローにおいて重要な役割を果たし、DeckLink 8K Proキャプチャー・再生カードと共にColosseoEASからのグラフィックの統合を行っている。
マテイチェック氏:最も大きな改善点は画質です。
解像度が4倍のプログレッシブビデオへの移行は、弊社にとって大きな飛躍です。現在、主にHDで作業していますが、ワークフロー全体がUltra HDに対応しています。また、ATEM Constellation 8Kでは拡張の余地があります。
このアップグレードにより、O2アリーナの制作ワークフローが一変し、多様なイベントに柔軟に対応できるようになり、会場の放送インフラの将来性も確保されたという。
