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英国の中心部に拠点を置くレンズ専門家チームTLS(True Lens Services)は、ラージフォーマット対応シネマレンズシステム「Vega65」を発表した。設計・開発・製造のすべてを自社内で完結させた完全内製モデルであり、モダンなイメージング性能とキャラクター性を融合させた新世代のレンズシリーズとして展開される。

Vegaシリーズの起源は2017年に誕生した初代TLS Vegaレンズにさかのぼる。長年にわたるリハウジング技術と映像制作者との協業を通じて生まれたこのシリーズは、TLSが自社設計レンズの開発に本格的に踏み出す転換点となった。現代センサー性能への対応と、描写キャラクター、一貫性、妥協なき機械精度を融合させるという思想は、Vega65にも継承されている。

Vega65は、TLSデザインチームによって構想・設計・製造まで一貫して開発されたレンズシステムである。素材選定から製造精度、構造設計にいたるまで、すべての工程が性能を最優先に設計されており、熟練した技術者の手作業と長年の経験によって一本一本が精緻に仕上げられている。

センサー対応とスケール感

光学設計には65mmフォーマット専用のラージフォーマット設計を採用し、最新世代のラージフォーマットカメラに対応する真の65mmセンサーカバレッジを実現する。全焦点距離で描写特性の一貫性が保たれており、レンズ間での画づくりの統一性を確保する設計となっている。なだらかなフォールオフと自然な分離感、シネマティックなスケール感を持つ描写特性により、ワイドショットからクローズアップまで安定した映像表現が可能となる。

明るい開放値による低照度耐性と、フレーム全体にわたるコントラストと被写界深度の制御性能も特徴であり、近接撮影性能の高さによって被写体へのアプローチそのものを創造的表現の一部として活用できる設計となっている。

軽量・コンパクト設計

筐体設計においては、65フォーマットレンズシステムとしてはコンパクトかつバランスの取れた設計を実現しており、現場での機動性と実用性を重視した構造となっている。システムは24mmから165mmまでの9焦点距離で構成され、すべてのレンズでフォーカスギアおよびアイリスギア位置が統一されているため、素早いレンズ交換とシームレスな運用が可能となる。

拡張性を備えたシステム設計

Vega65は長期運用を前提としたモジュラー設計も採用している。既存のVega FF(フルフレーム)セットは専用アップグレードキットによりVega65仕様へ変換可能であり、Vega65レンズも追加キットによってフルフレーム仕様へ再変換できる構造となっている。これにより、現在の制作環境と将来のラージフォーマット環境の両方に対応可能なシステム構成を実現している。

すべてのVega65レンズには星のシンボルマークが刻まれており、設計思想の一貫性、エンジニアリング品質、そして現場での信頼性を象徴するシリーズシグネチャーとして位置付けられている。