Kris Kashtanova
アドビは、Googleの最新画像モデル Gemini 3(Nano Banana Pro搭載)をAdobe FireflyとPhotoshopに統合した。このモデルは、画像・動画・音声の分野で選択可能な Black Forest Labs、ElevenLabs、Google、Ideogram、Luma AI、Moonvalley、OpenAI、Pika、Runway、Topaz Labs などのパートナーモデルのラインアップに加わる。
AIモデルの世界は、それぞれが独自の強みと個性を持ちながら、急速に拡大している。そして、クリエイターからは、タスクごとに異なるモデルを使い分けていると聞いている。最近実施した16,000人以上のクリエイターを対象としたグローバル調査では、60%以上が、適切なツールを適切なタスクに合わせるために複数のクリエイティブ AIモデルを使用していると回答した。
そこでアドビは、ユーザーが望む方法で作業がしやすくなるよう、アドビのアプリ内でその環境を整えている。革新的なモデルとアドビの業界をリードするツールを組み合わせることで、高品質な生成結果と精密なコントロールを両立させ、ユーザーが思い描く作品をそのまま形にできるようにする。新しいモデルのリリースを追いかけたり、バラバラなツールを使い分けたり、複数のサブスクリプションに支払うことなく、アドビのアプリの中に必要なものはすべて揃っているとしている。
Nano Banana Proを使った創作を楽しめるよう、Adobe Fireflyアプリ内でAdobe FireflyImage Modelおよびパートナーモデルが無制限に利用可能だ(対象はCreative Cloud ProとAdobe Fireflyプランを契約中の方である)。
Adobe FireflyとAdobe Photoshopに搭載された最新のプロ仕様の画像モデル
アドビは、コミュニティのメンバーがGemini Flash Image 2.5(Nano Banana)を使ってアプリ内で作成された素晴らしい作品に大きな刺激を受けているという。Googleの最新モデルであるNano Banana Proは、編集品質が大幅に向上しており、テキストプロンプトを用いた画像の特定部分の調整、アスペクト比の変更、解像度の向上、さらにはカメラアングルや照明の調整まで行うことができる。
また、画像内にクリーンで自然に溶け込むテキストを生成することにも優れており、翻訳されたテキストを使用したビジュアルのローカライズにも対応できる。さらに、Google検索のナレッジベースを活用することで、事実に基づいた正確なビジュアル生成も可能である。このようなプロ仕様の機能により、Nano Banana Proはアドビのクリエイティブアプリにおいて非常に優れた補完モデルとなっている。
動画、画像、音声など、あらゆる分野におけるアイデア創出から制作までをサポートするオールインワンのクリエイティブ AI スタジオ、Adobe Fireflyでは「テキストから画像生成」でNano Banana Proを利用することができる。またこのモデルは、AI を搭載した共同ムードボード作成ツールAdobe Fireflyボードでも利用可能である。クリエイターやクリエイティブプロフェッショナルは、共同でブレインストーミングを行い、アイデアを整理し、初期段階のコンセプトを可視化することができる。
Adobe Photoshopでは、Nano Banana Proは「生成塗りつぶし」を強化する最新モデルとして、利用可能である。これにより、クリエイティブプロフェッショナルは、特定の編集や、よりリアルな高解像度コンテンツの生成、クリエイティブなバリエーションの探索を、素早くプロンプトベースで実行できるようになる。
これは、今年初めに「生成塗りつぶし」を強化する最初のパートナーモデルとしてAdobe Photoshopに統合した、GoogleのNano BananaやBlack Forest Labsの FLUX.1 Kontext [pro]に続くものである。Adobe FireflyおよびパートナーモデルをAdobe Photoshopで活用することで、クリエイティブプロフェッショナルは、生成から、レイヤー、マスク、選択範囲を用いたピクセル単位の編集といった仕上げまで、ワークフローを中断することなくシームレスに行うことができるという。