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ライカカメラ社(以下:ライカ)は今年、ライカギャラリー開設から50年の節目を迎える。この節目を記念して、2026年6月には本拠地ドイツ・ウェッツラーで大規模な記念写真展「My Leica Moment」を開催する。

1976年、本拠地ウェッツラーに最初のライカギャラリーが開かれ、芸術文化に対する企業貢献の礎が築かれた。創設時のギャラリーコンセプトは成功を収め、現在にいたるまで実践されている。

この50年間で世界各地に26のライカギャラリーを置くまでに成長を遂げ、国際的なネットワークが構築されている。各ギャラリーは写真を芸術として、時代を映す記録として、そして地球規模で人々の声を代弁する存在として捉え、それを可視化し、観る者が体感できるかたちで提示するというビジョンを共有している。

年間およそ150におよぶ写真展を通じて現代の写真と歴史に名を刻む傑作を巧みに織り交ぜ紹介するライカギャラリーは、開設以来半世紀にわたって、写真表現の卓越性と写真が持つ多様性を象徴している。

6月の写真展は、50周年という節目を記念するイベントの一環として開催される。開催にあたり各ライカギャラリーに呼びかけ、候補となる写真家が挙げられた。「My Leica Moment」と題する写真展は、ライカギャラリー50周年記念のために選ばれたアーティストによる50の作品で構成される。親密さ溢れる瞬間、魅力的なストーリー、一流の写真家が持つ芸術的視点など、ライカフォトグラフィーの多様性を一望させる作品群となっている。

100年以上にわたり、ライカは写真文化を企業哲学の中心に据えてきた。ライカギャラリーのネットワークが広がることで、企業として果たすべき文化的な使命も世界規模に拡大した。写真文化を守り、その育成とさらなる発展を促す取り組みをグローバルに推進していくこととなった。傑出した写真、文化的な対話、写真文化の振興の代名詞であるライカギャラリーは、写真家と鑑賞者とが国境を越えて出会い、思索を深め、交流する場であり、歴史的・政治的・社会的なテーマを取り上げて議論を促す視覚的ストーリーテリングの空間を提供している。

ライカギャラリー・インターナショナル代表兼アートディレクターであるカリン・レーン=カウフマン氏は次のようにコメントしている。

カウフマン氏:ライカギャラリーが提供する文化プログラムはすべて、写真への情熱を幅広い層の方々と共有できるようデザインされています。ライカの世界に欠かせないのが、プロフェッショナルの写真家たちによる創作活動です。ライカギャラリーによって、私たちには、最もいい意味で"ライカファミリー"といえる、素晴らしい国際的なネットワークがあります。世界中どこの国でも大部分の人が写真と日常的に関わっているという点で、写真は多くの期待を抱かせる魅力的な芸術媒体だと感じています。

1976年4月のオープンに際し、ライカギャラリー・ウェッツラーはライカ初の文化施設として、これまでにない独自のコンセプトを表明した。それは、記録写真や芸術写真を含む一流の作品をライカの伝統との密接なつながりの中で紹介することだ。

当時のエルンスト・ライツ社管理棟のロビーに個別のスペースを配して、ドイツ人写真家パウル・グルスケによる旅行撮影をテーマとした展示から始まったギャラリーは、1988年にライカ社の移転とともにライカギャラリー・ゾルムスへと引き継がれた。当初の展示コンセプトは月替わりの展示プログラムへと発展していった。

また、数十年を経て世界にまたがるライカギャラリーのネットワークが構築されていった。ゾルムスに続いて、まずはパートナー企業およびライカの現地グループとの協力のもと、ニューヨーク(1994)、プラハ(2002)、フランクフルト(2004)、サンパウロ(2005)、メルボルン(2005)にギャラリーが開設された。2006年には、世界で2番目のライカ直営ギャラリーとなるライカギャラリー東京がライカ銀座店にオープンしたことで、ネットワークはさらに拡大した。

今日では、文化都市として国際的に知られる26の都市にライカギャラリーが置かれている。ドイツ国内だけで7都市(2014年より再び本社のあるウェッツラー、フランクフルト、ミュンネヘン、デュッセルドルフ、ハイデルベルク、コンスタンツ、シュトゥットガルト)、国外ではアムステルダム、ボストン、京都、ロンドン、ロサンゼルス、マドリード、ミラノ、メルボルン、メキシコシティ、ニューヨーク、表参道、パリ、ポルト、プラハ、ザルツブルク、シドニー、東京、ウィーンにある。

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Leica Gallery Wetzlar, First Exhibition Paul Gluske, 1976

さらに、今年はシカゴと上海に新たなライカギャラリーの開設を予定しており、ネットワークは一層強化される。

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Leica Gallery Wetzlar

新たなギャラリーが加わるごとに、地域的な広がりだけでなく内容面でも多様性がもたらされる。ライカギャラリーは、すでに傑作として一定の評価を得た作品と、将来性を感じさせる新しい才能の両方に開かれたプラットフォームだ。

毎年の展示プログラムに欠かせない存在となっているのが、「ライカ・オスカー・バルナックアワード(LOBA)」受賞者およびファイナリストの作品を紹介する巡回展で、50年にわたり象徴的な展示を行ってきた。

インゲ・モラス、バーバラ・クレム、ヘアリンデ・ケルブル、アンリ・カルティエ=ブレッソン、セバスチャン・サルガド、エリオット・アーウィット、トーマス・ヘプカー、ルネ・ブリ、スティーブ・マッカリー、ラルフ・ギブソンといった有名写真家による作品から、レニー・クラヴィッツ、アンディ・サマーズ、ジェイミー・カラムなど著名人による作品まで幅広く網羅している。

伝説的なルポルタージュ、親密さを感じさせるポートレート写真、心をゆさぶる長期プロジェクトを通して、ライカギャラリーは写真界になくてはならない存在として国際的に広く認知されるようになった。

ライカギャラリーは今後も変わらず変化とインスピレーションの場であり続けるという。既存の展示様式や写真をテーマとする講演に加えて、新たなアプローチでの展示企画や、写真におけるAIについての対話もますます重要性を増している。デジタル変革の流れのなかにあっても、ライカギャラリーは姿勢を変えず、本物の写真を、重要な媒体として社会的な議論のなかに位置づけることを目指し、オープンで批評的、グローバルに結びついたアプローチを貫くとする。

また、これまでと同様、写真の真正性を中核に据えていく。さらに、写真を愛する人々が偉大なライカ写真家による唯一無二の作品をコレクションできるよう、ライカギャラリーでは作品を購入する機会を設けている。例えば、ライカ・ホール・オブ・フェイム・アワード受賞者へのオマージュとして選出する「ライカ・ピクチャー・オブ・ザ・イヤー」の1枚は、限定プリントとしてライカギャラリーにて販売される。